ドイツ製品は素晴らしい /我が家のMade in Germany

ずいぶん前ですが、知り合いのアメリカ人のランディ(彼は私に多くの英語を教えてくれた)が結婚することになり、お祝いの品をみんなでプレゼントしようということになりました。コーヒー好きのランディのために、コーヒーカップかコーヒーメーカーが候補に挙がりましたが、フィアンセがドイツ人だとわかり、「食べ物の方がいい!」とアメリカ人たちが口々に言いだして和菓子の詰め合わせを送ることになりました。


そんな流れから、ふと気がつくと我が家にはかなりドイツ製品があることに気がつきました。そこで今回は、我が家にあるドイツ製品の紹介です。

ドイツ人はケチなのか?

この時に、私はわけがわからず「ドイツ人だと何か問題があるの?」と尋ねると、「ドイツ人はケチだから」とか「ドイツ人は孫の代まで使える丈夫なものしか興味がないから」などと言われました。別の機会にドイツ人と話した時にこのことを話すと「君の友人たちは、実に賢明だ」と笑いながら言われました。「ドイツ女に安物を贈ると、嫌な顔をされるだけだ」と言うのです。

ドイツ人はケチというより、丈夫で長持ちするものを厳選して買うという気質があるようです。1000円で買えて毎年買い替えるものではなく、1万円しても子供に渡せるくらい長持ちするものを好むそうです。ですから簡単に買い物はしないし、吟味に吟味を重ねるのでケチと思われるようです。そんなドイツ人の気質が生きている製品は、素晴らしいものが多いのは当然ではないでしょうか。

最初のドイツ製品

最初に触れたドイツブランドは、間違いなくニベアです。今やどこの家庭にもあるニベアですが、1911年設立の100年以上の歴史を誇る化粧品会社です。今でも冬になるとハンドクリームのお世話になていますし、私にとってスキンケア商品の中では断トツに消費が多いと思います。しかしドイツブランドであっても、ドイツ製ではありません。日本では花王との合弁会社が製造と販売をしているので、ドイツブランドの日本製品になります。




次はおそらくアディダスだと思います。小学生の頃に、アディダスのTシャツを買ってもらった記憶があります。アディダスはドイツのバイエルンに本拠地を置く総合スポーツメーカーで、日本では総合商社の兼松やデサントが輸入していました。この頃は日本で作ることはなかったはずで、おそらく初めてドイツ製に触れたのはアディダスだったと思います。Run D.M.Cの影響で、町中にアディダス製品が溢れていた頃です。

そして大学に入って、ステッドラーに出会います。建築科に通う学生なら、必ずといってよいほどステッドラーの鉛筆やシャープペンシルを勧められ、とりあえず一本は持っていると思います。私も学生時代にステッドラーのそれらの商品を購入し、使っていました。ドイツは文具大国で、数々の有名文具を出しています。消しゴムやシャープペンシルは、私の家の中に転がっています。

ドイツ製品の特長

上記のようなドイツ人気質に加え、戦前のバウハウスによるデザインの影響が強く残っています。ミニマムで必要最小限の形状をしていて、質実剛健なつくりであるモダンデザインの特徴が見られるものが多くあります。そのため人によっては面白みのないデザインであり、突飛なものや目立つものを好む人には敬遠されがちなものが多いと思います。

しかし機能美に関しては洗練されていて、好きな人にはたまらない魅力を秘めています。シンプルながら力強さを感じますし、なにより所有欲を満足させるものが多いと思います。

我が家のドイツ製品

最初に断っておきますが、ベンツやポルシェ、スタンウェイのピアノなどを紹介できたらいいのですが、我が家にそんなものがあるはずもありません。もう少し安価なものが並びます。

リモワ

19世紀から続くドイツの旅行ケースメーカーです。2代目社長のリヒャルト・モルシェックの名前を略してリモワという社名になりました。1937年から展開しているジュラルミンの旅行ケースが有名で、ルフトハンザ航空などでも使われています。

10年近く前に出張用にトローリーバッグを検討していたところ、知り合いに強く勧められてリモワのポリカーボネイト製を購入しました。当時は円高もあって、3万円ちょっとでの購入だったと思います。頑丈でスムーズに動き、買って良かったと思える商品です。私が持っているモデルは、すでに廃盤になっているみたいです。





