もっとも男臭いギター /フェンダー テレキャスター
少し前にギブソンの話を書いたら、無性にギターの話を書きたくなったのでもう一つ書きます。フェンダー社のロングセラー、テレキャスターです。個人的には男臭く、下手な人を寄せ付けないギターだと思っています。テレのリアピックアップでバリバリ弾く人なんか、それだけでうっとりしてしまうんです。
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1980年にはピックアップを2つにしたブロードキャスターを販売しますが、この名称はグレッチ社が商標登録していたためクレームがつき、名無しの状態で売られることになります。便宜的にこの時期のものをノーキャスターと呼んでいます。そして1951年にテレキャスターと名付けられ、販売されるようになります。
一枚板のボディをえぐって配線を内部に埋め込み、ネックは別に作ってボルトで止めるという、工場生産を見越したつくりになっています。ギターなんてミュージシャンしか買わなかった時代に、すでに大生産を見越していたレオ・フェンダーの驚くべき先見性です。
大音量で演奏するロックが主流になると、フロントピックアップはパワー不足が感じられるようになり、多くのミュージシャンがカスタムするようになりました。またシングルコイルの特性上、ノイズを拾いやすく、特にビンテージモデルでは難儀することでも知られています(私の66年製は、当初はアンプに繋ぐだけで耳障りな爆音がしていました・・・)
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レスポールは目一杯歪ませると、些細な弦へのタッチの差は分からなくなり、爆音系ギターリストとして格好をつけやすくなります。しかしテレキャスターは、車でいうならピーキーな設定になっていて、わずかなタッチの差が増幅されて聴こえてきます。どんなに歪ませても、タッチの差がはっきり聴こえてしまうのです。
わずかなタッチでニュアンスを変えられるギターリストにとって、これは素晴らしいセッティングですが、下手な人にとっては辛いものがあり、ギターを弾くたびにアンプから「下手くそー!」と言われているような気分になるのです。つまりテレキャスターは「俺を弾きこなせるか?」と迫ってくるギターであり、上手な人には極上で下手な人には下手さを際立たせることになります。
もっともピーキーさは年月と共にどんどん削られていき、現代のモデルはストラトキャスターに比べてエッジが立った音といったぐらいに収められています。
誰がなんと言おうと、テレキャスター名手の最高峰にして、あらゆるギターリストの中でもトップクラスの表現力を持った人です。ブルース、カントリー、ジャズ、ロックとなんでも自由自在に弾きこなし、そのプレイにクラプトンやジェフ・ベックが惚れ込みました。
商業的には全く恵まれず、孤独な死を遂げています。首吊り自殺でした。
ダニー・ガットン
ロイの直系で、究極までテレキャスターのサウンドを高めた名手です。ロイと同じくノンジャンルで、あらゆる音楽を弾きこなし、テレキャスターだけで多彩な音を作りだしました。ロイと同様に「最も無名な世界最高のギターリスト」と呼ばれていました。
ミュージシャンにその腕を絶賛されながら商業的には全く成功せず、拳銃自殺を遂げています。
スティーブ・クロッパー
ブッカーT・アンド・ザ・MG’sの名ギターリストで、リズムギターのお手本のような人です。小気味良くメリハリの効いたリズムを奏で、ヴォーカリストを引き立てます。テレキャスターならではのエッジの効いた音を効果的に使い、多くのギターリストに影響を与えました。
映画『ブルースブラザーズ」にはひげ面で登場していたので、覚えている方も多いと思います。
キース・リチャーズ
変態系ヘタうまギターリストなので、はっきり言って下手だと思うことも多々あります。しかし唯一無二のリズムを奏で、ローリング・ストーンズのサウンドはキースの不整脈のようなリズムギター抜きには語れません。
かなり音を歪ませながらもメリハリのついた鋭いコードがカットが特色で、多くの場合は不規則にコードを鳴らし続けます。
最近の若い人の中では、テレキャスターはバッキング用のギターという認識の人もいますが、そんなことはありません。上記に挙げた名手たちの音を聞けば、その認識は一変すると思いますよ。
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フェンダー テレキャスターとは?
