話題のアメフトのルールを知る /基本の基本のルール解説
日大アメフト部の事件で、アメリカンフットボールが注目されています。しかしルールを知らない人がほとんどだと思いますので、基本的なルールを解説したいと思います。アメフトは、運不運を排除した知的な戦略ゲームなんです。
フィールド内でプレイする選手は11人と決められていますが、何度でも選手交代できるので、作戦ごとにメンバーが変わります。そのためベンチには大人数の選手が控えています。学生アメフトなら、ベンチに100人の選手がいることも珍しくありません。
タッチダウンすると、エキストラでもう一回攻撃ができます。ポイント・アフター・タッチダウン(PAT)と呼ばれ、ゴールポストにボールを蹴って入れると1点、パスかランでボールをエンドゾーンに入れると2点が追加されます。
もう一つ、フィールドゴール(FG)という得点方法もあります。攻撃中にボールを蹴ってゴールポストに入れると3点が追加されます。
攻撃はランプレイとパスプレイの2種類があり、ランプレイはランニングバック(RB)と呼ばれる選手にボールを渡し、走って敵陣に進む攻撃です。パスプレイはワイドレシーバー(WR)にQBがパスを出して敵陣に進む攻撃です。例外的にWRがマークされてパスの出しどころがなくなった場合、QBが自分でボールを持ったまま走って敵陣に向かいます。これをスクランブルと呼んでいます。
オフェンスは4回続けて攻撃が可能で、その間にボールを10ヤード進めなくてはなりせん。10ヤード(約9.1メートル)進めればさらに4回の攻撃権がもらえ、進めないと相手側に攻撃権が移ります。オフェンスの1回目の攻撃の時には「1stダウン&10」と表示されます。1回目の攻撃で、残り10ヤードという意味になります。10ヤード進んで新たに4回の攻撃権を得ることを「ファーストダウン獲得」といいます。
メンバー交代は自由なので、作戦会議によってメンバーが次々に入れ替わります。アメフトの選手は役割が細分化されたスペシャリスト揃いなので、FGを狙う時はキックが上手い選手が入ります。もちろんそれがフェイクで、FGと見せかけてランプレイを狙うということもよく起こります。
(1)FGを狙う
距離的に狙えるなら、確実に3点をとっておきたいと考えるものです。
(2)パントを蹴る
攻撃を放棄して、敵陣深くボールを蹴って攻守交替します。相手は自陣の深いところから攻撃を始めることになるので、失点のリスクが減ります。
(3)ギャンブルを行う
これまで3回の攻撃で前に進めなかったのに、4回目も攻撃を選択するパターンです。一気に10ヤードを獲得することに賭けるのですが、失敗すれば攻守交替して自陣に近いところから相手の攻撃が始まってしまいます。
試合終了が近くなり、勝敗を左右するような場面でギャンブルが行われると観客は大いに盛り上がります。1回のギャンブルの成功が、試合の流れを大きく変えることもあります。
このように相手を読むことが1プレイごとに行われ、これがアメフトの面白さにもなっています。
面白いスポーツなので、スキャンダルのネタというだけでなく多くの人に楽しんでもらいたいと思います。
関連記事:ボヤを大火事にする人達 /日大アメフト部問題に見る危機管理
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攻撃と守備の選手が違う
アメフトの最大の特徴がこれです。攻撃と守備が明確に分けられていて、攻撃の選手は守備をしませんし守備の選手は攻撃をしません。野球で言うならバッター専門の選手、野手専門の選手がいて、野手がバッターボックスに立つことは無いのです。※赤白側が守備側、黄色黒側が攻撃側です。 |
フィールド内でプレイする選手は11人と決められていますが、何度でも選手交代できるので、作戦ごとにメンバーが変わります。そのためベンチには大人数の選手が控えています。学生アメフトなら、ベンチに100人の選手がいることも珍しくありません。
キックオフ
キックオフで試合開始です。攻撃側のチームが自陣30ヤード(約27メートル)地点から相手側に向かって、大きくボールをキックします。守備側のチームはボールをキャッチすると、攻撃側のチーム目掛けて走ります。タックルで止められると、その地点から攻撃側のチームが攻撃を開始します。※キックオフ |
得点の仕方
相手陣地のエンドゾーンにボールを持ち込むと、6点が加算されます。これをタッチダウンといいます。ボールを持ってエンドゾーンに走り込むか、エンドゾーンでパスをキャッチするとタッチダウンになります。ラグビーのようにボールを地面に着ける必要はありません。※ボールがエンドゾーンに入っているのでタッチダウンです。 |
