好きな服は似合わない

※こちらは以前の「はねもねの独り言」に書いていた記事です。

なぜか着たい服に似合うものがないという経験をした人は多いと思います。男女問わず、せっかくいい服を見つけたのに試着してみるとガッカリなんてことは、決して珍しくありません。お店で「あ!これいい!」なんて飛びついてはみるものの似合わないから断念してしまい、結局は無難なものばかりを買ってしまったり、「何を着たらいいかわからない!」なんて言っている人もいます。どうしてこうなるのでしょうか?私はテレビで松田優作のファンが何人も出てくる番組を見ていて、この答えに気がつきました。



その番組では、熱烈な優作マニアが何人も登場しました。男性の方が圧倒的に多く、さらに多くの人が「探偵物語」の松田優作風ファッションをしていました。黒の細身のスーツに赤いシャツと白いネクタイの組み合わせです。そして黒のハットをかぶっていたのですが、驚くほど似合っていない人ばかりでした。わざとやっているとしか思えないほど滑稽な人もいて、コントの衣装のようでした。

そもそも松田優作は背が高いし手足がとても長いというのがあります。背が低くて手足が短い人が着ても、同じようにはなりません。しかし細身のスラッとした人もいましたが、やはりコントのようになっていました。そういう人達が次々と出てくるのを見ていて気づいたのですが、ほとんどの人が松田優作とは正反対のキャラだからファンになっているのです。人は誰しも自分にないものに憧れます。松田優作のように陰があり、ワイルドな雰囲気に憧れる人は陽気な楽天家だったりするのです。

自分にないものに憧れるのは、いわば本能のようなものなのかもしれません。これは広告代理店(ADKではない)の人に聞いたのですが、女児向けアニメ「ふたりはプリキュア」が大ヒットした時、ウンチク女王で優等生のほのかが好きだという子供とスポーツ万能のなぎさが好きだと言う子供は、きれいに分かれたそうです。そして多くの場合、その子と反対の性格の方を好きだと言っていたそうです。幼稚園児でもそうなのですから、誰しもが持ちえる感情なのかもしれません。

ここで最初の話しに戻るのですが、服を見ていて「可愛い!」と思った服が似合わないと嘆いている人は、そもそも可愛い服が似合わない人だったりするわけです。本当はエレガントな服やボーイッシュな服が似合うキャラクターなので、可愛い服を着ることに憧れが強いのではないでしょうか。自分に似合わない服ばかりを選択してしまい、似合う服がないと嘆いているわけです。かつてポール・スミスが服を選ぶためのアドバイスとして「服を見る前に、鏡をよく見るべき」と言ったのは、恐らくこのことだと思います。

そういう私はスティーブ・マックイーンが好きで、ベージュのバルマカンコートやツイードのジャケットに何度もトライしようとしましたが似合いません。バルマカンコートにいたっては新橋の酔っ払いと何ら変わらない姿になってしまいます。洋服屋さんからも「はねもねさんは、トレンチコートの人ですね」と言われていて悔しいですね。それぞれのキャラクターがあって、それを個性とも呼ぶのかもしれませんが、悩んでいる人はまず自分の好みを疑ってみるのがいいのかもしれません。





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COMMENT:
AUTHOR: maple
DATE: 01/10/2011 01:54:58
わかります。
私は北欧系の妖精のような美人が大好きですが、
自分はまるで違うタイプなので彼女らに似合う
服はまるで私には合わないのです。悲しい。

憧れの人と同じ服装をしたい・・・人類みな
コスプレイヤーかもしれませんね。


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COMMENT:
AUTHOR: はねもね
DATE: 01/11/2011 16:34:10
★mapleさん
>人類みなコスプレイヤー

確かにそうかも\(^o^)/
テレビドラマで主人公が着ている服が売れるというのは、今でもあるみたいですね。変身願望みたいなものは、多かれ少なかれありそうですね。
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コメント

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