レオ・フェンダーが1949年に発売した、エスクワイアというギターから歴史が始まります。エスクワイヤーは、業界初のソリッドボディ(ボディに空洞を持たない一枚板)のエレキギターで、ピックアップ(音を拾うマイク)がリアに一個のみのシンプルな構造でした。※フェンダー・エスクワイア |
1980年にはピックアップを2つにしたブロードキャスターを販売しますが、この名称はグレッチ社が商標登録していたためクレームがつき、名無しの状態で売られることになります。便宜的にこの時期のものをノーキャスターと呼んでいます。そして1951年にテレキャスターと名付けられ、販売されるようになります。
一枚板のボディをえぐって配線を内部に埋め込み、ネックは別に作ってボルトで止めるという、工場生産を見越したつくりになっています。ギターなんてミュージシャンしか買わなかった時代に、すでに大生産を見越していたレオ・フェンダーの驚くべき先見性です。
※ネックはボルトで固定されています。 |
サウンド
年代やモデルによって違いますが、硬質でメリハリのついた音が特徴です。特にリアピックアップの音は顕著で、パキパキした鋭い音が出ます。フロントピックアップのトーンを絞っても硬質な感じが強く出るため、小気味良いリズムギターにはよく合います。※フロントは小ぶりなピックアップなのが特徴です。 |
大音量で演奏するロックが主流になると、フロントピックアップはパワー不足が感じられるようになり、多くのミュージシャンがカスタムするようになりました。またシングルコイルの特性上、ノイズを拾いやすく、特にビンテージモデルでは難儀することでも知られています(私の66年製は、当初はアンプに繋ぐだけで耳障りな爆音がしていました・・・)
どこが男臭いのか?
後発のストラトキャスターは、体に合わせてボディが削られているので触りやすく、さらにサウンドも丸みを持たせてあります。3つのピックアップを使って音作りも豊富にでき、弾く人に優しい設計になっています。※フェンダー社のストラトキャスター |
関連記事:女性のようなギター /フェンダー ストラトキャスター
レスポールは目一杯歪ませると、些細な弦へのタッチの差は分からなくなり、爆音系ギターリストとして格好をつけやすくなります。しかしテレキャスターは、車でいうならピーキーな設定になっていて、わずかなタッチの差が増幅されて聴こえてきます。どんなに歪ませても、タッチの差がはっきり聴こえてしまうのです。
※レスポール |
わずかなタッチでニュアンスを変えられるギターリストにとって、これは素晴らしいセッティングですが、下手な人にとっては辛いものがあり、ギターを弾くたびにアンプから「下手くそー!」と言われているような気分になるのです。つまりテレキャスターは「俺を弾きこなせるか?」と迫ってくるギターであり、上手な人には極上で下手な人には下手さを際立たせることになります。
※配線を通すためにボディがくり抜かれています |
もっともピーキーさは年月と共にどんどん削られていき、現代のモデルはストラトキャスターに比べてエッジが立った音といったぐらいに収められています。
テレキャスターの名手たち
ロイ・ブキャナン誰がなんと言おうと、テレキャスター名手の最高峰にして、あらゆるギターリストの中でもトップクラスの表現力を持った人です。ブルース、カントリー、ジャズ、ロックとなんでも自由自在に弾きこなし、そのプレイにクラプトンやジェフ・ベックが惚れ込みました。
商業的には全く恵まれず、孤独な死を遂げています。首吊り自殺でした。
ダニー・ガットン
ロイの直系で、究極までテレキャスターのサウンドを高めた名手です。ロイと同じくノンジャンルで、あらゆる音楽を弾きこなし、テレキャスターだけで多彩な音を作りだしました。ロイと同様に「最も無名な世界最高のギターリスト」と呼ばれていました。
ミュージシャンにその腕を絶賛されながら商業的には全く成功せず、拳銃自殺を遂げています。
スティーブ・クロッパー
ブッカーT・アンド・ザ・MG’sの名ギターリストで、リズムギターのお手本のような人です。小気味良くメリハリの効いたリズムを奏で、ヴォーカリストを引き立てます。テレキャスターならではのエッジの効いた音を効果的に使い、多くのギターリストに影響を与えました。
映画『ブルースブラザーズ」にはひげ面で登場していたので、覚えている方も多いと思います。
キース・リチャーズ
変態系ヘタうまギターリストなので、はっきり言って下手だと思うことも多々あります。しかし唯一無二のリズムを奏で、ローリング・ストーンズのサウンドはキースの不整脈のようなリズムギター抜きには語れません。
かなり音を歪ませながらもメリハリのついた鋭いコードがカットが特色で、多くの場合は不規則にコードを鳴らし続けます。
まとめ
エレキギターとしては古典であり、現在も売れ続けているロングセラー商品です。腕の良い人にとっては、これ一本であらゆる音色を奏でることができる万能ギターです。しかし、それなりの腕を要求するギターでもあり、初心者には厳しい一面もあります。最近の若い人の中では、テレキャスターはバッキング用のギターという認識の人もいますが、そんなことはありません。上記に挙げた名手たちの音を聞けば、その認識は一変すると思いますよ。
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