オフサイドってなんなんだ?

※この記事は2016年4月10日に、前のブログに書いた記事の転載です。

同じフットボールでありながら、サッカーとラグビーは全く違いますよね。この2つを決定的に分けている要素は、まず手が使えるかどうかです。さてもう1つあるのですが、なんでしょう?



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これが分かると、オフサイドというややこしいルールが違って見えてくると思います。サッカーとラグビーを分ける決定的要素の2つ目は、前にパスを出せるかどうかです。この2点に比べたら、ボールの形状やチームの人数が多いなどは些細な違いに思えてきます。サッカーが前にパスを出して良いと決めた時から、両者は全く違ったものになります。

※サッカーのオフサイド

18世紀のイギリスで、フットボールは村ごとにルールが違っていましたが、統一のルールを作ろうとなった時に、ラグビー校らの手を使うフットボールとイートン校の手を使わないルールが対立します。しかしそれ以外のルールはほとんどまとまり、両校ともボールとゴールの間にいる選手は、プレイに関与してはならないと定めています。



つまり前にパスすることは、ラグビーもサッカーもダメだったんです。これが当時のオフサイドですね。サッカーもラグビーのようにボールを中心に団子になって、横か後ろにボールを足で出して、繋いでボールを運んでいたのです。まさに手を使うか使わないかだけの違いです。

ところが1866年に、サッカーは前にパスを出すことを条件付きで認めます。その条件とは、ボールとゴールの間に、3人以上の選手がいることです。ここでサッカーにおけるオフサイドは、ボールとゴールの間の選手が2人以下の時にパスを出すことを指すようになります。そして前にパスを出せるようになったサッカーは、ラグビーとは全く違うゲーム展開になっていきます。



以降、サッカーのオフサイドはルール改定が何度か行われますが、前にパスを出せるようになったことでパスの有効性が飛躍的に高まり、肉弾戦が減少し、守備専門のディフェンダーと呼ばれるポジションを生みます。

ちなみにアメリカで発展したアメリカン・フットボールにもオフサイドはありますが、ディフェンス側のある条件下のみで適用される限定的なルールです。バスケットボールに至っては、オフサイドが存在しません。アメリカで近代ルールが確立したスポーツは、オフサイドを嫌うようです。

ここに英米の文化の違いが出ているように思います。


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