子供のための歴史講座02:怪僧ラスプーチン

注)この記事は以前のブログの転載記事です。

やあ〜乱世乱世。時は20世紀初頭、場所はロシア。ラスプーチンという男が、キリスト教の巡礼の旅を行っていた。彼は祈りによって病気を治し、信者を増やしていた。やがてその不思議な力は、神秘主義が流行っていたロシアで評判を呼び、貴族たちからも声を掛けられるようになった。
※見た目からして怪しいラスプーチン


娘「お祈りで、病気が治るってマジか?」

これは諸説あるけど、治療じゃなくて催眠術だったと言われている。患者に治った気にさせていたんだね。それと当時はまだ珍しかった、アスピリンという痛み止めも併用していたらしい。そんなラスプーチンが評判になり、とうとうロシア皇帝のニコライ二世に呼ばれる。
※ニコライ二世の写真

ニコライ二世の息子、アレクセイ皇太子は重い病気に苦しんでいた。ラスプーチンが祈りを捧げると、次の日には発作が治まって症状が和らいだから皇帝夫婦は大感激した。ラスプーチン、君は本当の友達だ!ってなったんだ。

娘「怪しいなー」

そう、皇帝の側近達も医者達も怪しいと思った。しかし皇帝ニコライ二世とアレクサンドラ皇后は、ラスプーチンに夢中になってしまう。そして側近達も皇帝には簡単に会えないのに、ラスプーチンだけはいつでも会えるようになった。これがさらに周囲をイライラさせる。

ラスプーチンの人気は宮殿内にも広まり、女性達はラスプーチンに会うとアンアン喜んでいた。そうやって熱心な信者を貴族の中に大量に増やしていったんだ。

娘「このキモい顔で、女の人の人気者?」



顔がキモくても、女性がアンアン夢中になる男もいるんだ。大人になったらわかるから、いまは理解しなくていいぞ!とにかくラスプーチンの周りは女の人だらけだった。おまけにニコライ二世に、政治の進言までしだした。そんな時に、寝ていたラスプーチンは、お腹を剣で刺される事件が起こる。暗殺未遂だ。

娘「お腹を刺されて死ななかったの?」

死なないんだ。お腹を刺されたまま反撃して、暗殺者を追い払った。犯人は逮捕されて、精神病院に入れられた。ここら辺りから、さらにラスプーチンの発言力が強くなり、ニコライ二世はラスプーチンの言いなりになっていると心配する人もいた。

特に第一次世界大戦に参加しないようにラスプーチンは言うんだけど、ニコライ二世はすぐに終わる戦争だと言って参戦してしまった。そして泥沼の戦争になってしまった。これでニコライ二世は、ラスプーチンのことをさらに信頼するようになるんだ。

娘「あの顔で平和な人なんだ」

少しずつ教えるけど、戦争を始める人が戦争好きで、反対する人が平和主義とは限らないんだ。戦争はお金がいっぱい動くからね。ただラスプーチンの本音はわからないけど、ニコライ二世はラスプーチンの言うことを聞いておけばよかったって思ったんだ。

ラスプーチンが人事にまで口を出すようになって、怒った人達がラスプーチン暗殺を決める。まず「私の美人の妻に会わせますよ」と言って呼び出して、青酸カリ入りの紅茶を飲ませた。

娘「それはムゴイ」

ところがなーにも変化が起こらない。そこでワインで酔い潰して、大型の拳銃で2発撃った。ところがラスプーチンは飛び起きて、逃げ出した。撃った方も驚いて逃げ出した。

娘「これ、実話なの?」

コントみたいだけど、記録にそう書かれている。仲間が駆けつけて、ラスプーチンをぶん殴って、拳銃で頭を撃って、ようやく息が絶えた。そして簀巻きにして、川に放り込んだ。実は川に放り込まれた時は生きていて、死因は溺死だったとか、いろいろ伝説がある。

ラスプーチンは暗殺されたけど、ゴタゴタしたロシアはこの後崩壊してしまうのだ。

娘「何から何まで怪しい人だね」

そう、だから怪僧と呼ばれたんだ。要するに、女性にモテすぎの男には気をつけろって話だな。

娘「・・・」



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