世界一切れる包丁 /ボブ・クレーマーとは
先日、テレビ番組「でんじろうのTHE実験」で、世界一切れる包丁としてボブ・クレーマーの包丁で実験をしていました。クルミやヤシの実、ダチョウの卵に鰹節まであっさり切断する様子はさすがといったところで、最後に鉄パイプに挑戦して、これはさすがに切れないというオチがついていました。このボブ・クレーマーですが、少しややこしいブランドなので解説してみたいと思います。
1998年、クレーマー氏の記事が注目されると注文が殺到するようになります。4年分ものオーダーを抱える状態が10年以上続き、クレーマー氏は人気のナイフビルダーになりました。特にキッチンナイフの評価が高く、多くの料理人に支持されています。現在、ボブ・クレーマーのナイフは殺到する注文を制限するため、事前に会員登録した人だけが参加できるオークションで販売されています。そのため日本で持っている人はほとんどおらず、たまにeBayなどの誰もが参加できるオークションで見つけて手に入れるくらいです。

ボブ・クレーマーとは
シアトルで10年以上シェフを務めてきたボブ・クレーマー氏は、ナイフの勉強のためにアメリカ各地を旅行しました。そしてシアトルに戻ると、刃物の専門学校でナイフ作りを学びました。彼は数年かけてさまざまなナイフの製作法を学ぶと、ボウイナイフを製作してマスターの称号を得ました。その時に食品業界の友人に勧められ、雑誌にプロフィール記事を掲載しました。1998年、クレーマー氏の記事が注目されると注文が殺到するようになります。4年分ものオーダーを抱える状態が10年以上続き、クレーマー氏は人気のナイフビルダーになりました。特にキッチンナイフの評価が高く、多くの料理人に支持されています。現在、ボブ・クレーマーのナイフは殺到する注文を制限するため、事前に会員登録した人だけが参加できるオークションで販売されています。そのため日本で持っている人はほとんどおらず、たまにeBayなどの誰もが参加できるオークションで見つけて手に入れるくらいです。

eBayで見られるボブ・クレーマーの包丁は、15万円から60万円くらいで、日本でも買う人は料理人のようです。使ったことがある人に感想を聞いたことがありますが、人間工学に基づいてバランスが良く、その切れ味は魔法のようだと言っていました。日本の高級包丁に比べて、肉を切った時の気持ち良さは別格だそうです。
ボブ・クレーマーの公式サイト
ハンドメイドで大人気になり、多くの人が求めるのに入手が困難になってしまい、ライセンス契約で工場で大量生産されたものを販売するのは、婦人靴のルブタンなどにも見られる今日ではよくある販売手法です。ルブタンはオーダーメイドの婦人靴で、一足一足をハンドメイドで作っており、今でも1年以上のオーダー待ちが続いています。そこで工場で大量生産した靴をルブタンの名前で安価(といっても我々には高価)に販売することにしました。デパートやショップで売られているルブタンは、全てこの大量生産品になります。
包丁に話を戻すと、上記の本家ボブ・クレーマーを使ったことがある人によるとヘンケルスのクレーマーは全くの別物だそうで、ボブ・クレーマーらしさがどこにも見当たらないと言っていました。ではこの包丁は大したことないかと言うと、かなり素晴らしい包丁だそうで、家庭で使う包丁としてみれば最上位になるそうです。
包丁の切れ味は研ぎ方で決まりますが、硬い鋼材であればより切れる包丁にすることができます。しかし鋼材を硬くすればするほど折れやすくなり、粘り強さがないと使い物にならなくなります。ここら辺りのバランスが、各メーカーの考え方や腕の見せ所にもなっています。ヘンケルスのボブ・クレーマーは、そのバランスが良いことで評判になっています。切れ味に関しては、以下の動画を見れば一目瞭然だと思います。
ちなみに、おそらく普通の砥石で研ぐことは困難だと思われます。砥石より包丁が硬いため、砥石が削れるだけになると思われるからです。自分で研ぐ場合はダイアモンド砥石を利用するか、専門の研ぎ屋さんに任せるのが良いでしょう(硬いので断る研ぎ屋もいると思います)。
またボブ・クレーマーは、日本の包丁に比べて柄が太いと言われます。そのため手の大きさによっては、繊細な使い方ができない人もいるようです。一方でカボチャなどの固いものを着る際には太い柄なので力が入りやすく、スパスパ切れると好評です。全ての道具について言えることですが、用途によって向き不向きがあるので、それに合った使い方をして快適に使えるということだと思います。
ボブ・クレーマーの公式サイト
ネットでよく見るボブ・クレーマーとは
