再び電波障害問題
※こちらは以前の「はねもねの独り言」に書いていた記事です。
Aさんは、自分が住んでいるマンションの管理組合の理事長をしています。Aさんのマンションが建設されるときに、テレビの電波障害を起こっていました。マンションが建ったために、テレビが映らない家が出てきたんですね。そこでAさんのマンションの屋上にはアンテナが取り付けられ、近隣の住宅までケーブルが敷かれてテレビ放送を供給しています。これを共聴アンテナ方式と呼んでいます。
Bさんが理事長を務めるマンションにも、同じく電波障害の問題がありました。しかしAさんのマンションと違うのは、ケーブルテレビを使って近隣の住宅にテレビを流していることです。これをケーブルテレビ方式呼んでいます。
どちらもマンションが建ったためにテレビが映らない家が出てきたので、方式は違えどもテレビが映るようにしていたわけです。こうやって何年も何十年も問題なく過ごしてきました。そこに地デジという問題がやってきます。
地デジになれば電波障害がなくなると郵政省(現在の総務省)は言っていましたが、実際にはビル陰は残ります。Aさんのマンションでは理事会を開いて、地デジが映らない家があるか調査をしました。するとマンションに近接する5軒が映らないことがわかりました。総務省は、地デジが映らない場合は引続きテレビを施設から流すように求めています。そのため、地デジ用に施設を改修すると費用の半分を国が出してくれるとわかりました。そこでAさんは管理総会を開いて、施設の改修工事とその費用の半分を国から出してもらう手続きに入りました。
Bさんも同じく、地デジが映らない家があるか調査をしました。するとマンションに近接する5軒が映らないことがわかりました。しかしケーブルテレビ会社に問い合わせると、ケーブルテレビの放送はアナログ放送の代用なので、アナログ放送終了と同時にケーブルテレビの放送も打ち切ると言ってきました。ケーブルが打ち切られると、5軒の家ではアンテナを設置しても地デジが見られません。これには困りました。
Bさんは5軒の家をまわって、事情を説明しました。今後もテレビを見るためには、有料でケーブルテレビを受信するしかありません。すると5軒の家主たちは、マンション側で月々のテレビ代を負担してくれと言います。自分達はここに住んでいただけで、あなた方のマンションが建ってからテレビが見られなくなったのだから、今後も負担してもらって当然だと言います。Bさんはその言い分には納得しましたが、毎月のテレビ代を管理費で払い続けるほど余裕がありません。管理費を値上げしなくては、とても払えないのです。
そこでAさんのマンションが使ったという、国の助成金を申請することにしました。同じように地デジ対策のためだから、助成金がもらえるだろうと考えたのです。しかし総務省は、「現在は地デジが見られるわけですから、助成金の対象にはなりません」とにべもない返事を返してきました。管理組合内では、よその家のテレビを受信するために管理費を値上げするのは納得できないという声が出ていて、管理費の値上げも難しい状況です。Bさんは、すっかり困ってしまいました。
これっておかしいと思いませんか?最初にやった対策方法で、国の助成金が出たり出なかったりするんですよ。ケーブルテレビで対策をやったところは、損をしてしまいます。Bさんはマンションを販売した会社に、「ケーブルテレビで対策を行なったから問題になった。売主の責任でテレビ代を負担して欲しい」とお願いしますが、売主からは「当時としては必要な対策を施しており、弊社に負担の義務はないと考えます」という回答が来ました。これも当然といえば当然です。
地デジを進めようと言いながら、こういう矛盾が生じています。総務省は地デジへの移行に必死になっていますが、現場で起こっている問題を把握できていないようです。
にほんブログ村
----- COMMENT:
AUTHOR: maple
EMAIL: IP: 122.219.211.187 URL:
DATE: 08/07/2010 00:09:14
お誕生日おめでとうございます☆
電波も黒い雨も、想像力も現実を知る努力も 足りない人が対策を立ててるんですね、進歩がないなぁ。
----- COMMENT:
AUTHOR: はねもね
EMAIL: IP: 210.234.61.174 URL:
DATE: 08/07/2010 12:41:31
★mapleさん
覚えていてくれたんですか!ありがとうございます。
この地デジ問題は、細かいところでいろいろな問題を抱えたままなんですよね。現場の声が届いていないという現状があり、総務省の担当者もかなり苦労しています。本当にあと1年で停波できるのか不安です。。。
