音楽は死んだか?
※こちらは以前の「はねもねの独り言」に書いていた記事です。
音楽CDの売上が低迷しています。日本だけでなくアメリカでも低迷しているようで、業界にとっては深刻な問題になっていますね。CDが売れない理由は色々あるのでしょうが、友人が「音楽が進化を止めていないか?」と言っていたのが印象に残りました。言われてみると、ここ最近は新しい音楽が生まれていないように思います。そこでアメリカが中心になってしまいますが、過去の音楽を遡ってみたいと思います。
19世紀後半にアメリカの各地にあった民謡は、それぞれの場所でそれぞれの進化を遂げていきます。黒人達が綿花を摘みながら歌っていた鼻歌は、遠くの仲間を呼びかける大声がシャウトとして加わりブルースが生まれていきます。20世紀に入るとミシシッピ州ではブルースが黒人の間で歌われ、1920年代にはレコーディングも始まりヒット曲が生まれます。ブルースは都市化とともにシカゴやニューヨークへ流れ、電子化を伴いさらなるヒットを生み出します。
20世紀初頭のルイジアナ州ニューオリンズでは、黒人達が酒場で演奏する音楽をジャズと呼ぶようになっていました。第一次大戦頃には白人のジャズマンも誕生し、ダンス音楽や鼓笛隊やマーチングバンドの影響を受けて急成長し、激動の20年代を象徴する音楽になっていきます。30年代には大人数で編成されたビッグバンドがヒットを飛ばし、40年代にはビバップというスタイルが生まれていきます。アメリカの人種差別を避けるようにヨーロッパに逃れた黒人ジャズメンは、50年代にはヨーロッパで数々の名演を残してジャズはアメリカだけのものではなくなっていきました。
アメリカではブルースをダンサブルにしたリズム・アンド・ブルースが流行りましたが、一部の黒人達がさらにビートを強調した音楽を始めます。50年代に誕生したこの音楽はラジオのDJによってロックンロールと呼ばれ、白人のエルビス・プレスリーがこの音楽を歌うようになると全米でヒットするという社会現象を起こしました。それまでアメリカ全土でヒットする音楽は存在しなかったのです。ロックンロールはアメリカだけでなく、イギリスにも飛び火します。そして60年代にはイギリスのビートルズがアメリカを席巻し、世界的なムーブメントが起こります。
また50年代から60年代にかけては、ブルースやR&Bからゴスペルなどの影響を受けたソウル・ミュージックやファンクも生まれていきます。またジャズレコード屋が始めた音楽がモータウンレーベルとなり、これらの音楽は独自に進化を遂げていくことになりました。そしてロックンロールは、60年代末にはハードロックと呼ばれる歪んだギター音を主体とする音楽が生みだします。70年代にハードロックは機材の進歩と相まって大きく進化しますが、その勢いを止めるかのようにパンクというムーブメントがやってきます。そしてこの頃、黒人の間ではラップが生まれていきます。
レゲエがジャマイカから欧米に紹介されたのも70年代です。それ以前からイギリスに住むジャマイカ人の間では歌われていましたが、エリック・クラプトンのカバーで認知度は大きく広がりました。80年代に入ると盛り下がったハードロックと入れ替わるように、ヘヴィメタルと呼ばれる荒々しい音楽が人気を呼びます。ラップが爆発的な人気を得たのも80年代で、さらに80年代半ばには四つ打ち系と言われるユーロビートやハウスの世界的ヒットが生まれ、その勢いは90年代初めまで続いていきます。
私の友人は「90年代以降、2000年代以降に生まれて大ヒットした音楽ってなんだっけ?」と疑問を持ち出し、この100年ほど急激に進歩を遂げた音楽が進歩の歩みを止めているのではないか?と言いだしたのです。考えてみると90年代には原点回帰とも言える流れが始まり、例えば世界的にヒットしたオアシスはビートルズの新譜と思われるほどビートルズ色を鮮明に打ち出していました。ポップミュージックが一巡したとも言われましたね。
20世紀初頭は、音楽は一地方の流行に過ぎませんでした。しかし50年代には全米ヒットと呼ばれるアメリカ全土を巻き込むヒットが生まれるようになり、70年代にはヨーロッパの多くの国を巻き込んだヒットが生まれるようになります。そして80年代にはさらにその輪が広がり、今ではインターネットでネットに接続できる国にはほぼ同時に同じ音楽が聴けるようになりました。
ヒットのエリアの広がりが世界規模にまでなり、これ以上の広がりは貧困国の経済成長を待つしかないほど広がってしまい、機材も素人がそれなりに音楽を作れるほどコンピュータソフトが進化してしまった現状では、音楽が行き詰るのも当然なのかもしれないと思いました。音楽CDが売れなくなったのは、こういった限界も関係しているのではないか?というのは考えすぎですかね。