上記のように、圧倒的な好評価を得ているボブ・クレーマーのライセンス商品が、ネットで見かけるボブ・クレーマーです。本家と違いマイスターの手作業で作られているのではなく、工場で大量生産されています。ドイツのツヴィリング・J.A.・ヘンケルスがライセンスを取得し、日本の岐阜県関市にある工場で製造されています。アメリカのブランドで、販売がドイツのメーカーで、メイド・イン・ジャパンというのは、ちょっとわかりにくいですね。ハンドメイドで大人気になり、多くの人が求めるのに入手が困難になってしまい、ライセンス契約で工場で大量生産されたものを販売するのは、婦人靴のルブタンなどにも見られる今日ではよくある販売手法です。ルブタンはオーダーメイドの婦人靴で、一足一足をハンドメイドで作っており、今でも1年以上のオーダー待ちが続いています。そこで工場で大量生産した靴をルブタンの名前で安価(といっても我々には高価)に販売することにしました。デパートやショップで売られているルブタンは、全てこの大量生産品になります。
包丁に話を戻すと、上記の本家ボブ・クレーマーを使ったことがある人によるとヘンケルスのクレーマーは全くの別物だそうで、ボブ・クレーマーらしさがどこにも見当たらないと言っていました。ではこの包丁は大したことないかと言うと、かなり素晴らしい包丁だそうで、家庭で使う包丁としてみれば最上位になるそうです。
どんな包丁なのか
鋼材は粉末鋼材を使用していて、ヘンケルスがMC63と呼んでいる独自鋼材のようです。ナイフ鋼材の硬度はHRCという値で示されますが、MC63の硬度はHRC63だそうで、これはかなり硬い鋼材に分類されます。世界一硬いと言われている鋼材がHRC67とか8ですし、一般的な包丁だと50代の鋼材が多いので、その硬さが分かると思います。包丁の切れ味は研ぎ方で決まりますが、硬い鋼材であればより切れる包丁にすることができます。しかし鋼材を硬くすればするほど折れやすくなり、粘り強さがないと使い物にならなくなります。ここら辺りのバランスが、各メーカーの考え方や腕の見せ所にもなっています。ヘンケルスのボブ・クレーマーは、そのバランスが良いことで評判になっています。切れ味に関しては、以下の動画を見れば一目瞭然だと思います。
ちなみに、おそらく普通の砥石で研ぐことは困難だと思われます。砥石より包丁が硬いため、砥石が削れるだけになると思われるからです。自分で研ぐ場合はダイアモンド砥石を利用するか、専門の研ぎ屋さんに任せるのが良いでしょう(硬いので断る研ぎ屋もいると思います)。
特徴
ダマスカス鋼を使った、独特の模様が特徴です。ダマスカス鋼とは、シリアのダマスカスで多く発見されたウーツ鋼と呼ばれる木目状の模様が入った刀剣の鋼材で、18世紀から19世紀まで作られていました。この美しい模様のある刀剣を再現する試みは何度も行われましたが、現在まで再現できたことはありません。現在のダマスカス鋼は、異種金属を積層させて似た模様を作ったり、レーザーなどで模様を入れたダマスカス風鋼材で、切れ味や強度にはほとんど影響を与えていません。またボブ・クレーマーは、日本の包丁に比べて柄が太いと言われます。そのため手の大きさによっては、繊細な使い方ができない人もいるようです。一方でカボチャなどの固いものを着る際には太い柄なので力が入りやすく、スパスパ切れると好評です。全ての道具について言えることですが、用途によって向き不向きがあるので、それに合った使い方をして快適に使えるということだと思います。
種類
三徳包丁
日本の菜切包丁と西洋の牛刀の良い所を合わせて作られたのが三徳包丁です。これ一本で、家庭での調理なら大抵のことができるので、多くの家庭に一本はある包丁です。ボブ・クレーマーを試すなら、これから始めるのが良いかもしれません。リンクの商品はボブ・クレーマーの三徳包丁として、メディアなどでよく紹介されているものです。日本の三徳包丁より少し刃渡りが長いので、力を入れやすいと評判です。牛刀
シェフナイフとも呼ばれる包丁で、欧米では肉切り専用ではなく万能包丁として使われています。三徳包丁より刃渡りが長いので、太い柄と合わせて使いにくいという女性の声も聞きます。三徳包丁も牛刀もマルチに料理に使えますが、普段する料理の種類や体格、手の大きさで選んではいかがでしょうか。|
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ペティナイフ
ヘンケルスではパーリングナイフと呼んでいますが、切るというより皮を剥いたり削ったりするナイフです。日本では果物ナイフと呼んだりしています。果実にスッと刃が入っていくので、無理なくキレイに皮が剥けると好評です。ちょっとした料理ならこれ一本で済ますこともできるので、この中では安価なパーリングナイフから買ってみるのも良いかもしれません。|
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