なぜガラケーではダメなのか

※こちらは以前の「はねもねの独り言」に書いていた記事です。

ガラケー(ガラパゴス携帯)とかフィーチャーフォンとか呼ばれる従来の日本の携帯電話ですが、日本という特殊な環境で進化しすぎた結果、海外では売れないという問題が表面化しました。一方でアップルのiPhoneやサムスンのギャラクシーなどはワールドワイドに売れているため、日本の携帯電話メーカーもスマートフォンの開発が急務になっています。先日はパナソニックが女性にスマートフォンを買ってもらうために、女性だけのチームを立ち上げたというニュースがありました。


このブログを始めた頃(もう6年ぐらい前?)に、私は日本の携帯電話の使いにくさを書いた記憶があります。それはパーム社のトレオというスマートフォンを使った時に感じた直感性の良さが日本の携帯電話にはないと感じたからでした。なぜ着信したメールを開くのにメールボタンを押しても開けないのか?決定ボタンを押せば着信メールを見ることができますが、それは長年使い方を訓練してきた結果であって、初めて携帯電話を使う人がメールを見るためにメールボタンを押すのは当然の行為です。

世の中がスマートフォンだらけになっても、この直感性の悪さは健在です。相変わらずどこに何があるのか判りにくい電話はいくつもあります。上記のパナソニックの記事はSNSに特化することやお財布ケータイの機能性を上げるなど、女性に使ってもらうために機能面からアプローチしているようでしたが、私には機能ではなくインターフェイスの方が大きな問題に思えてしまいます。どんな便利な機能でも、その機能に行き着くまでの操作が面倒なら使わなくなりますからね。

さてガラパゴス携帯の反省から各社はスマートフォン開発に注力していますが、パナソニックが女性はスマートフォンを買ってくれないと悩んでいることからわかるように従来の携帯電話で十分と思っている人がいるのも事実です。各社が一斉にスマートフォン開発に注力している状況なら、逆に誰でも使えるガラケーの開発に注力するのも手ではないかと思ってしまいます。シンプルな携帯電話といえば、らくらくフォンぐらいしかありませんが、もっとやり方はあるように思うんですけどね。

世界で最も売れた携帯電話はスマートフォンではありません。ノキア1100という機種です。なんと10億台以上も売れたモンスター携帯で、通話とSNSだけ(あと懐中電灯)に機能を絞っています。安くて軽くて頑丈な電話で、発展途上国を中心に凄まじい勢いで売れました。この電話は単に廉価版として発売されたわけではなく、途上国に対応するためにマーケティングを行い彼らのニーズに合わせて作られた携帯です。アップデートなんかしない、鞄の中にポンと放り投げる、電気製品を濡らすなという意識が低い、などなど様々なファクターを考慮して作られ、その結果が世界最大のヒットになったわけです。

日本だって途上国ほどではないにしても、まだまだ大きな市場です。本当にみんながどんなものが必要なのかマーケティングすればスマートフォンではない形のニーズも出てくると思うんですよね。スマートフォンなんて面倒なものはいらない!と、声高にシンプルな携帯電話を出すメーカーがあってもいいように思うのですが、なかなかイノベーションは起こりそうにありません。







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