Aさんは、自分が住んでいるマンションの管理組合の理事長をしています。Aさんのマンションが建設されるときに、テレビの電波障害を起こっていました。マンションが建ったために、テレビが映らない家が出てきたんですね。そこでAさんのマンションの屋上にはアンテナが取り付けられ、近隣の住宅までケーブルが敷かれてテレビ放送を供給しています。これを共聴アンテナ方式と呼んでいます。
Bさんが理事長を務めるマンションにも、同じく電波障害の問題がありました。しかしAさんのマンションと違うのは、ケーブルテレビを使って近隣の住宅にテレビを流していることです。これをケーブルテレビ方式呼んでいます。
どちらもマンションが建ったためにテレビが映らない家が出てきたので、方式は違えどもテレビが映るようにしていたわけです。こうやって何年も何十年も問題なく過ごしてきました。そこに地デジという問題がやってきます。
地デジになれば電波障害がなくなると郵政省(現在の総務省)は言っていましたが、実際にはビル陰は残ります。Aさんのマンションでは理事会を開いて、地デジが映らない家があるか調査をしました。するとマンションに近接する5軒が映らないことがわかりました。総務省は、地デジが映らない場合は引続きテレビを施設から流すように求めています。そのため、地デジ用に施設を改修すると費用の半分を国が出してくれるとわかりました。そこでAさんは管理総会を開いて、施設の改修工事とその費用の半分を国から出してもらう手続きに入りました。
Bさんも同じく、地デジが映らない家があるか調査をしました。するとマンションに近接する5軒が映らないことがわかりました。しかしケーブルテレビ会社に問い合わせると、ケーブルテレビの放送はアナログ放送の代用なので、アナログ放送終了と同時にケーブルテレビの放送も打ち切ると言ってきました。ケーブルが打ち切られると、5軒の家ではアンテナを設置しても地デジが見られません。これには困りました。
Bさんは5軒の家をまわって、事情を説明しました。今後もテレビを見るためには、有料でケーブルテレビを受信するしかありません。すると5軒の家主たちは、マンション側で月々のテレビ代を負担してくれと言います。自分達はここに住んでいただけで、あなた方のマンションが建ってからテレビが見られなくなったのだから、今後も負担してもらって当然だと言います。Bさんはその言い分には納得しましたが、毎月のテレビ代を管理費で払い続けるほど余裕がありません。管理費を値上げしなくては、とても払えないのです。
そこでAさんのマンションが使ったという、国の助成金を申請することにしました。同じように地デジ対策のためだから、助成金がもらえるだろうと考えたのです。しかし総務省は、「現在は地デジが見られるわけですから、助成金の対象にはなりません」とにべもない返事を返してきました。管理組合内では、よその家のテレビを受信するために管理費を値上げするのは納得できないという声が出ていて、管理費の値上げも難しい状況です。Bさんは、すっかり困ってしまいました。
これっておかしいと思いませんか?最初にやった対策方法で、国の助成金が出たり出なかったりするんですよ。ケーブルテレビで対策をやったところは、損をしてしまいます。Bさんはマンションを販売した会社に、「ケーブルテレビで対策を行なったから問題になった。売主の責任でテレビ代を負担して欲しい」とお願いしますが、売主からは「当時としては必要な対策を施しており、弊社に負担の義務はないと考えます」という回答が来ました。これも当然といえば当然です。
地デジを進めようと言いながら、こういう矛盾が生じています。総務省は地デジへの移行に必死になっていますが、現場で起こっている問題を把握できていないようです。
|
にほんブログ村
----- COMMENT:
AUTHOR: maple
EMAIL: IP: 122.219.211.187 URL:
DATE: 08/07/2010 00:09:14
お誕生日おめでとうございます☆
電波も黒い雨も、想像力も現実を知る努力も 足りない人が対策を立ててるんですね、進歩がないなぁ。
----- COMMENT:
AUTHOR: はねもね
EMAIL: IP: 210.234.61.174 URL:
DATE: 08/07/2010 12:41:31
★mapleさん
覚えていてくれたんですか!ありがとうございます。
この地デジ問題は、細かいところでいろいろな問題を抱えたままなんですよね。現場の声が届いていないという現状があり、総務省の担当者もかなり苦労しています。本当にあと1年で停波できるのか不安です。。。
コメント
コメントを投稿