投稿

12月, 2022の投稿を表示しています

ボクシングのタトゥーはなぜ禁止なのか /解禁を禁止に向かわせるボクサー達

イメージ
 近年、たびたび日本人ボクサーのタトゥー、刺青が問題になります。他の格闘技では刺青が許されるのに、なぜボクシングだけがダメなのかといった意見もありますし、海外のボクシング中継では刺青は普通なのに日本だけダメなのはおかしいという声もあります。そこで今回は、日本のボクシングの刺青事情を見ていきたいと思います。実は日本でも解禁の流れに向かっていたのですが、選手の行為によって解禁が遠のいているのです。 刺青への賛否 刺青賛成の意見の中には、海外では刺青は常識になっているのに日本だけが禁止なのはおかしいという意見や、刺青は文化であるという意見、刺青の禁止は時代錯誤だという意見が目立ちました。その一方で、外国人の刺青はお咎めなしで、日本人だけが禁止されている理由がわからないという意見も目立ちました。 ※京口紘人(左) 井上尚弥(右) また世界ライトフライ級王者の 京口紘人 は「ルールはあるものだから破ってはいけないものだと思う。ただ少数でタトゥー刺青は悪だ!入れる奴はそもそもマトモじゃない!」と、ルールの厳守と刺青を入れている選手への誹謗中傷への注意を促していました。またバンタム級世界王者の 井上尚弥 も「タトゥー 刺青が『良い悪い』ではなくJBCのルールに従って試合をするのが今の日本で試合をする上での決まり事。タトゥー、刺青を入れて試合がしたいのならルール改正に声をあげていくべき。まずはそこから」と、刺青の良し悪しではなくルールを守ることを主張しています。 最初はテレビの申し出だった ボクサーの刺青が禁止されたのは、テレビ局の意向が大きく影響したと言われています。1952年(昭和27年)に白井義男がボクシング世界王座を獲得して以来、ボクシングはテレビ局にとって高視聴率を生み出すドル箱で、ボクシング世界戦は国民の関心事でもありました。そういった国民的行事に、刺青を入れたボクサーが映ることをテレビ局は嫌ったのです。当時はタトゥーという言葉もなく、刺青とは暴力団組員であることと同義でした。暴力団が大手を振ってテレビに映ることは、昔からタブーだったのです。 ※白井義男 一方で、ボクシング興行から見るとテレビ中継は多くのスポンサーを獲得できる唯一の方法でした。テレビ局が中継するボクシングの試合には多くスポンサーが多額の資金を投じてCMを流し、その費用が選手のファイトマネーになっていきま