PKOの嘘 /自衛隊は軍隊として派遣されている

PKOは国連平和維持活動と訳されていますが、英語ではPeace Keeping Operations、つまり「平和維持作戦」と書かれています。PKOは国連の活動の一環であり、軍事作戦です。自衛隊は国連の軍事作戦に参加しているわけで、後方支援であっても、軍事作戦であることに変わりはありません。この事実が忘れられがち、というか自民党が当初からごまかしていた部分なのです。




自衛隊はPKF(平和維持軍)ではないはずがない

日本では憲法に抵触しかねないので、訳するときに作戦と呼ばずに活動と名付けているだけです。そして「自衛隊はPKF(平和維持軍)ではない」と言われますが、PKOに参加している各国の軍隊をPKFと呼んでいます。後方支援をする自衛隊も、PKFの一員です。これも憲法に抵触するから生み出された方便ですね。

紛争地域で軍事介入するのがPKOの目的ではなく、あくまでも当事者同士の解決のために紛争の再発を防止するのがPKOの役目でした。しかし時代の変化とともにPKOの役割は変化し、PKFによる先制攻撃も認められて目的も任務も多様化しています。

自衛隊の活動範囲が安全なはずがない

これまで日本政府は、PKOは平和貢献であり軍事派遣ではないと主張してきましたが、国連は平和維持のための軍事派遣を前提にしているのですから、この主張は無理があります。さらに停戦の合意があって派遣するのだから、自衛隊は安全だと言ってきました。しかし危険だから国連は軍隊を組織して派遣するのです。安全なはずがありません。

現地の指揮権に関しても、政府は各国に委ねられるかのように説明していますが、国連の指揮下の軍事作戦ですから、事務総長が任命した指揮官の下で動くことになります。しかし各国の思惑で指揮権を手放さないことがあるだけで、日本が自由に動けるわけではありません。ですから、南スーダンのように攻撃を受ける可能性がある住民保護の依頼が来たりするわけです。



まとめ

政府は国際情勢の変化から国際貢献を求められて、国の中と外に対してそれぞれ都合の良い説明をしてきました。そのため矛盾があちこちに生じていて、問題視されることが増えてきました。そもそも92年にPKO法案が可決した時と、現在のPKOの役割は違っています。それは世界情勢の変化の影響が大きく、20年以上前に施行された法律の範囲だけで実施するのは無理がありすぎるのです。

矛盾によって生じたツケを払うのは、現地に派遣された自衛官です。こういうやり方は、今すぐにでも改められるべきだと思います。


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