ハリウッドのセクハラ暴露は変化の兆しなのか
以前にも書いたハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ騒動が、思いもよらぬ広がりを見せています。驚くべきはワインスタインの過去の悪事が明るみに出たというだけでなく、ワインスタイン以外の人達への告発につながっていることです。これまでに告発された有名人は50人を超え、社会問題化しています。
ベン・アフレックから始まった
そして衝撃的だったのは、ケヴィン・スペイシーで、14歳の少年に性的関係を持ち掛けたことを暴露され、さらに10人を超える少年が被害者として告発をしています。スペイシーは謝罪のコメントを出してから活動休止に入っています。
※「ユージュアル・サスペクツ」のカイザー・ソゼ役で有名です。 |
騒動はハリウッド関係者から、コメディアン、マジシャン、政治家にまで発展しています。
セクハラの告発を鈍らせるもの
セクハラを受けた被害者は、ショックが癒えるのに時間がかかることが多く、事件の直後ではなくしばらくしてから訴えるケースが多いようです。そのため「なぜ、その時に言わなかった?」「なぜ今さら」と、被害者が批判されるケースが多かったのです。
さらに90年代に横行した、有名人を相手どった婦女暴行事件の裁判があります。有名人に関係を迫ったが断られた、大学の教授に試験結果の相談に行ったら断られた、合意のうえで関係を持ったが、後にフラれたなどの理由で、暴行されたと告訴する例が続きました。そのため原告より被告の方が社会的立場が上の場合、陪審員にはどうしても先入観が芽生えてしまい、裁判に勝てないようになっていました。
※ウィリアム・ケネディ・スミスは婦女暴行で訴えられて無罪になりました。 |
サービスだと思っている人たち
深刻なのはこの手のタイプの人です。熱狂的にちやほやされすぎたために、多くの女性たちが自分との関係を望んでいると思い込んでいる人は間違いなく存在します。かつてバスケットボールのスーパースター、マジック・ジョンソンがエイズに感染したことを告白したとき、「1万人以上の女性と寝た」と言っていました。なぜそれほど多くの女性と寝たのかと質問されると、マジックは「ファンサービスの一環だった」と答えています。
マジックの場合は求めらて行為に及んでいたようですが、例えば現在告発されている俳優の中には、ダスティン・ホフマンがいます。彼はプレイボーイとしても有名で、フラれたことはないと言っていました。ホフマンは17歳の女性に不適切ね言動を浴びせ、体を触ったと告発され、彼女を不安な気持ちにさせるつもりはなかったと釈明しています。彼は相手の女性がそうされることを望んでいると、勘違いしていたのではないでしょうか。
批判されるリベラル派
セクハラの告発は、リベラル派が援護してきたものでした。この手の告発の中心は、必ずと言ってよいほどリベラル派がいて、保守派の旧態依然とした女性観を攻撃してきました。しかし今回の件では、ハリウッドを支持する人の中にはリベラル派が多く、民主党はハリウッドから多額の献金を得ていました。そのため今回はリベラル派の動きが鈍く、ダブルスタンダードではないかと批判にさらされています。
※沈黙を保ったヒラリー・クリントンは激しい批判を浴びました。 |
ハリウッドは変わるのか
恐らく変わるでしょう。それが表面的な部分なのか根源的な部分なのかはわかりませんが、これまでもハリウッドはさまざまな変化に対応してきました。恐らく今回の騒動も、多くの痛みを伴いながら変化を受け入れるでしょう。新しいハリウッドが始まっているのかもしれません。
にほんブログ村
にほんブログ村
コメント
コメントを投稿