プリンセス・プリンセスを聴きながら楽器の上手さを考えた
知人男性N(50歳)が、家に来いと言うので言ってみたら、家の中に電子ドラムが置いてありました。これを自慢したかったのか・・・。昨年から、突如ドラム・スクールに通い始めたのは知っていましたが、ドラムを買うまで至っていたのかと感心しました。今回は知人のNとガールズバンドをメジャーシーンに引き上げた、プリンセス・プリンセスについて語った内容を書いてみたいと思います。
そしてNが叩き始めたのが、なんとプリンセス・プリンセスの「ダイアモンド」で、なぜその選曲なのかと尋ねると、教室の先生から出された課題曲なのだそうです。これまでは自分が好きなハードロック系の曲で練習していたそうですが、いくつかの課題をクリアするために先生とあれこれ話している中で、この曲になったそうです。
N 「はじめて、この曲の楽器の音を真剣に聴いた」
井「面白い発見はあった?」
N 「特別に上手いバンドじゃないんだよね」
井「うん、下手じゃないけど特筆するものが少ない」
N 「でも、格好良いんだよなぁ。なんでだろう?」
井「ドラムは、典型的なパワーヒッターだしね」
N 「驚いた。あんなに強くドラムを叩く人だとは思わなかった」
キャラがバラバラのプリプリの中で、ドラムの富田京子は愛らしいルックスで人気でした。アイドルみたいな衣装に頭に大きなリボンを結んだりしていましたが、ドラムをこれでもかと力強く叩き続ける人で、ドラムのセッティングも実に男前です。
※CMの一コマです。 |
ドラムセットのメーカー、パールのサイトに富田京子のセッティングが出ています。富田が「おっぱいシンバル」と呼ぶ、2つのチャイナシンバルが特徴的なセッティングですが、2つのフロアタムも気になります。16インチと18インチを並べるのは、激しいロック系のドラマーに多く、ラウドネスの樋口宗孝などと同様です。低音をガンガン出したい人向けで、実に男前のセッティングですね。
※DとEが通称「おっぱいシンバル」で、右下のFTと書いてある2つがフロアタムです。 |
N 「ライブだと、割と走っちゃう人だよね」
井「あれだけ強く叩くと、どうしても速くなっちゃうんだね」
N 「後半になって疲れると、特に速くなるね」
井 「スティックのスイング速度で叩いてないからね」
N 「この人の、どこが良いと思う?」
井「歌心かなぁ」
富田京子は作詞もしているからか、曲のどの部分をどういう風に聴いて欲しいというこだわりがあるような気がします。サビの部分でチャイナシンバルを1拍目と3拍目に入れていたのに、2回目のサビの時には2拍目と4拍目だったりします。言葉と音の配置に気を配っている印象があるのです。
N 「何か凄いところがないから、逆に良いのかな」
井「プリプリって、特別な才能のない人達がものすごく努力して作り上げたって感じがするじゃない」
N 「自分たちも手が届きそうって気がするね」
井「だから人気が出たんじゃないかな。自分たちと同化しやすい」
N 「ドラムの先生から、青山純とか中村達也は初心者が真似するなって言われたよ」
井「あのレベルになると、誰も超えられない壁があるからね」
難しいテクニックを駆使しなくても、ちゃんと聴かせることができる演奏はありますし、特別なプレイでなくても格好良くできるというのが、プリプリのライブを見ると感じることができます。楽器に上手い下手は確実に存在しますが、ロックやポップスでは上手いから良い演奏ではないんですよね。もちろん下手では伝わりにくいし、表現できることの幅も狭くなるんですけどね。
※左から、富田京子(Dr)渡辺敦子(b)奥井(岸谷)香(Vo)今野登茂子(key)中山加奈子(g) |
井「ちなみに『ダイアモンド』のCDは、青山純がドラムを叩いているよ」
N 「はぁあああ??」
井「ベースは伊藤広規だったはず」
N 「はぁあああ??」
井「青山純や山下達郎が、ラジオで言っていたよ」
N 「嘘だあああ!」
こんな感じでNを絶望させてしまったわけですが、個人的にはレコーディングにゴーストのミュージシャンがいてもプリプリの評価が落ちることはないと思っています。青山純もそう感じていたから、時効だと言ってバラしたんだと思います。むしろレコーディング時に日本最高峰のドラマーやベーシストが手本を示してくれていたのですから、プリプリの演奏力の底上げになったようにも思います。
ということで、この会話はまだまだプリプリについて続くのですが、機会があれば続きを紹介したいと思います。この会話の後に、久しぶりにYouTubeでプリプリのライブを沢山見ましたが、このバンドは格好良かったと今でも思いました。
ということで、この会話はまだまだプリプリについて続くのですが、機会があれば続きを紹介したいと思います。この会話の後に、久しぶりにYouTubeでプリプリのライブを沢山見ましたが、このバンドは格好良かったと今でも思いました。
「ダイアモンド」。ドラムのパワーヒッターぶりがわかると思います。
「19 Growing Up」プリプリといえば、この曲を真っ先に思い出します。
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