フィルソン・マッキーノクルーザー /森のタキシードと呼ばれる傑作アウター
アメリカのワークウェアブランド、フィルソンの代表的なアイテムがマッキノー・クルーザーです。Mackinaw Cruiserと書いて「マッキーノ」と表記するところが多いのですが、どうも違和感があります。実際の発音は「マキノウ」や「マッキノウ」が近いと思うのですが、ここでは日本で一般的に使われている「マッキーノ」と表記しました。それはともかく、100年間に渡りほぼ形を変えずに作り続けられているジャケットを紹介します。
森のタキシードと呼ばれ、アメリカンワークウェアの傑作といわれているのがマッキーノクルーザーです。ハードユースにもタウンユースにも使える優れものです。
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マッキーノクロスはオレゴン州産のバージンウールで織られ、スチームで目を詰まらせた素材です。オーストリアのチロル地方で有名なローデンクロスは、織った後にお湯で煮て目を詰まらせるそうですが、発想が似ていますね。どちらも熱を加えることで生地の目を詰めて風を通さずに保温性を高めるために、このような処理をしているわけです。
かつてマッキーノクルーザーは26オンスの生地がつかわれていましたが、いつの間にか24オンスに軽量化されています。これをコストダウンと見る向きもありますが、インナー素材が発達した現在ではアウターの役割も変わってきています。特に重ね着するレイヤリングが常識となっている現在では、重くて分厚いアウターは避けられる傾向にあります。それに24オンスになっても、十分な暖かさがあります。北海道ではわかりませんが、東京で着ているには24オンスでも全く問題がありません。
このチャコールのほかダークネイビーや、グレイとチャコールのチェックなどがあります。ブラックはいつの間にか、アメリカの公式サイトからは消えているようです。またブラウンもあったと思うのですが、こちらもアメリカのサイトでは確認できませんでした。このようにカラーバリエーションは変わることがあるので、気に入った色があればすぐに買っておく方が良いと思います。
結論から言って、自宅で洗うことは可能です。洗濯ネットを使えば縮みは最小限に抑えられますし、抜けた脂分はラノリンである程度補えます。むしろ10年も着たら、ラノリンシャンプーで洗うか、ラノリンのリンスに漬けた方が防水性は維持できそうです。ただしメーカーが自宅での洗濯は推奨していないので、あくまでも自己責任でお願いします。
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前面は4つポケットにハンドウォーマーが付いています。胸ポケットは、もう少し上にある方が見た目が良いのですが、機能性を優先して少し低めについています。基本的にフィルソンはファッション性を度外視して、実用性を前面に押し出しています。ポケットはホックになっているので、手がかじかんでも留めやすくなっています。
袖はアメリカ製の例に漏れず、やや長めです。私は袖を水で濡らしてユニットバスの乾燥機能を使って乾かしました。それでそこそこ袖が短くなって着やすくなったのですが、これも自己責任でお願いします。そして袖は二つのボタンで手首部分を調整できます。
内ポケットは左側についていて、ボタン付きです。
左の胸ポケットには、ペンポケットがついています。ワークジャケットらしい配慮で、アウターにペンが刺せるのは作業で使うときに本当に便利です。
前面はポケット、背中もポケットがあるので必然的に生地が二重に使われています。肩は上記の通り2重になっているので、袖と胸ポケットより上の部分が一重の生地になります。真冬などはこの部分から冷えてくるので、下にベストやパーカーを着るなどしています。しかし例えばカーハートのV01などを下に着ると、真冬でも汗をかくことがあり、シャツなどで調整するくらいがいいかもしれません。
ダブルマッキーノクルーザーは、この一重部分を二重にして暖かさを補完したもので、とても理にかなっています。東京ではやや過剰な気がしますが、北国の方ならダブルマッキーノも検討に加えてはいかがでしょうか。また何度かオープンカーに乗っている人が、ダブルマッキーのを着ているのを見たことがあります。寒い日には良い選択だと思いました。
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フィルソン社とは
フィルソン社については以前も書きましたので、そちらを参照して下さい。関連記事:最上を目指したワークブランド フィルソン
マッキーノクロス
生地のマッキーノクロスは、ミシガン州のヒューロン湖にある小さな島、Mackinaw Islandが語源になっているそうです。地図で見るとすぐ近くにMackinaw cityという地名もあり、そのMackinaw cityからアレンビルにかかっている橋がMackinac Bridgeとなっています。ネルシャツで有名なBig MacやMighty Macはこの近くにあり、MacもMackinaw Bridgeからとったそうです。※Mackinac Bridge |
マッキーノクロスはオレゴン州産のバージンウールで織られ、スチームで目を詰まらせた素材です。オーストリアのチロル地方で有名なローデンクロスは、織った後にお湯で煮て目を詰まらせるそうですが、発想が似ていますね。どちらも熱を加えることで生地の目を詰めて風を通さずに保温性を高めるために、このような処理をしているわけです。
※ローデンクロス |
