犬用シャンプーでダッフルコートを洗ってみた

タイトルで頭おかしいと思った人もいるでしょうが、深い理由があるのです。そもそも私のダッフルコートは1950年代のイギリス海軍のもので、すでに60年以上経っている古いものなんです。それがここ最近になって、痛みが激しくなっていました。



私のダッフルコート

ダッフルコートの着方は、映画「第三の男」のトレヴァー・ハワードにならって、ちょい大きめのサイズで身ごろはたっぷりと余裕を持ち、袖は折って着ています。

※映画「第三の男」のトレヴァー・ハワード(右)

ところが袖の折ったところに、穴が空いてきました。生地がボソボソになっていて、乾燥しすぎているのがわかります。このままではあちこち破れていきそうで、そのために何か手を打つ必要がありました。

※両袖に空いた穴

ちなみに当時のダッフルコートは、衣料用の生地で作られていません。砲弾や銃を包んでいた布です。手っ取り早く安い生地で作られていたんですね。メルトンなんですが、ゴワゴワします。

生地の潤いを

メルトンはウールで、ウールはラノリンという油分が含まれています。このラノリンを加えたら、しっとり感が戻って雨を弾く本来のダッフルコートの機能も取り戻せると思いました。

※純粋なラノリンは油の塊です。

そこでオムツ用のラノリンスプレーを使ってみたのですが、極厚の乾ききったメルトンにかけても、砂漠に水を撒くようなレベルです。いろいろ考えた末、犬用のシャンプーにラノリンが含まれていることを思い出し、ついでに汚れも落としてしまおうと考えたわけです。

ラノリンシャンプーを購入

ペットショップで「ラノリン入りのシャンプーください」と言うと、キレイな店員さんが「ワンちゃん、痒みとかあります?」とか質問してくるのですが、「ダッフルコートを洗うから大丈夫です」とかは言えません。とりあえず何種類か出してきて、お勧めのものを買いました。約1000円です。

家に帰って洗う前に確認すると、犬に潤いを与える成分はいろいろ入っていますが、ラノリンが入っていないことに気がつきました。これではダメです。店員さんは、犬の痒みを抑えるならラノリンに拘らなくてもいいだろうと思ったのでしょうが、こちらはラノリンに拘ります。

しかし、成分を見ていくと悪くなさそうなので、これで洗うことにしました。オリーブオイルやら、なんだか生地によさそうな気がします。この時点で、既に目的からズレが生じてますが気にしてはダメです。

洗濯開始

このような巨大なコートを洗うには、風呂桶を使うしかありません。最初にたっぷり水を染みこませます。


そして、シャンプーを投入します。量は泡立つ程度にして起きました。

30分ほどつけ置きします。


押し洗いをやってみました。水を完全に吸ったメルトンは異常な重さになっています。これを着て海に落ちたら全く泳げないでしょう。汗だくになって押し洗いをしました。

かなり汚れが出てきました。


最後に、じゃんじゃんすすいで泡を落とします。これもコートをひっくり返したりするのに、一苦労でした。



乾燥

とりあえず、ハンガーに吊せる重さではないので寝かせてお風呂の乾燥機を動かしました。桃の香りがしてきましたが、とにかく乾燥させます。



置いた状態で一晩中乾燥機をかけ、さらにひっくり返して半日間のあいだ、乾燥機をかけました。

完成

全体的にしっとりして、カサカサの生地が潤ったかのようです。とりあえずは成功したと考えて良いでしょう。しかしこれは柔軟剤を使ったのと大差ないのではないか?という疑問も残り、やはりラノリンを染みこませたい欲求が残りました。

次回はラノリン入りのシャンプーを手に入れて、試したいと思います。

コメント

このブログの人気の投稿

アイルトン・セナはなぜ死んだのか

私が見た最悪のボクシング /ジェラルド・マクレランの悲劇

はじめの一歩のボクシング技は本当に存在するのか?

バンドの人間関係か戦略か /バンドメイドの不仲説

鴨川つばめという漫画界の闇 /マカロニほうれん荘の革命