ギャグ漫画の才能の開花 /監獄学園の平本アキラ
ギャグマンガの新たな才能が開花するとき、理解されないことがよくあります。それまでのギャグの文脈を破壊し、これが面白いという常識を超えていくため万人には理解されないのです。最近では平本アキラの「監獄学園(プリズンスクール)」で、それを感じました。
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特に監獄から脱獄する第一部はアニメ化やドラマ化もされており、ギャグ漫画として高いクオリティを誇っています。
かつて「マカロニほうれん荘」で「としちゃん、かんげきー!」でなぜ笑ったのか自分でも理解できない面白さ、「行け!稲中卓球部」でホクロに毛が生えているというだけで大笑いした理解しがたい面白さが「監獄学園」にもありました。おしっこをしたかしないかで揉めに揉め、漏らしたか漏らしてないかでこの世の終わりのような騒動を起こす物語は、何が面白いのか理解できない面があるのに表現しがたい面白さがありました。
キヨシ・・・主人公。どこまでも残念な男。
ガクト・・・練馬一の知将(自称)で、三国志の猛烈なファン。
シンゴ・・・ヤンキー風のルックスだが女性にはウブな男。
ジョー・・・常にフードを被り物静かな男。アリが友達。
アンドレ・・ドMの巨漢。
栗原万里・・・裏生徒会会長。男は全てクズだと見下している。
白木芽衣子・・裏生徒会副会長。万里への絶対的忠誠心とダイナマイトボディの持ち主。
緑川花・・・・裏生徒会書記。ほのぼのした雰囲気と凶暴性を備えた空手有段者。
栗原千代・・・万里の妹。相撲が大好きで、キヨシの心のよりどころ。
ごらんのように実写版では、高い再現率が話題になりました。
その画力を徹底したパロディに使っていて、例えばエロ漫画の構図で全く別のくだらないことをしている様子などを大迫力で描いていきました。芽衣子が性行為をしているような構図でありながら、実は三国志の関羽の馬のフィギュアにまたがってるみたいなことです。
平本アキラは細かな絵を描く漫画家でしたが、本作の連載を経て一気に画力が向上しています。
そして終盤は、主人公のキヨシが千代への想いを伝えるべく奮闘し、キヨシへの想いを自覚してしまった花との三角関係の物語になります。最終回は非難囂々で、アマゾンのレビューでは酷評されています。
しかしキヨシは嘘を重ねることでしか千代との関係を保つことができなかったわけで、千代はキヨシの誠実さを好きになったのです。もう嘘をつかないと誓いながらキヨシは嘘をついていたわけですから、ダークサイドに落ちるのは妥当な終わり方だったと思います。青春学園ものではなく、これは「監獄学園」なんですから。
願わくば多くのギャグ漫画家に起こったように、これで燃え尽きていなければと思います。次回作がどのようになるのか、ちょっと気になる漫画家です。
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実写版はU-NEXTでご覧になれます。
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監獄学園とは
共学に変わった女子校に、入学してきた5人の男子生徒の物語です。入学早々除きで裏生徒会に捕まった5人は、学内の監獄に収容されます。その監獄から脱獄する物語、裏生徒会が表生徒会によって追い出される物語、その後の主人公の三角関係を描いた物語の三部構成になっています。特に監獄から脱獄する第一部はアニメ化やドラマ化もされており、ギャグ漫画として高いクオリティを誇っています。
友人の熱いオススメ
この漫画は以前から知っていましたが、過度なエロ漫画だと思って読んでいませんでした。しかし友人が「絶対に読んで損はないギャグ漫画」と言い張り、第一部をまとめて持ってきたので一気に読んでハマりました。かつて「マカロニほうれん荘」で「としちゃん、かんげきー!」でなぜ笑ったのか自分でも理解できない面白さ、「行け!稲中卓球部」でホクロに毛が生えているというだけで大笑いした理解しがたい面白さが「監獄学園」にもありました。おしっこをしたかしないかで揉めに揉め、漏らしたか漏らしてないかでこの世の終わりのような騒動を起こす物語は、何が面白いのか理解できない面があるのに表現しがたい面白さがありました。
