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ラベル(愉快な仲間たち)が付いた投稿を表示しています

知人の裸は恥ずかしい /オジさんたちの動揺

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都内某所にある楽器屋に、私はよく顔を出していました。雑居ビルの地下にあるその店は、やる気のない店員と楽器の知識が全くない女性のバイトがいて、雰囲気は最悪ですが品揃えが良いのでプロのミュージシャンもよく来ていました。今回の主人公は楽器に無知なバイトのKちゃんです。当時の年齢は21歳で、本業はモデルでした。このKちゃんが楽器屋の店頭に立ち始めてから、店の雰囲気が一変しました。 ※イメージです。エピソードと直接関係ありません。 この話は90年代のできごとで、私がまだ20代というのを差し引いて読んでいただけたらと思います。 Kちゃんに関して知っていること 東北出身で、透き通るような白い肌をしていました。身長は165cmくらいで、会えばモデルかタレントだとすぐにわかる美貌がありました。ほんわかした見た目に人懐っこい性格で、あっという間にお客さんたちの心をつかんでいきます。こんな陰気な楽器屋にいるなら、ホステスをやった方が何十倍も稼げただろうと思いました。学生の頃にファッションモデルにスカウトされ、その頃は広告モデル(コマーシャルモデル)にスタンスを移していて、企業案内や広告に出ているのを何度か見かけました。 都内で一人暮らしをしていて、ペットに30cmぐらいのワニを飼っていて、友達が少ないので寂しくなると、電話をかけてきました。「寂しいのでお店に遊びに来てください」と電話で言われた常連のおじさんたちは、鼻の下を伸ばしてお店に行っていました。天真爛漫な雰囲気に人懐っこさがあり、おじさんたちをホイホイ店に呼び込むスキルから、社長や店員は「魔性の女」と陰で呼んでいました。そして楽器を買いもしない常連が、ダラダラと店に長居することが増えていきました。 写真集の出版 そんなKちゃんが某有名写真家の仕事で、沖縄に行くことになりました。私たちはKちゃんを応援しました。以前、その店のバイトに来ていたファッションモデルは、途中からモデルの仕事が激減してスーパーのチラシぐらいしか仕事がなくなって辞めてしまったので、Kちゃんが有名写真家の仕事を得たというのはめでたい話だと店員らと盛り上がったのです。 そして撮影に行ってから半年ほど経ってからでしょうか。Kちゃんが「ご報告です。写真集が出版されます。タイトルは〇〇で、発売は再来月です」と...

モザイクは顔を隠さない /テレビで起こった身近な騒動

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90年代の後半、私がまだ独身で狭いアパートで暮らしていた頃の話です。テレビのモザイクは全く役に立たないことがわかる出来事がありました。仕事で疲れて家に帰り、なんとなくテレビをつけたら知っている顔が映っていたのです。それは某テレビ局の人気バラエティ番組でした。 その番組は・・・ 後に心肺停止で倒れるお笑いタレントと、放送禁止の四文字熟語を言ってテレビから干されたことのあるバラドルの女性タレントがMCをつとめる番組です。92年から98年にかけて日曜日の夜10時半から放送されていました。番組の目玉はアポなしのロケで、有名人に何のアポもとらずに突然伺って無理なお願いをするのが人気のコーナーでした。 歩きタバコをしている人のタバコを消す企画 心肺停止のお笑いタレントさんが水鉄砲を持って街に出かけ、歩きタバコをしている人のタバコに水をかけるということをやっていました。水を掛けられて怒る人が続出していて、必死にお笑いタレントさんが謝りながら番組の企画を説明する流れです。この番組では、このような企画が多くありました。水を掛けられる人の顔にはモザイクがかかり、声も変えられています。 その中で、歩きタバコをしているギャルが登場しました。金髪に染めた髪、短すぎるミニスカート、高すぎるヒールでけだるそうにタバコを吸いながら歩いています。それまでほとんどテレビを見ていませんでしたが、私はこの場面でテレビにくぎ付けになりました。ギャルは水を掛けられて、激しく罵っています。お笑いタレントさんは必死に謝っていますが、ギャルは汚い言葉で文句を言い続けています。モザイクの顔がアップになりますが、顔は全くわかりません。 しかし私は確信しました。これは近所に住む20代前半の女性Sです。髪型も服もいつもと全く違いますが、どう見てもSにしか見えません。私は電話をとると、彼女のポケベルを鳴らしました。当時は携帯を持っている人の方が少数で、ほとんどの人がポケベルだったのです。しかしいつもならすぐに掛かってくるのに、いつまで経っても連絡はありませんでした。そして翌日に「ごめんねー」といつもの調子で電話がかかってきました。 Sという女性 始めて会った時から、とてもきれいな顔をしていると思ったのですが、子役タレントを経験していました。十代の半ばまでタレント活動を続...

