映画の中のダッフルコート

私が大好きなダッフルコートですが、トレンチコートやピーコートに比べて映画で見かけることが少ないように思います。それでもいくつか集めてみましたので、着こなしの参考になればと思います。今回は映画の中で見られるダッフルコートの種類です。

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第三の男(49年 イギリス)

ミリタリー スタイルのダッフルコートの着方の基本中の基本は、第三の男でキャロウェイ少佐を演じるトレバー・ハワードです。アメリカの劇作家ホリー・マーチンスが親友のハリー・ライムから仕事を依頼されてウィーンに着きますが、親友は前日の交通事故で死んだと告げられます。そこに現れた英国軍のキャロウェイ少佐は、ハリーは密売人だったと告げます。信じられないホリーは、親友のために真相を探ることにします。ホリーはハリーの恋人だったアンナ・シュミットと会い、交通事故の真相を探ります。そして事故現場にハリーと加害者だけでなく、もう1人の第三の男がいたことを知ります。



英国軍少佐を演じるトレバー・ハワードは、スーツの上に大きめのダッフルコートを羽織り、袖を折り返しています。ベレー帽をかぶって軍人然とした佇まいは、ダッフルコートの着方のお手本です。脇役ながら存在感が強く、物語のアクセントになっています。私はとにかくこのトレバー・ハワードの着方が好きで、この映画に影響されて1950年代のダッフルコートを買いました。

新品で似たダッフルコートを探すなら、バズリクソンズのこちらのモデルが近いと思います。トグルが3つで、第二次大戦初期のダッフルコートを忠実に再現しています。


サブマリン (10年 イギリス)

自分が死んだ世界を妄想する変わり者の15歳のオリバーが、風変わりな女の子ジョーダナに恋をし、家庭ではママの元カレが登場してパパとママは離婚を決意します。思春期のさまざまな悩みや経験を描いたラブコメディです。



主人公のオリヴァーは終始ダッフルコートを着ていて、ティーンの着方の見本のようです。ジョーダナの赤いコートも印象的ですが、こちらはボタン留めのコートでダッフルではありませんでした。


地球に落ちてきた男 (76年 イギリス)

ニューメキシコに宇宙船が墜落し、トーマス・ジェローム・ニュートンと名乗る美しい男が現れます。彼は人知を超えたアイデアで特許を取ると、巨大企業を経営し始めました。一躍億万長者となったトーマスの正体と真の目的を、誰も知りませんでした。



デビッド・ボウイを見るための映画ですが、人間離れしたボウイの容姿が宇宙人という設定に説得力を与えました。モードなダッフルコートというスタイルを広めた映画だと思います。

ロシアハウス (90年 アメリカ)

モスクワで開催されたオーディオフェアの会場で、セールスマンのバーリー・ブレアはロシア人女性からノートを受け取ります。ノートにはソ連の核兵器の欠陥が記されており、バーリーはスパイ嫌疑がかけられます。



ショーン・コネリーのダッフルコート姿は正統派のど真ん中で、あまりの格好よさに痺れます。3つトグルに膝丈の長さで、第二次大戦から着続けているような錯覚すら覚えます。


ダークウォーター (05年 アメリカ)

日本映画の「仄暗い水の底から」のリメイクしたホラー映画で、ジェニファー・コネリーが主演しています。離婚訴訟中の妻が親権を得るために焦って古いアパートの賃貸契約を結びますが、天井にシミが広がり水道の水は濁り、娘は架空の友達と遊ぶようになります。



ジェニファーが着ているのは茶色のコーデュロイのダッフルコートで、これが格好良くありません。幸せから縁遠い女性のダサい格好で、さらに幸の薄さを際立たせていました。ダッフルコートの着方の参考にはなりませんが、小道具として上手い使い方だったと思います。

愛の狩人 (71年 アメリカ)

不良と優等生の大学生2人の親友同士が、それぞれ出会う女性を通じて描く人間模様です。サイテー野郎を演じたジャック・ニコルソンと、純朴なアート・ガーファンクルが着ているダッフルコートが印象的です。



アイビースタイルのお手本のような、ダッフルコートの着方です。ガーファンクルが柄のマフラーを合わせていますが、当時はこれをお手本に真似した人が多かったそうです。似たような雰囲気としてはグレンフェルでしょうか。正統派のダッフルコートでありながら、街着としてもスタイリッシュになっています。


ナバロンの要塞 (61年 アメリカ)

第二次大戦下のエーゲ海で、ケロス島に取り残された2000名のイギリス軍の救出作戦の物語です。ケロス島の南に位置するナバロン島に設置された要塞の2門の大砲により、艦船はケロス島に近づけません。そこで特殊部隊が編成され、ナバロンの要塞の爆破作戦が始まります。



グレゴリー・ペックとデビッド・ニーブンがラストシークエンスでダッフルコートを着用しています。大きめのダッフルコートをザクッと着ていて、3つトグルではなく4つトグルになっています。任務が完了した開放感と、生き延びた安堵感の中でダッフルコートを着た姿が印象的でした。

こちらに近いモデルとしては、グローバーオールのモンティでしょうか。モンティは3つトグルですが、ダボっとたシルエットは似ていると思います。




まとめ

ピーコートほど多くの映画で見かけませんが、ダッフルコートもチョコチョコと見つけることができます。基本的にアイビースタイルかミリタリースタイルの着方になるのですが、映画の中にはさまざまな個性が出ていると思います。着こなしの参考にしてください。




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