なぜエレキギターのビンテージ品は高価なのか /高値の理由を考える
私が弾いたことのあるエレキギターで、もっとも高値だったのはギブソン社のレスポールというギターで、1959年に製造されたモデルでした。コンディションが良く、当時の売買価格は700万円台でしたが、現在は1000万円以上で取引されています。電気仕掛けの楽器が、これほど高価なのは変な気がしますよね。なぜこんなに高値で取引されるのでしょうか?
関連記事
なぜエレキギターのビンテージ品は高価なのか /高値の理由を考える
もっとも男臭いギター /フェンダー テレキャスター
倒産寸前のギブソン社 /ロックを彩ったギブソン社の歴史
なぜこんなに生産本数が少ないかというと、1950年代にギターを買う人はプロのミュージシャンしかいなかったからです。趣味でギターを弾く人が急速に増えるのは、ビートルズが世界的にブレイクした60年代半ば以降のことで、50年代はプロのためのレアなツールに過ぎなかったのです。
しかしビートルズのブレイクによって全米どころか世界各地でバンドブームが起きると、有名ミュージシャンが使っているギブソン社やフェンダー社のギターを求める人が急速に増えました。
70年代には大規模工場で作られるようになり、職人の手作業からパートタイマーの流れ作業で作られるようになります。50年代のように木材を厳選することもなく、大量の木材が仕入れられ、大量にカットされてギターに加工されました。
厳選された材料を職人が手間暇かけて作ったギターと、工場で大量生産されたギターでは、製品としての良さが違うのは当然と言えるでしょう。
そもそも最初に加工する時点で、木の乾燥度合いが違うという声もあります。現在の木材の多くは、乾燥機を使って短期間で乾燥されますが、50年代は加工してからも長い期間をかけて自然乾燥させていたので、乾き方が違うと言われます。含水率が同じなので変わらないという意見もあり、真相はよくわかりません。
今でも60年代の音の再現を追求する人は多く、原点への憧れがビンテージギターの音を良いものだと認識させている面があります。
今やビンテージギターは、弾くためのものではなく株や絵画などと同様に、金儲けのために売買されるようになりました。
このようなギターは、展示室に眠るのではなく優れたミュージシャンの手で演奏されて欲しいと思います。投資家の倉庫で眠るのではなく、レコーディングやステージでバンバン使われてこその楽器なのですから。
関連記事
なぜエレキギターのビンテージ品は高価なのか /高値の理由を考える
もっとも男臭いギター /フェンダー テレキャスター
倒産寸前のギブソン社 /ロックを彩ったギブソン社の歴史
最大90%OFF
にほんブログ村
関連記事
なぜエレキギターのビンテージ品は高価なのか /高値の理由を考える
もっとも男臭いギター /フェンダー テレキャスター
倒産寸前のギブソン社 /ロックを彩ったギブソン社の歴史
本数が少ない
最も高値で取引されるギブソン社の58年から60年製のレスポールは、約1500本しか製造されていません。これまでの間に破損したり紛失したり廃棄されたりしているので、現在は数百本しか残っていないと言われています。※59年製?のレスポールを弾くエリック・クラプトン |
なぜこんなに生産本数が少ないかというと、1950年代にギターを買う人はプロのミュージシャンしかいなかったからです。趣味でギターを弾く人が急速に増えるのは、ビートルズが世界的にブレイクした60年代半ば以降のことで、50年代はプロのためのレアなツールに過ぎなかったのです。
つくりが良い
生産本数が少なく、プロのためのツールだったギターは、当然ながら手間をかけて作られていました。今では大企業のイメージがあるギブソン社(倒産しましたね)やフェンダー社は、小さな工房に過ぎませんでした。職人が手工業で一本一本を作り、調整してから出荷していたのです。※ビートルズ |
しかしビートルズのブレイクによって全米どころか世界各地でバンドブームが起きると、有名ミュージシャンが使っているギブソン社やフェンダー社のギターを求める人が急速に増えました。
70年代には大規模工場で作られるようになり、職人の手作業からパートタイマーの流れ作業で作られるようになります。50年代のように木材を厳選することもなく、大量の木材が仕入れられ、大量にカットされてギターに加工されました。
※53年製のテレキャスターを弾くキース・リチャーズ |
厳選された材料を職人が手間暇かけて作ったギターと、工場で大量生産されたギターでは、製品としての良さが違うのは当然と言えるでしょう。
音が良い
一般的にビンテージギターは、良い音がすると言われています。古くなると、木材の乾燥が進んで音がよく鳴るようになると言われます。木の細胞間の水分は早めに飛びますが、細胞内の水分が飛ぶには時間がかかり、数十年経ったギターにしか出せない音があるというのです。この説には懐疑的な声もあるのですが、鳴りが良いビンテージギターが多いのも事実です。※54年製ストラトキャスターを弾くデヴィッド・ギルモア |
そもそも最初に加工する時点で、木の乾燥度合いが違うという声もあります。現在の木材の多くは、乾燥機を使って短期間で乾燥されますが、50年代は加工してからも長い期間をかけて自然乾燥させていたので、乾き方が違うと言われます。含水率が同じなので変わらないという意見もあり、真相はよくわかりません。
ビンテージの音が良い音とされている
先ほどとは逆で、ビンテージが良い音を出すのではなくビンテージの音が良い音とされているという理屈です。50年代、60年代にロックスターが生まれ、当時のサウンドを追い求めた人たちが70年代に音楽を巨大ビジネスにしました。今でも60年代の音の再現を追求する人は多く、原点への憧れがビンテージギターの音を良いものだと認識させている面があります。
投機の対象になっている
ビンテージギターを求める人が増えたため、投機の対象になっています。価格が上がることを見越して購入し、オークションで転売を繰り返すことでどんどん価格が上がりました。※59年製のレスポール |
今やビンテージギターは、弾くためのものではなく株や絵画などと同様に、金儲けのために売買されるようになりました。
まとめ
つくりが良くて音が良く、現存数も少ないので高値になるのは当然だと言えるでしょう。さらに投機の対象になり、どんどん価格が上がっています。私が触ったビンテージギターは数十本ありますが、本当に素晴らしい音を奏でるものが何本もありました。このようなギターは、展示室に眠るのではなく優れたミュージシャンの手で演奏されて欲しいと思います。投資家の倉庫で眠るのではなく、レコーディングやステージでバンバン使われてこその楽器なのですから。
関連記事
なぜエレキギターのビンテージ品は高価なのか /高値の理由を考える
もっとも男臭いギター /フェンダー テレキャスター
倒産寸前のギブソン社 /ロックを彩ったギブソン社の歴史
最大90%OFF
にほんブログ村
コメント
コメントを投稿