護身術を語った老兵 /逃げるが勝ちの大事さ

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94年、未成年グループが起こした連続リンチ事件は、当時は大きな衝撃を与えました。大阪、愛知、岐阜にまたがり、不良少年グループが無軌道にリンチと殺人を繰り返した事件で、ほとんど理由もなく殺された人も含まれていました。殺害されたのが10代から20代だったため、若い人達の間に警戒心が生まれていたように思います。今回は、その頃の話です。 護身術を習おう 私が所属していたバイクチームのツーリングの時にも、この事件の話題が出ました。中にはすぐ取り出せるところにスパナを隠しておこうかなどと言い出す者もいて、なんとも物騒な会話が続きました。なにせ目をつけられたら一方的にケンカを売られ、リンチの挙句に殺害してゴミのように捨てて次の獲物を物色すること集団がいたという事実は、あまりにインパクトが強かったのです。この年には地下鉄サリン事件も起こっていて、とにかく物騒な世の中になったという雰囲気もありました。 そんな話の中から、私の友人のマイクというアメリカ人に護身術を習いたいと言う者が出てきました。「マイクさんはアメリカの兵隊だったんでしょう?いろいろ知ってそうじゃない」と、みんなが口々に言い出して、私がマイクに相談をすることになっていました。私がみんなにマイクを紹介した時に、元不良少年の中には「ニコニコしてるけど凄みがある」と感じている者もいましたし、ちょっとしたケンカの仲裁をマイクがした時に、多くの人が只者じゃないと感じていたのです。 マイクという変な外人 アメリカ人の友人の紹介で、私はマイクと知り合いました。マイクを紹介したのはマイクの息子の奥さんの弟にあたる人物で、彼は日本に住んで仕事をしていました。マイクは息子が経営する、雑貨などを輸入すること会社を手伝っていて、たまに日本に来ていたのです。 ※ベトナムの海兵隊員 マイクは元海兵隊員でした。ベトナム戦争にも従軍し、各国の戦地に出向いています。出世してデスクワークが増えるよりも現場を好んだと言っていましたが、とにかく出世とは無縁のまま退官して息子の会社を手伝っていたのです。在日米軍基地にいた時に、日本の文化を好きになったそうで、孫のお土産にキティちゃんの人形を買いにサンリオショップで大はしゃぎする陽気なアメリカ人です。当時は60歳くらいでした。 いつもニコニコしていましたが、それは目つ...

天才として育つ苦悩 /ある女性の人生

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その女性に私が会ったのは、ビジネスの場でした。受付に立つ彼女は、夜逃げでもしてきたかのように荷物を持ち、汗をかいた笑顔で「よろしくお願いします」と挨拶してきました。夕美(仮名)と名乗る彼女は、名の知れた会社に勤務する研究員で、新しいビジネスモデルの提案をしにきたのです。 奇妙なプレゼン 夕美は「私は説明が下手なので、わかりにくかったら説明の途中でも質問してください」と、何度も念押ししてプレゼンを始めました。確かに彼女の話はわかりにくく、何度も質問をはさみました。しかし彼女が何度も準備を繰り返し、入念に準備してきたのは明らかで、よくできたプレゼンでもありました。なんとも変な感じでした。 準備を整えているのに、わかりにくい説明を丁寧に繰り返す様子を見ながら、私は夕美がひどく頭が悪いのではと思いました。そして彼女の提案を断りました。理由は収益化に時間がかかりすぎることと、私が務めていた会社の収益モデルにそぐわないからです。私は収益化の仕組みを簡単に説明しました。どうせわからないだろうからと、かなり省略してザッと説明する感じです。 しかしそれに対する夕美の質問は的確で、かなり核心を突いたことを聞いてきます。今度は夕美が恐ろしく賢い女性に見えてきました。提案を諦めた夕美が落ち込んでいたので、私はいくつかアドバイスして、ビジネスモデル的に合いそうな会社をいくつか勧めてみました。夕美は喜び「またお邪魔してもよろしいでしょうか?」と言うので、いつでもお電話下さいと言って別れました。 突然の来訪 ある日の朝、夕美から電話があり「本日、15時にお伺いしたいのですが、お時間ありますか?」と言ってきました。時間があるので会ってみると、夕美はいくつも面白い情報を持っていました。特に中央省庁に高校の同級生が何人もいるようで、そこから得た情報は興味深いものがいくつもありました。それからちょくちょく、夕美はやってくるようになりました。 何度も会っている中で、夕美が東京出身であること、年齢は私の10歳下であること、都内の私立大学を卒業していることがわかりました。中央省庁に友人が多いので、てっきり東大卒だと思っていたので、私立大学出身というのは少し意外でした。こうして彼女とは広範囲に情報をやり取りし、私は業界の動向を教える代わりに彼女は面白いネタを持ってくる...

