アメリカン・ワークウェア入門
ここ最近、アメリカン・ワークウェアで外出することが増えました。何年かに一度やってくるマイブームなのですが、アメリカン・ワークウェアは流行り廃りがあるものの、日本では長い人気を保っています。今日は、そのワークウェアの基本的な話をしたいと思います。
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アメリカン・ワークウェアとは
ワークウェアは農場、工場、炭鉱、森林、調理場などで働く人に向けて作られ、機能性と頑丈さを売りにしているメーカーが多いのが特徴です。日本で最も馴染み深いメーカーは、リーバイスでしょう。リーバイスは金鉱で働く労働者のためにジーンズを作ったのが会社の始まりです。
作業着ですから動きやすく頑丈で、汚れても気にならないラフさがあります。ガンガン洗って着た押すことができるのがワークウェアの魅力です。そしてイギリスやフランスのワークウェアに比べて、アメリカのものは無骨なデザインが多くみられます。
ワークウェアは格好良いか?
どこのブランドが格好良いか質問されることがありますが、そんなものはありません。もしアメリカン・ワークウェアが格好良いと思っているなら、それは着ていた人が格好良かったのです。そしてそういう人は、格好良く着こなすというより、「必要だから着ている」からです。アウトドアウェアと同じく、アウトドアウェアが格好良いのではなく、アウトドアウェアを必要とする生活をしている人に憧れるから格好良く見えるのに似ています。普段からワークウェアを必要とするライフスタイルの人への憧れなのです。
アメリカン・ワークウェアのメーカー
代表的なアメリカン・ワークウェアのメーカーを挙げてみたいと思います。
ディッキーズは正式名を「ウイリアムソン・ディッキー・マニュファクチュアリング・カンパニー」といい、1922年にテキサス州で創業しました。工場の作業着や米軍の作業着などを作ってきた歴史があり、代表的な商品は874ワークパンツです。1950年代にヒットし、若干のシルエットの変化を繰り返しながら基本ディテールはそのままに現在も売れ続けています。カラー展開が多いのも人気の理由ですね。
ディッキーズのワークパンツには上の写真のようにさまざまなシルエットがあり、主にパンツのワタリが違います。874は太いワタリが特徴で、動きやすさを重視したシルエットになっています。ジーンズのようにラフに使うことも可能ですし、チノパンのようにジャケットに合わせることも可能です。その他には、つなぎ、カバーオール、ワークシャツなどが有名で、最近はホームセンターの作業着売り場でも見かけます。正規店での単価は割と高めですが、並行輸入品が安価に売られています。
レッドキャップは1923年にテネシー州に創業したメーカーで、戦時中は軍向けのシャツやガスマスクなどを作っていました。そのノウハウを活かして戦後は耐久性の高いワークシャツを製造し、GM・フォード・メルセデスベンツ・アウディ・ホンダなどに工場用の作業着を納めるようになりました。現在も欧米の自動車工場では圧倒的なシェアを誇っています。
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人気商品はワークパンツで、シルエットやディテールの違いからPT62・PT50・PT20などがあります。アメリカのスーパーマーケットでも売っている、定番のワークパンツになります。個人的にはここのシェフパンツ(調理人用のパンツ)が好きで、部屋着にしています。
カーハートは1882年にミシガン州デトロイトで創業しました。自動車工場の労働者たちから意見を聞き、ダック生地で作ったカバーオールが作業着として大ヒットします。その後もワークウェアとして多くの支持を得ますが、90年代に入るとヒップホップ系のパフォーマーが着用するようになり、ヨーロッパでデザインされたカーハートWIPというストリート向けのブランドも展開するようになりました。
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人気が高いのはペインターパンツで、今どき珍しいかなり太めのデザインになっています。またカバーオールやデトロイトジャケットなども高い人気を誇っています。映画などでもよく見られ、アメリカでは広く浸透しているのがわかります。
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ジャケットではトラディショナルコートが人気です。アメリカの映画やドラマでもよく見かけるアイテムで、定番のワークジャケットと言えます。
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1935年にベンジャミン・デイビスがサンフランシスコで創業しました。ポケットのステッチがほどけてこないように、リベットで留めるアイデアはデイビス氏のもので、これをリーバイ・ストラウス氏に提供したことからリーバイスのジーンズはリベット留めになりました。伝説のリーバイス501は、ベンジャミン・デイビスの発案を実現したものだったのです。ベン・デイビスは一切の広告を出さない経営方針でしたが、やがて西海岸のギャングやバイカーなどにも支持されていて、ストリートカルチャーに根付いています。
ワークパンツ、通称ゴリラパンツは太いわたりが特徴です。ベンジャミン・デイヴィスも、その息子も、長い間リーバイスの工場責任者でした。そのノウハウを注ぎ込んでできたオリジナルブランドがベン・デイビスになります。
フィルソンは以前にも紹介しましたので、こちらをご覧ください。森林で働く人やアウトドアを楽しむ人のための製品を展開していて、定番のマッキノウ・クルーザーは100年近く定番品として売れ続けています。最近はシアトル・フィットと呼ばれる街着を意識した細身のデザインも出ていて(従来のシルエットはアラスカ・フィットと呼ばれる)、商品の幅を広げています。
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プリズンブルース
これまで紹介したブランドとは毛色が異なり、アリゾナ州の刑務所で作られている囚人用のワークウェアです。一般でも販売されており、日本でも購入することが可能です。こちらは別に記事を書いているので、そちらを参照してください。関連記事:メイド・イン・プリズン(刑務所製)/プリズンブルースのジーンズ
アメリカン・ワークウェアとつきあう
ザクっときてパッと脱ぎ捨てるような感じで、お洒落を意識するようなものではないと思います。ですから、私は最近の街着を意識したスタイリッシュな傾向には関心がなく、野暮ったいデザインの方が好みです。基本的に頑丈なものが多く、ガンガン洗濯してヨレてきた方が味が出るものが多いので、とにかく着倒すつもりで着るのがいいでしょう。汚れや擦り傷など気にしないで、楽に着る服だと思います。
小さなお子さんがいる家庭など、休日の服にいかがでしょう。一緒に泥まみれ汗まみれになって遊ぶのに、ほとんど気を使わなくて良いですよ。
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redkapのpt20って結構縮んだりしますか??
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