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音楽CDの売上が低迷しています。日本だけでなくアメリカでも低迷しているようで、業界にとっては深刻な問題になっていますね。CDが売れない理由は色々あるのでしょうが、友人が「音楽が進化を止めていないか?」と言っていたのが印象に残りました。言われてみると、ここ最近は新しい音楽が生まれていないように思います。そこでアメリカが中心になってしまいますが、過去の音楽を遡ってみたいと思います。
19世紀後半にアメリカの各地にあった民謡は、それぞれの場所でそれぞれの進化を遂げていきます。黒人達が綿花を摘みながら歌っていた鼻歌は、遠くの仲間を呼びかける大声がシャウトとして加わりブルースが生まれていきます。20世紀に入るとミシシッピ州ではブルースが黒人の間で歌われ、1920年代にはレコーディングも始まりヒット曲が生まれます。ブルースは都市化とともにシカゴやニューヨークへ流れ、電子化を伴いさらなるヒットを生み出します。
20世紀初頭のルイジアナ州ニューオリンズでは、黒人達が酒場で演奏する音楽をジャズと呼ぶようになっていました。第一次大戦頃には白人のジャズマンも誕生し、ダンス音楽や鼓笛隊やマーチングバンドの影響を受けて急成長し、激動の20年代を象徴する音楽になっていきます。30年代には大人数で編成されたビッグバンドがヒットを飛ばし、40年代にはビバップというスタイルが生まれていきます。アメリカの人種差別を避けるようにヨーロッパに逃れた黒人ジャズメンは、50年代にはヨーロッパで数々の名演を残してジャズはアメリカだけのものではなくなっていきました。
アメリカではブルースをダンサブルにしたリズム・アンド・ブルースが流行りましたが、一部の黒人達がさらにビートを強調した音楽を始めます。50年代に誕生したこの音楽はラジオのDJによってロックンロールと呼ばれ、白人のエルビス・プレスリーがこの音楽を歌うようになると全米でヒットするという社会現象を起こしました。それまでアメリカ全土でヒットする音楽は存在しなかったのです。ロックンロールはアメリカだけでなく、イギリスにも飛び火します。そして60年代にはイギリスのビートルズがアメリカを席巻し、世界的なムーブメントが起こります。
また50年代から60年代にかけては、ブルースやR&Bからゴスペルなどの影響を受けたソウル・ミュージックやファンクも生まれていきます。またジャズレコード屋が始めた音楽がモータウンレーベルとなり、これらの音楽は独自に進化を遂げていくことになりました。そしてロックンロールは、60年代末にはハードロックと呼ばれる歪んだギター音を主体とする音楽が生みだします。70年代にハードロックは機材の進歩と相まって大きく進化しますが、その勢いを止めるかのようにパンクというムーブメントがやってきます。そしてこの頃、黒人の間ではラップが生まれていきます。
レゲエがジャマイカから欧米に紹介されたのも70年代です。それ以前からイギリスに住むジャマイカ人の間では歌われていましたが、エリック・クラプトンのカバーで認知度は大きく広がりました。80年代に入ると盛り下がったハードロックと入れ替わるように、ヘヴィメタルと呼ばれる荒々しい音楽が人気を呼びます。ラップが爆発的な人気を得たのも80年代で、さらに80年代半ばには四つ打ち系と言われるユーロビートやハウスの世界的ヒットが生まれ、その勢いは90年代初めまで続いていきます。
私の友人は「90年代以降、2000年代以降に生まれて大ヒットした音楽ってなんだっけ?」と疑問を持ち出し、この100年ほど急激に進歩を遂げた音楽が進歩の歩みを止めているのではないか?と言いだしたのです。考えてみると90年代には原点回帰とも言える流れが始まり、例えば世界的にヒットしたオアシスはビートルズの新譜と思われるほどビートルズ色を鮮明に打ち出していました。ポップミュージックが一巡したとも言われましたね。
20世紀初頭は、音楽は一地方の流行に過ぎませんでした。しかし50年代には全米ヒットと呼ばれるアメリカ全土を巻き込むヒットが生まれるようになり、70年代にはヨーロッパの多くの国を巻き込んだヒットが生まれるようになります。そして80年代にはさらにその輪が広がり、今ではインターネットでネットに接続できる国にはほぼ同時に同じ音楽が聴けるようになりました。
ヒットのエリアの広がりが世界規模にまでなり、これ以上の広がりは貧困国の経済成長を待つしかないほど広がってしまい、機材も素人がそれなりに音楽を作れるほどコンピュータソフトが進化してしまった現状では、音楽が行き詰るのも当然なのかもしれないと思いました。音楽CDが売れなくなったのは、こういった限界も関係しているのではないか?というのは考えすぎですかね。
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