今更ながらビル・ローレンス /森高千里モデルのギター

※この記事は2016年6月26日に、前のブログに書いた記事の転載です。

本当に今更ですが、ビル・ローレンスさんが2年以上前に亡くなっていたことを知りました。ビル・ローレンスをご存じない方の方が多いと思いますが、簡単に言うとエレクトリック・ギターのピックアップ(弦の音を拾うマイク)の発展に最も貢献した技術者なのです。現在もビル・ローレンスというブランド名で、ピックアップの販売もやっています。

※こちらはリッケンバッカーのギター

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ビル・ローレンスのギター

このビル・ローレンスの名前で、90年代にギターが販売されていました。日本のモリダイラ楽器のOEMで、価格帯は5万円台から10万円オーバーという、そこそこの価格でした。そしてこのビル・ローレンス・ギターは、価格の割に出来が良くて、思わず「おっ!」と言ってしまうモデルがいくつもあったのです。

しかしモリダイラ楽器とビル・ローレンスは仲違いしてしまったらしく、ブランドの立ち上げ以降はビルはほとんど関与せず、さらになぜかモリダイラ楽器がミュージシャンモデルを中心に展開する変わった方向性を打ち出します。

アーティストモデルの乱造

森高千里モデル、奥井香(プリンセス・プリンセス)モデル、小暮武彦(レッドウォーリアーズ)モデル、はたけ(シャ乱Q)モデル、五十嵐美貴(SHOW-YA)モデル、浅香唯モデルなどなど。。。これらのラインナップが売れたかというと、ご想像の通りです。そもそも浅香唯なんてギター弾かないじゃん!というツッコミもありました。

※森高千里モデル


※木暮武彦(シャケ)モデル
※奥井香モデル


さらに広告が致命的にダサいこともあって散々でした。当時、渋谷の楽器屋に「ご予約 森高千里ギター 宅八郎様」と書いてあるのを見て、大勢の人が苦笑いしたものです。

隠れた人気はあったが

そして残念だったのが、前記のようにギターとしては、なかなか良い出来のものが多かったのです。小暮武彦モデルは、リアピックアップのみでトーンなしという特殊な設定なので使う人は限られましたが、ジョリジョリしたサウンドはなかなかのものでしたし、森高千里モデルは取り回しの良さと音抜けの良さで、思わず「欲しい!」と言う人が結構いました。しかし森高千里モデルという名前に怯んで、実際に買った人は私の周りにはいませんでした。

※森高千里モデルは取り回しの良さが魅力でした。

ミュージシャンモデルは日本人だけでなく、海外アーティストのものもあり、ロイ・ブキャナンモデル、ジョー・ペリー(エアロスミス)モデルなんていうのもありましたが、本人が弾いている姿を見たことがないという怪しげなモデルでした。というわけで、90年代のビル・ローレンスのギターは、価格に対して出来が良いものの、持っていると少し恥ずかしい気持ちになるギターでした。ブランド戦略のダメな部分が出てしまった感じです。

※本来はこちらが主力商品です。

まとめ

もちろん、ピックアップのメーカーとしては一流で、ビル・ローレンスの名前に傷がつくことはありませんでしたが、なんとも微妙な気分にさせられる出来事でした。こんなことを書いていると、ビル・ローレンスのシングルピックアップを搭載したギターを弾いてみたくなりました。ですが何年も弾いていないので、指が動かないんですけどね。最近、バンドのお誘いが来ているのですが、時間的に全く無理っぽいです。


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