主な登場人物
実写化の時のキャストと並べて紹介します。キヨシ・・・主人公。どこまでも残念な男。
ガクト・・・練馬一の知将(自称)で、三国志の猛烈なファン。
シンゴ・・・ヤンキー風のルックスだが女性にはウブな男。
ジョー・・・常にフードを被り物静かな男。アリが友達。
アンドレ・・ドMの巨漢。
栗原万里・・・裏生徒会会長。男は全てクズだと見下している。
白木芽衣子・・裏生徒会副会長。万里への絶対的忠誠心とダイナマイトボディの持ち主。
緑川花・・・・裏生徒会書記。ほのぼのした雰囲気と凶暴性を備えた空手有段者。
栗原千代・・・万里の妹。相撲が大好きで、キヨシの心のよりどころ。
ごらんのように実写版では、高い再現率が話題になりました。
圧倒的な画力
どうしようもなく下らない話を、圧倒的な画力で描いているためシュールな雰囲気があります。超広角レンズで見たような画面や、下から切り取ったような構図など映画の影響が散見される画面に加えて、恐ろしく精密な描写がバカバカしさを増長します。※超広角レンズのひずみが一列目にしかない奇妙なアングル。 |
その画力を徹底したパロディに使っていて、例えばエロ漫画の構図で全く別のくだらないことをしている様子などを大迫力で描いていきました。芽衣子が性行為をしているような構図でありながら、実は三国志の関羽の馬のフィギュアにまたがってるみたいなことです。
平本アキラは細かな絵を描く漫画家でしたが、本作の連載を経て一気に画力が向上しています。
中だるみから怒濤の最終回へ
多くの人が指摘していますが、裏生徒会と表生徒会の存亡を賭けた体育祭の騎馬戦で、中だるみが始まりました。相変わらずのハラハラ感とギャグは面白いのですが、いつまでも続く騎馬戦はあまりに長期に渡ります。ネタが尽きたのか?とも思われましたが、間に挿入される理事長のエピソードが余計で、騎馬戦だけを読むと相変わらずの面白さになっています。もしかすると編集者による引き延ばしがあったのかもしれません。そして終盤は、主人公のキヨシが千代への想いを伝えるべく奮闘し、キヨシへの想いを自覚してしまった花との三角関係の物語になります。最終回は非難囂々で、アマゾンのレビューでは酷評されています。
しかしキヨシは嘘を重ねることでしか千代との関係を保つことができなかったわけで、千代はキヨシの誠実さを好きになったのです。もう嘘をつかないと誓いながらキヨシは嘘をついていたわけですから、ダークサイドに落ちるのは妥当な終わり方だったと思います。青春学園ものではなく、これは「監獄学園」なんですから。
※暗黒面に落ちた千代 |
まとめ
とにかくくだらないの一言に尽きる漫画で、近年これ以上のくだらなさは見当たらないと言ってよいレベルです。エロネタが満載ですので嫌いな人も多いと思いますが、エロは全て笑いのネタになっているので、ある種の清々しさすら感じます。これまで下品なネタを得意としていた平本アキラが、一気に画力を向上させてギャグの才能を開花させた作品で、多くの漫画家も絶賛しました。願わくば多くのギャグ漫画家に起こったように、これで燃え尽きていなければと思います。次回作がどのようになるのか、ちょっと気になる漫画家です。
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鴨川つばめという漫画界の闇 /マカロニほうれん荘の革命
江口寿史の変容 /「すすめ!!パイレーツ」「ストップ!!ひばりくん」
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日本の漫画の英語タイトルはどうなってる?
マンガの実写化映画という王道戦略が悲観に変わる
実写版はU-NEXTでご覧になれます。
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