子供のための歴史講座05:エカチェリーナ2世

注)この記事は以前のブログの転載記事です。

いや~乱世乱世。時は18世紀、場所はロシア。エカチェリーナ皇后は男物の軍服を着て馬に跨り、旦那の皇帝ピョートル3世を相手に戦闘を開始した。壮大な夫婦喧嘩の始まりだ。そしてエカチェリーナが勝利した。女は強しだぁあああ!



ロシアの歴史には、エカチェリーナ1世と2世が出てくる。同じ名前だが全くキャラが違うので、間違えないように。例えるなら1世はシンデレラのような人で、2世は大阪のおばちゃんだ。

娘「今日はどっちの話なの?」

大阪のおばちゃんの方だ。ピョートル3世との夫婦ゲンカに勝利したエカチェリーナおばちゃんは、旦那を牢屋に入れてしまう。牢屋でピョートル3世は何者かに殺されてしまった。そこで「ウチの人、痔が酷くて死んだんです」と発表する。

娘「??痔で死ぬの?」

死なないよね。しかし世界中から失笑を買うことには成功した。それだけピョートル3世は嫌われていたんだね。

娘「なんで嫌われたの?」

ピョートル3世は皇帝になると、7年間続いている戦争を終わらせて、敵のドイツに領土を譲ってしまった。これにみんなが怒ったんだ。大勢の犠牲者が出た戦争なのに、簡単に領土を渡すなってね。しかも皇帝は大のドイツ好きで、軍服も何も全てドイツ式に変えてしまった。

娘「んー、怒られそう」

だからエカチェリーナおばちゃんは、旦那とケンカするのに「ロシアの緑の軍服持ってきてや!ウチが着るで」って言って、男物の軍服を着て馬に跨って頑張った。そして旦那を追い出したけど、エカチェリーナ2世はドイツ人だからロシア国内の人気は低かった。ドイツかぶれの皇帝を追い出したのが、ドイツ人の奥さんなんだから嫌になっちゃうよね。しかもエカチェリーナおばちゃんは、啓蒙思想の持ち主だった。

※緑のロシア軍服をまとったエカチェリーナ2世

娘「何それ?」

簡単に言うと、偉い人が教えてあげるやり方だね。「ウチが何でも教えたるでー。何でも聞いてや」って感じだ。

娘「なんか嫌われそう」

ハッキリ言って、最初は人気がなかった。だけど勇ましいエカチェリーナおばちゃんは「ケンカは買うたるで。かかって来いや!」のケンカ上等の人で、そしてケンカに強かった。次々に戦争に勝って領土を広げて人気者になるんだ。例えば2度の露土戦争に勝利して、ウクライナの大部分を併合した。

さらによその国のことにも口を出す。ポーランドに行って「あんたらは、こっちに住みや」「ウチが口聞いたるから、黙ってこっちに行っときや」と、ポーランド分割を主導して王位継承にまで口を挟んだ。

娘「この人、ちょっと苦手かも」

しかし、こういう行動力と厚かましさがないと決まらない事もあるんだ。そしてさらに付け足すと、イケメンが好きで愛人をズラッと揃えていた。

娘「もう無理、この人」

イケメンを取っ替え引っ替えしてたけど、ポチョムキン公爵を本気で好きになってしまう。ポチョムキン公爵に振り向いてもらえないおばちゃんは、お手紙を送る。自分がつきあった男を全部書いて反省して、それでもあなたが必要なんですと、浪花節のラブレターだ。そしてポチョムキン公爵は、めでたくおばちゃんの愛人になる。

娘「わけがわからなくて、もう限界」

こんな濃い口のエカチェリーナおばちゃんは、ロシア帝国最強の女帝として、歴史に名を刻んだのだ。母親に「ブス」と言われ続けて嫌われたエカチェリーナには、凄みを感じるね。

娘「おそロシア・・・」



関連記事

コメント

このブログの人気の投稿

アイルトン・セナはなぜ死んだのか

バンドの人間関係か戦略か /バンドメイドの不仲説

鴨川つばめという漫画界の闇 /マカロニほうれん荘の革命

はじめの一歩のボクシング技は本当に存在するのか?

私が見た最悪のボクシング /ジェラルド・マクレランの悲劇