護身用具の思い出 /若い頃は無茶をする

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現在、スタンガンや催涙スプレーを持ち歩いていると軽犯罪法違反で捕まるようですが、90年代前半は持ち歩く人がいました。今回の話は、その90年代前半に愛する彼女のために護身用具を買ってきた友人の安彦(仮名)の話です。当時の彼は24歳で、血気盛んでした。 不審者との遭遇 安彦の彼女のミドリ(仮名)が、仕事からの帰宅中に不審者に会いました。その男は道に立っていて、ミドリが通り過ぎると後をつけてきたそうです。気味が悪く小走りで走り出すと、男は全力で追いかけてきたので、ミドリは全力で走りました。 たまたまその日はハイヒールではなくペタッとした靴だったこと、そして彼女は大学では陸上部に所属していて走るのがとんでもなく速かったため、男を振り切りました。帰宅して親に促されて交番に行くと、この近くで背後から女性を押し倒して体を触る事件が数件発生していて、ミドリは犯人の特徴などを細かく聞かれました。 立ち上がった安彦 そんな凶悪な男が近所にいるなら、俺が送ってやると安彦は仕事を終えるとミドリと待ち合わせをして、家に送っていました。ちなみに安彦はバイカーでガテン系で、喧嘩上等のタイプです。屈強なボディガードとして、ミドリ送ります。 しかし当たり前ですが、毎日こんなことを続けるのは無理があります。互いの仕事の都合もあり、どうしても送るのが無理な日も出てきました。ミドリの父親も可能な限り一緒に帰っていましたが、それも無理がありました。 安彦が護身用具を購入 職場の先輩に相談した安彦は、催涙スプレーでも持たせたらどうだろうと言われて、早速買いに行きました。都内のその手の道具を販売する怪しげな店で、店員に細かく説明を聞きつつ最善と思われるものを買ってきました。 「東南アジア製の中には、失明する危険のあるものもありますが、アメリカ製なら大丈夫です」 「問題は飛距離です。近くから噴射するものは、自分にもかかる可能性があります」 などなどの講釈を受けて、ようやく満足のいくものを購入してきました。数千円だったそうです。ちなみに私は防犯グッズに、武器を選ぶのは良い選択だとは思いません。なぜなら奪われて、相手に使われるかもしれないからです。しかし安彦は、攻めることしか頭になかったようです。 実験 私の家で友人ら数人と飲んでいると、催涙...