ラミー

1930年に創業したドイツの文具メーカーで、今では最大手の1つになっています。ラミーの特徴はデザイナーを積極的に登用し、デザイン性の高い筆記具を量産したことです。軸だけでなくペン先まで自社生産することで、安定した品質を維持しています。

最初に買ったモデルは、サファリの万年筆だったと思います。サファリは1980年に発売が始まり、当初はサファリカラーとして渋い緑でした。しかし黄色などポップな色を発売すると人気が爆発し、ラミーの定番商品になりました。





ロットリング

ロットリングは1928年にハンブルクに設立したメーカーです。現在では主に設計用のペンなどが建設業界で使われています。上記のラミーのマルチペンが壊れた際に、同じものを買うつもりでしたが、ついつい手が出てしまったのがロットリングのマルチペンです。赤、青、黒のボールペンにシャープペンがついたもので、仕事用に毎日使っています。


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それからラピッドプロの芯ホルダーも使っています。シャープペンシルのようなものですが、芯の太さが鉛筆と同じ2mmサイズのものです。絵を描いたり図面をチェックする際に使っています。適度な重量感があってバランスも良く、とても使いやすい芯ホルダーです。





ジン

仕事を始めて初任給は親に贈ったので、初ボーナスは自分のための記念品に使うと決めていました。わずか7万円のボーナスを握りしめて街を歩くと、当時の定価9万円のジン103Bが2割引きの7.2万円で売られていたので、これは出会いだと思って購入しました。ドイツのパイロット用の時計で、当時のジンは時計ではなく計測機器として販売していました。

購入してから25年以上経ちますが、今でも現役で使っています。最近の時計の値上がりは著しく、今ではとても購入できません。




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ペリカン

初めて買った本格的な万年筆です。最初はトラディショナルというモデルで、初めての金のペン先を体験しました。それからスーベレンシリーズを何本か購入し、仕事にもプライベートにも使っています。ドイツの伝統的な文具ブランドで、今では信じられませんが、モンブランよりも高値で売られていた時代もありました。書き味を求めるなら、モンブランよりも気持ち良いブランドです。





メルクール

以前にも紹介したシェーバーです。抜群の切れ味に加えて、コストが安く済むので気に入っています。もう他のシェーバーを買うことはないだろうと思うほど気に入っていて、旅行する際にも持ち運んでいます。電気シェーバーよりも深く剃れてコストも安く、メンテナンスも簡単なので私にとっては最も優れたシェーバーです。




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ビルケンシュトック

言わずと知れたサンダルのメーカーです。現存する最古の靴メーカーで、その履きやすさは今でも最高峰の部類に入ります。以前はセールで数千円で買えたのですが、ブランド化を明確にしてからは安売りも少なくなりました。サンダルなのに足に吸い付くような感覚は、他ではなかなか味わえません。




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エッシェンバッハ

最初に買ったのは、老眼に悩む父へのプレゼントでした。明るいレンズで歪が少なく、ルーペとして高い人気を誇るドイツの老舗です。BBCのドラマ「シャーロック」で、シャーロック・ホームズが使っていることでも有名です。




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ホーナー

ハーモニカと同じような形状ですが、こちらはブルースハープと呼ばれるものです。3つの穴を吹くか吸うかすれば和音になるようになっていて、ハーモニカよりも簡単に習得することができます。例えばキーがCのブルースハープを端から吹いていくと「ドミソドミソドミソド」となり、適当に3つを吹いても「ドミソ」のCコードが吹けるのです。反対に3つを吸うと「レソシ」になり、Gコードになります。

複数のメーカーからブルースハープが出ていますが、ホーナーは代表的なブランドで日本でも多く使われています。ちなみに私は20年以上吹いていないので、吹けるかどうか怪しいです。




まとめ

実際にドイツに住むと、大量に安かろう悪かろうの商品が並んでいるそうです。それは伝統的に価格が上がっても良いものが欲しいと考えたドイツ人気質に加え、世界的企業になるために付加価値をつけて売り出しているので値引きの対象にならない製品が多いため、その反動で安価なものがドイツ国内には流通していると思われます。

私は特にドイツ製品を好むわけでもなく、あれこれ良いものを探していたらドイツ製が家の中に多いことに気が付きました。私はシンプルなデザインが好きなので、ドイツ製品が多く集まったようにも思いますし、全くの偶然のようにも思います。ドイツ製品はニベアやアディダスのように、日本の日常生活に溶け込んでいるものも多いので、皆さんの家にも思いのほかドイツ製品があるかもしれませんよ。

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