今ごろ「ごちそうさん」を見ています
2013年に話題になったNHKの朝ドラ「ごちそうさん」を今頃見ています。CSの「ファミリー劇場」で放送しているので、なんとなく見ていたら、今や録画して見るほどになってしまいました。話は面白いし、音楽は菅野よう子だし、役者の魅力が全開になっていますね。話題になるのもうなづけます。このドラマでは、長年注目されなかった二人の役者が認知されたことが大きかったと思います。
ようやく役者で食べていけたムロツヨシ
私の中ではムロツヨシは「勇者ヨシヒコ」に出ていた2011年頃にはメジャーな役者という認識だったのですが、この「ごちそうさん」に出てからバイトをせずに役者だけで食べていけるようになったそうです。かなり大げさな演技ですが、NHKらしくない役者が欲しいとのリクエストで出演し、無茶苦茶やってくれとスタッフから言われていたそうです。
「やりすぎたら止めてくださいね」とお願いして挑んだら、誰からも止められることなく撮影が終わったそうで、これが好評で仕事が一気に増えたといいます。20年近く役者を続け、貧乏の連続だったそうですが、ここから一気にコマーシャル出演なども果たすようになりました。お笑い芸人の笑いとは一味違う、喜劇役者ならではの笑いを誘う演技は、個人的には大好きです。
上手すぎて気づかれなかったキムラ緑子
そして役者歴30年で、あちこちに出ていたのに演技力の高さから場に溶け込んでしまい、ほとんど注目されていなかったキムラ緑子が、全国的に名前を知られるようになりました。キムラが演じる西門和江の憎らしさに怒りの声が巻き起こる中、ファンも急増して放送中は全く落ち着かなかったようです。「ごちそうさん」の出演以降、キムラ緑子は腕の良い舞台俳優からオールラウンダーの職人俳優として認知されています。
和江のイメージが強烈すぎたのですが、キムラが話題になると過去のドラマなども紹介されるようになり、「これが和江なの?」という驚きを誘いました。さらに人気の高騰ぶりからバラエティ番組に呼ばれると、気さくで人懐っこい一面を見せると視聴者からは驚きの声が上がりました。しかしドラマを見て本気で怒った人も多く、親せきから「うちには姪っ子はいないことになっている」と言われたり、マスコミに追われたりと散々だったようです。
これまでは豆腐屋さんを演じれば、豆腐屋さんをテレビに連れてきただけに見え、看護婦を演じれば看護婦がたまたまテレビに出ているように見えるほど、徹底した役作りでまったく注目されることがなかったのですが、「ごちそうさん」では突出した嫌われ者を演じ、さらに過去を引きずる影や自殺未遂を図るときの迫真の演技、そして去っていくときの憎々しさとさっそうとした格好良さで、一気に注目株になりました。
実は優れた役者は多い
どうしてもドラマや映画は売れている役者を使いたがりますが、売れていない優れた役者は案外いるのです。テレビ朝日のドラマ「相棒」は、開始時には予算が全くなかったので、舞台俳優を中心に始めました。テレビにも慣れていて、優れた演技力の持ち主に声をかけてキャストが揃ったのです。
安い製作費しかないのにギャラの高い人気俳優ばかりを使うのではなく、このような優れているのに名前を知られていない役者を使う方が、芸能界のためにもなると思うんですけどね。人気だけが先行している俳優だって、うかうかしていられないですし、良い刺激になると思うんですがどうでしょう?
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