メルクールのシェーバー /切れ味最高のT字カミソリ

みなさんは髭剃りにどんなカミソリを使っていますか?電気シェーバーや5枚刃のT字カミソリなど、さまざまな好みがあると思います。私は肌が極端に弱いので簡単にカミソリ負けをしてしまうので、あれこれ沢山のカミソリを試しました。そこで行き着いたのが、ドイツ、ゾーリンゲンで作られているメルクールのシェーバーでした。





安全剃刀の歴史

現在の床屋さんでも使われる直刃のカミソリに代わる安全剃刀の元祖は、18世紀末にフランスで発明されます。それが試行錯誤で改良を繰り返し、現在のT字カミソリの原型は、アメリカ人の発明家にって作られました。

1871年のシカゴ大火で全財産が灰になったキング・キャンプ・ジレットがセールスマンをしていた時に、上司から「使い捨て品を発明すれば大儲けできる」と言われました。その上司はビール瓶の王冠の特許で富を成していたので、ジレットも同様に使い捨て品を考えるようになります。試行錯誤を繰り返した末、ジレットはカミソリを使い捨てにすることを思いつきました。機械工とともに改良を重ねて、1901年に会社を設立して特許を取得しました。これが今日のジレット社です。



※ジレットの特許



私のカミソリ遍歴

最初に使ったのは父親が愛用していた、2枚刃の安全剃刀を譲り受けて使っていました。2枚刃なら1枚刃に比べて肌荒れやカミソリ負けをしにくいという話でしたが、体調が悪いとカミソリ負けすることもありました。そこで父の勧めで、国産メーカーの電気シェーバーを買いました。しかし電気シェーバーだと深剃りが出来ず、深剃りしたくて強く肌に当てるとカミソリ負けをしてしまいました。

そこで勧められたのがフィリップスの電気シェーバーで、最も肌に優しいと言われていました。しかし剃りが甘く、どうもしっくりきません。私は髭が伸びると、カミソリで切られた鋭利な毛先が肌を傷つけて真っ赤になるので、深剃り出来て肌に優しいカミソリを求めていました。そんな時にジレットが3枚刃を発売し、肌が荒れないとのことなので購入することにしましたが、やはり体調によってはカミソリ負けをしてしまいます。そんな話をすると、理容師の方からメルクールを勧められました。それ以来、メルクールを使い続けています。



メルクールの特徴

ズッシリとした重さがあります。シェーバーにはある程度の重さが重要で、軽いシェーバーは必要以上に力を入れて肌に押し当てやすくなるからです。私のカミソリ負けの一因はこれだったようで、力を抜いてシェーバーの重さで剃るのが大事だということでした。


※私物のメルクール23C


カミソリの切れ味は抜群です。ヒゲでも吹出物でもスパッと切り取れる切れ味で、慣れない間は顔を血だらけにしたこともあります。替え刃によって多少の当たり外れはありますが、大抵の場合は切れ味が良いです。よく切れるということは無理な力を使わずに済むので、肌が荒れにくいのです。

そしてランニングコストが安く済みます。T字カミソリの刃は、早い人で2週間程度で切れ味が悪くなります。私は髭が薄いので1ヶ月はもっていました。しかしメルクールは両刃なので、交互に使えば単純に2倍持ちます。

ジレットの5枚刃の価格をアマゾンで調べると、4個入りで1500円します。私は1ヶ月で1個消費するので、1ヶ月あたり400円弱になります。メルクールの替え刃は、10枚入りで1000円程度で買えます。さらにメルクールの両刃だと2ヶ月くらい私は使えるので、1ヶ月あたり50円程度で済みます。ジレットと違って使うのにちょっとしたコツが必要ですが、それに慣れて仕舞えば、とても経済的なカミソリになります。


※3つのパーツに分解できます。中が少し錆びてますね。


ホルダーはジレットよりメルクールの方が高価ですが、替え刃が安いので1年も使えば元が取れてしまいます。さらに一度買ったホルダーは、とんでもなく長持ちします。私が8年前に買ったホルダーは、あと10年くらいは普通に使えそうで、コストパフォーマンスの高さが伺えます。



なぜメルクールは普及しないのか

このようにメルクールは優れたシェーバーですが、使っている人が少ないのが現実です。最大の理由は、他のT字カミソリに比べて取り扱いに注意が必要だからです。慣れないうちは肌を切ってしまい、血だらけになることがあります。また常に正しい角度で肌に当てないと、切れにくいカミソリに変貌します。

5枚刃のシェーバーは、これらの弱点を補っています。ヒゲを剃るのは最初の刃で、2枚目も多少は剃るかもしれませんが、後の刃はほとんどヒゲを剃っていません。しかし5枚も刃を設置することでヘッドが大きくなり、ヘッドの面を肌に当てるだけで正しい角度で剃ることができるのです。それならカミソリを何枚も並べずにヘッドだけ大きくすれば良いのですが、それでは価格を上げられないので、5枚も刃を並べているわけです。

メルクールは首を振りませんし、肌への設置面積が少ないので、慣れが必要です。1週間も使い続けると適切な角度がわかるようになりますが、最初にあまり切れないと悪印象が残るようです。使い続けている私は、寝ぼけてようが鏡がなかろうが、サッと剃れるようになりました。


カミソリ負けがなくなった

蒸しタオルを使ったりして、毛穴を十分に開かせてから剃るようにしたこともあり、カミソリ負けはなくなりました。無駄な力を使わずに軽く撫でるだけで剃れるので、肌への負担が減ったのも大きいようです。私は出張などの際にも、必ずメルクールを持っていきます。ホテル備え付けのシェーバーは、切れ味が悪くてヒリヒリしますからね。


メルクールの各モデル紹介

メルクール23C
私が使っているモデルで、シリーズの中では比較的安価です。シリーズ中、柄の長さが最も長いので、私はこれに決めました。上記の写真のように3ピース構造です。




メルクール334C
恐らく日本では最も人気があるモデルではないでしょうか。333Cとほぼ同形状なのですが、3ピース構造の333Cに対して2ピース構造になっています。ここら辺りは好みで選んで良いと思います。メルクール初心者にも、よくお勧めされています。




メルクール337C
スラントと呼ばれるヘッドが斜めになっているので、肌にカミソリを当てる角度が自然で剃りやすいと評判です。





メルクール700
近未来的なデザインで、刃の角度調整ができるのが最大の特徴です。


まとめ

肌が弱い人には、慣れれば最高のシェーバーになります。またコストを考えると、ホルダーが少々高いものの、長く使えばとても安価なカミソリです。慣れるまでが少し大変ですが、1週間も使えば慣れてしまうので、思い切って試してみれば手放せなくなります。カミソリ負けに悩む人は、ぜひ検討に加えてみてください。

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