かつてマッキーノクルーザーは26オンスの生地がつかわれていましたが、いつの間にか24オンスに軽量化されています。これをコストダウンと見る向きもありますが、インナー素材が発達した現在ではアウターの役割も変わってきています。特に重ね着するレイヤリングが常識となっている現在では、重くて分厚いアウターは避けられる傾向にあります。それに24オンスになっても、十分な暖かさがあります。北海道ではわかりませんが、東京で着ているには24オンスでも全く問題がありません。
色について
定番色はバッファローチェックと呼ばれる赤と黒のチェックです。森の中でも目立つように、このような派手な色になっています。そしてもう一つの定番色がフォレストグリーンと呼ばれる深い緑色です。フィルソンが森林警備隊のユニフォームに採用されてからの定番色だそうで、こちらも人気の高い色になっています。私もこのフォレストグリーンが欲しかったんですけど、縁があってチャコールが手元にやってきました。チャコールはブラックに比べて白い糸が若干混じっている程度で、遠目にはブラックもチャコールも見分けがつかない程度です。このチャコールのほかダークネイビーや、グレイとチャコールのチェックなどがあります。ブラックはいつの間にか、アメリカの公式サイトからは消えているようです。またブラウンもあったと思うのですが、こちらもアメリカのサイトでは確認できませんでした。このようにカラーバリエーションは変わることがあるので、気に入った色があればすぐに買っておく方が良いと思います。
普段のお手入れ
ウールなのでブラッシングを行います。特に襟は汚れが溜まりやすい部分なので、丁寧に行いましょう。帰ってきたら、ハンガーに吊るす前にブラッシングを行うことを習慣にしましょう。ブラシはスーツ用のブラシで問題ありません。カシミア用の柔らかいブラシもありますが、そこまで上質のものでなくても大丈夫です。洗濯について
脱脂していないウールを使っているため、雨をはじくのが特徴です。しかしこの羊の脂は洗濯によって落ちてしまいます。そのためメーカーはドライクリーニングを推奨しています。洗濯機で洗うと縮むので、その意味でも自宅での洗濯は推奨されていません。しかし脂は経年変化で抜けていきますし、サイズが大きいので洗って縮めたいと考える人も少なくありません。結論から言って、自宅で洗うことは可能です。洗濯ネットを使えば縮みは最小限に抑えられますし、抜けた脂分はラノリンである程度補えます。むしろ10年も着たら、ラノリンシャンプーで洗うか、ラノリンのリンスに漬けた方が防水性は維持できそうです。ただしメーカーが自宅での洗濯は推奨していないので、あくまでも自己責任でお願いします。
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ディテール
背中にはゲームポケットと呼ばれる左右から取り出せるトンネル型の大型ポケットがついています。ポケットは背中全体に及んでいて、かなり大きなものも入れられます。そのため背中の生地は二重になっていて、雨などが染みにくくなっています。地図を入れたり、ハンターの中には狩猟の証明書を入れる人もいるようです。私はここにiPadを入れて、持ち歩くことがあります。前面は4つポケットにハンドウォーマーが付いています。胸ポケットは、もう少し上にある方が見た目が良いのですが、機能性を優先して少し低めについています。基本的にフィルソンはファッション性を度外視して、実用性を前面に押し出しています。ポケットはホックになっているので、手がかじかんでも留めやすくなっています。
袖はアメリカ製の例に漏れず、やや長めです。私は袖を水で濡らしてユニットバスの乾燥機能を使って乾かしました。それでそこそこ袖が短くなって着やすくなったのですが、これも自己責任でお願いします。そして袖は二つのボタンで手首部分を調整できます。
内ポケットは左側についていて、ボタン付きです。
左の胸ポケットには、ペンポケットがついています。ワークジャケットらしい配慮で、アウターにペンが刺せるのは作業で使うときに本当に便利です。
前面はポケット、背中もポケットがあるので必然的に生地が二重に使われています。肩は上記の通り2重になっているので、袖と胸ポケットより上の部分が一重の生地になります。真冬などはこの部分から冷えてくるので、下にベストやパーカーを着るなどしています。しかし例えばカーハートのV01などを下に着ると、真冬でも汗をかくことがあり、シャツなどで調整するくらいがいいかもしれません。
ダブルマッキーノクルーザーは、この一重部分を二重にして暖かさを補完したもので、とても理にかなっています。東京ではやや過剰な気がしますが、北国の方ならダブルマッキーノも検討に加えてはいかがでしょうか。また何度かオープンカーに乗っている人が、ダブルマッキーのを着ているのを見たことがあります。寒い日には良い選択だと思いました。
※ダブルマッキーノクルーザー |
まとめ
フィルソンがマッキーノクルーザーの特許を出願した際には「シャツ」と書かれていたそうです。アウターでありながらシャツのような着やすさを求めていたのかもしれません。現在も第二の皮膚と呼ばれるほど着続けていれば体になじむと言われていて、長く愛される理由の一つになっています。寒い冬にアクティブに動く方には、うってつけのアウターです。関連記事
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シャツとされたのは、型紙がシャツと同じだからかも。袖のつけ方がシャツスリーブなので。
返信削除セットインスリーブにカフまでついているので、シャツと似ていますよね。見頃をもう少し長くすると、そのままシャツの型紙に見えてしまいます。
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