キノコホテルの騒動から知ったこと

※この記事は2016年5月4日に、前のブログに書いた記事の転載です。

キノコホテルというバンドをご存じでしょうか?ドSのマリアンヌ東雲が支配人を務める女性だけのバンドで、キノコ・ヘアとミニスカートとミリタリールックが特徴です。このキノコホテルがカルメン・マキさんの「ノイジー・ベイビー」をカバーしたことに関して、昨年カルメン・マキさんとツイッター上でトラブルが発生しました。



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この前、音楽関連の仕事をしている人と会った時にこの騒動が話題になりました。騒動の流れを説明すると、騒動は全てツイッターで上で起こりました。カルメン・マキさんはカバーするなら事前に承諾を得るのがルールだとして、キノコホテルに苦言を呈し、プロデューサーが事前に話はしているなどゴチャゴチャし、最後はマリアンヌ東雲が

※マリアンヌ東雲支配人

「キノコホテルがここ数年カヴァーさせて頂いて居た某楽曲ですが、音源化する際に著作者の方はご快諾下さり、寧ろ若い世代が演ってくれるとは、と感謝のお言葉を頂きました。しかし歌い手の方が何やら今更騒いでらっしゃる模様なので、もう二度と演らないと決めました。面倒臭いから。」

と、つぶやいてツイッターではある程度収束しました。これに対して「キノコホテルは筋を通していない」「カルメン・マキは老害」といった論争が起こり、テレビでも取り上げられました。この問題のポイントは、カバーされた「ノイジー・ベイビー」の作詞作曲者から了承は得ていて、歌ったカルメン・マキさんには何も伝わっていなかったということです。この騒動を見て私は何となく、法律的にはクリアしていても、後で揉めることもあるから一応関係者の耳には事前に入れておく方がいいのかな、と思っていました。

※若き日のカルメン・マキ




ところが、この前会った音楽関係者の方は「権利者以外の人に、事前に了承を得るのはNG」というのです。なぜかと尋ねると「何の権利もない人、この場合はカルメン・マキさんみたいな人が、感情的にカバーはダメって言いだしたら、カバーできなくなるかもしれないから」なのだそうです。なるほど、それは考えていませんでした。そこで事前に法的な部分だけクリアして、後は事後報告で済ませるか、事後報告もしないのが通常の手続きなのだそうです。



確かに批判的なカバーもあるでしょう。ダイアナ・ロスだってジェネシスの曲をカバーした際に「あのハゲたおじさん(フィル・コリンズ)より、私の方が上手い」と言っていましたしね。まあ、ダイアナ・ロスはジョークで言っていたのですが、割と本気でこんな風に考えてカバーしている例もあるかもしれません。そうなると、揉める事だってありそうです。しかし世知辛い話だと思いませんか?

※フィル・コリンズ

もう少し自由にできてもいいと思うんですよね。優れた楽曲なら、いろんな人がカバーしているのを聴いてみたいというのが、いちリスナーの想いです。



問題になったキノコホテルのカバー「ノイジー・ベイビー」のPVです。


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