不動産業者の悩み
※こちらは以前の「はねもねの独り言」に書いていた記事です。 震災の影響は多岐に渡っていますが、私が働いている不動産業へもさまざまな影響を与えています。テレビや新聞では自動車やパソコンなどの話は出るものの、住宅の話題が少ないように思うので住宅産業への震災の影響を書いてみようと思います。現在、私もこれらの対応に職場では忙殺されている感じです。 まず直接的な被害は建設中の住宅が破壊されたことです。現在は人が住んでいた建物の復旧に注力しているので、ゼネコンもほとんどの人員をそちらに向かわせています。そのため工事中の新築住宅の多くは震災によって破壊されたまま放置されている状況です。しかしこれらの住宅は販売が始まっているので、契約も行なわれています。来年の4月に入居するつもりで購入したお客さまに、約束どおり引き渡すことが不可能になったなんて例が沢山あります。 震災の影響で多くの工場が稼動を停止しました。住宅建材の工場も出荷を停止し、中には復旧の目処がたっていないものも多くあります。そのため新築物件の工事が進められなくなったという例が多発しています。例えばあるユニットバスメーカーでは、被害が大きかったにも関わらずなんとか稼動させられるように工場を復旧しました。しかし部品が届かないため、工場にある材料を使ったら再び稼動を停止させるしかありません。 こういったことから、新築住宅の不動産販売が事実上難しくなっています。契約書には引き渡し日を書かなくてはならないのですが、今の状況ではいつ完成して引き渡せるかわからないのです。本来は来年の4月に完成だった物件の工期を2ヵ月ずらして契約したとしても、6月に引き渡せなければ債務不履行になってしまいます。それでは私たちは困りますし、そもそもお客さまにとって大迷惑です。 東京以北には多くの工場があったので、新築住宅が販売できない状況は全国に広がっています。私の会社では全国的に納入する優先順位を決めて引き渡しが迫っている物件を優先しているのですが、それでも日程が読めないという状況が続いています。そこで毎日のように業者やゼネコンと連絡をとりあい、状況を分析してどの物件がいつ頃完成するかという見通しを立てているわけです。しかしこれだけ多岐に渡る情報が混乱していると、なかなか難しいですね。 メーカーによっては社員寮などの施設が