女らしさを求めたF美の勘違い

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以前書いた、ガチムチのF美の話です。スポーツジムで知り合った男性と付き合い、1年でフラれた原因を考えたF美は、自分には女としての魅力が足りないからだと考えました。確かに全身が引き絞ったワイヤーのような筋肉をまとったF美に、女らしさを感じるのは難しい面があります。そしてF美は女らしさをセクシーさだと思い込みます。 前回記事: アピールポイントが胸だと言うF美の勘違い セクシーな服装 地味な性格のF美は、私と会うときはジーンズにトレーナーとかパーカーを着ていて、仕事に行くときも地味な格好だったようです。そこで20代半ばにして、初めてミニスカートに挑戦してみました。しかしジーンズばかりで過ごしてきたF美は、「かがめない」「足を開けない」「絶えず後ろが気になる」「大股で歩けない」など不満をならべ、あっさり断念します。 そこで考えたのが、夏場のショートパンツでした。ある年の夏、飲み会に現れたF美はタンクトップにショートパンツという姿で現れました。むしろホットパンツと呼ぶべき短さで、それを見た男子一同は「おお、なんか気合入ってるな!」とF美の期待とは違う言葉を口にします。 腕も足も剥き出しなのですから、その隆々とした筋肉があらわになり、威圧感が増しています。背中もタンクトップが大きくえぐれているため、筋肉が強調されています。「ねえねえ、ちょっとは女らしいかな?」と言うF美に、誰もが「男前だ」「かっこいい」「絞め殺されそう」と語り、再びF美は考え込んでしまいました。 そもそも「セクシー=肌の露出」という昭和のオヤジのような短絡的思考が問題なのです。 髪形を変えてみた なぜ肌を露出しても「男前」と言われてしまうのか?悩んだF美はボーイッシュな髪形に問題があると考えました。髪を長くしたら女らしさが増すと思い、1年かけて髪を伸ばしました。そして伸ばせば伸ばすほど髪が邪魔だと感じるようになり、ツインテールにし始めます。 翌年の夏、再び飲み会にやってきたF美は相変わらずタンクトップにホットパンツ、そしてツインテールでした。さらに1年前より筋肉は凄みをましています。 「格闘ゲームのキャラに、こういう人いるよね」 「香港映画に殺し屋で出てなかったか?」 胸元が大きく開いたタンクトップから見える胸は圧倒的な胸筋を誇示し、血管の浮いた太い腕を組む...

タキシードで大騒動 /友人Mのニューイヤー・パーティ

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友人Mは、いわゆる外資に勤めていたのですが、どういう経緯かは知りませんがニューヨークに移り住むことになりました。たまにメールでやりとりする程度の間柄だったのですが、Mからメールが来ました。「緊急事態なので、今すぐスカイプで話したい」2010年頃の12月の話です。 Mの上司が発端だった ニューヨークでの生活と仕事にも慣れ始め、年末に差し掛かる頃、上司がMに問いかけたそうです。 「ニューイヤーの準備はできてる?」 ※ニューヨークのニューイヤー・イブ なんのことかわからず尋ねると、大晦日は仕事を終えると全員着替えて、社内でニューイヤーを祝うパーティを行うのがしきたりなのだそうです。その際、男性はタキシードを着るというのです。タキシードなんか持ってないと言うと、上司は「心配ない。ここに電話すれば全て揃えてくれる。すぐに予約して、サイズを測っておくんだ」と、貸衣装屋の電話番号を渡してくれたそうです。 Mは言われるがまま電話し、仕事帰りにタキシードのサイズ合わせをし、予約を済ませました。レンタル代は日本の相場からすると格安で、タキシードを購入するにしても1万円代からあり、毎年着るならば来年は買おうかなと思いつつ帰宅したそうです。 靴の問題が発生 翌日、上司に感謝を伝えると「靴はどんなのにしたのかな?」と質問されました。Mは靴までは借りていないことを伝えると、上司は「それは問題だ」と厳しい顔で言ったそうです。すぐに電話で貸衣装屋に連絡し「昨夜行った私の部下に、靴を勧めなかったの?それは酷い手落ちだ。すぐに靴も用意してくれ」と言い、Mに「今日もう一度行って、靴も借りて来るように」と言ったそうです。 Mは再び貸衣装屋に行き、そこで勧められた靴を借りることにしました。靴は持って帰っていいと言われたので、そのまま家に持ち帰りました。しかしそれを見たMの奥さんは ※タキシード用の靴、オペラパンプス 「なにこれ?和田アキ子の靴みたいじゃない」 と大笑いしたのだそうです。不安になったMは、翌日会社にその靴を持っていき、上司に相談します。上司はニンマリ笑い「パーフェクトだ。全く問題ない」と言います。嫌な予感がしたMは同僚らにも靴を見せて質問すると、全員がニヤニヤしながら「その靴で大丈夫」と言います。なにやら疎外感を覚えたMは、...