タッチダウンすると、エキストラでもう一回攻撃ができます。ポイント・アフター・タッチダウン(PAT)と呼ばれ、ゴールポストにボールを蹴って入れると1点、パスかランでボールをエンドゾーンに入れると2点が追加されます。
もう一つ、フィールドゴール(FG)という得点方法もあります。攻撃中にボールを蹴ってゴールポストに入れると3点が追加されます。
※3番の選手がゴールポスト(黄色)にFGを蹴っています。 |
攻撃の仕方
攻撃側(以後オフェンスと書きます)は、センター(C)を中心に、5人でラインを形成します。Cが股の下からクォーターバック(QB)にボールを渡した瞬間から、ゲームが始まります。※55番のCが8番のQBにスナップする直前 |
攻撃はランプレイとパスプレイの2種類があり、ランプレイはランニングバック(RB)と呼ばれる選手にボールを渡し、走って敵陣に進む攻撃です。パスプレイはワイドレシーバー(WR)にQBがパスを出して敵陣に進む攻撃です。例外的にWRがマークされてパスの出しどころがなくなった場合、QBが自分でボールを持ったまま走って敵陣に向かいます。これをスクランブルと呼んでいます。
※ボールを持って走るランニングバック |
オフェンスは4回続けて攻撃が可能で、その間にボールを10ヤード進めなくてはなりせん。10ヤード(約9.1メートル)進めればさらに4回の攻撃権がもらえ、進めないと相手側に攻撃権が移ります。オフェンスの1回目の攻撃の時には「1stダウン&10」と表示されます。1回目の攻撃で、残り10ヤードという意味になります。10ヤード進んで新たに4回の攻撃権を得ることを「ファーストダウン獲得」といいます。
作戦会議
1プレイが終わるごとにハドルと呼ばれる作戦会議が行われます。オフェンスはどのように攻撃するかを検討し、ディフェンスはオフェンスの攻撃を読んで防御の体制を整えます。1プレイごとに綿密な作戦が立てられるので、さながらチェスや将棋のような頭脳戦を見る側も堪能できるのです。サッカーやラグビーのように、試合が流動的に動くことはありません。そのため運の要素も限りなく小さくなっています。※ハドル。1プレイごとにこういう光景があります。 |
メンバー交代は自由なので、作戦会議によってメンバーが次々に入れ替わります。アメフトの選手は役割が細分化されたスペシャリスト揃いなので、FGを狙う時はキックが上手い選手が入ります。もちろんそれがフェイクで、FGと見せかけてランプレイを狙うということもよく起こります。
ギャンブルの興奮
攻撃は4回しかできませんが、ほとんど前に進めずに3回の攻撃を終わることがあります。すると4回目の攻撃はおおむね3つのパターンがあります。(1)FGを狙う
距離的に狙えるなら、確実に3点をとっておきたいと考えるものです。
(2)パントを蹴る
攻撃を放棄して、敵陣深くボールを蹴って攻守交替します。相手は自陣の深いところから攻撃を始めることになるので、失点のリスクが減ります。
(3)ギャンブルを行う
これまで3回の攻撃で前に進めなかったのに、4回目も攻撃を選択するパターンです。一気に10ヤードを獲得することに賭けるのですが、失敗すれば攻守交替して自陣に近いところから相手の攻撃が始まってしまいます。
※ショットガンフォーメーションはギャンブルの時によく見られます。 |
試合終了が近くなり、勝敗を左右するような場面でギャンブルが行われると観客は大いに盛り上がります。1回のギャンブルの成功が、試合の流れを大きく変えることもあります。
騙しあいと読みあい
CがスナップしてQBにボールが渡ると、QBは後ろに交代しながらパスコースを探します。そこにRBがすれ違い、一瞬で誰がボールを持っているかわからなくなります。QBがパスを投げるふりをしながらディフェンスを引き付けてRBが一気に走り抜けていったり、RBがボールをもらったふりをしてディフェンスを引き付けてパスを成功させたりと、さまざまなフェイクを仕掛けていきます。ディフェンスは相手がどのような選手を配置したのか、QBの性格、ゲームの流れ、RBやWRの表情からオフェンスの攻撃の仕方を読み、攻撃を食い止めるのです。このように相手を読むことが1プレイごとに行われ、これがアメフトの面白さにもなっています。
とりあえず試合を見てください
なんだか小難しい話になってしまいましたが、とりあえず試合を見てください。ダイナミックで緻密なプレイが連続し、細かなルールはわからなくても大体の流れがわかれば楽しめるはずです。アメリカのプロリーグNFLの試合も日本のテレビで見られる機会が増えましたし、学生の試合なら気軽に見に行くことができます。面白いスポーツなので、スキャンダルのネタというだけでなく多くの人に楽しんでもらいたいと思います。
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