下北沢ダイハード /小劇場の異才たち

2017年にテレ東深夜枠で放送された「下北沢ダイハード」が、CSのファミリー劇場でまとめて放送していたので、なんとなく見てみました。これ、最高に面白いです!第5話まで見たので、それまでの感想をまとめました。





ドラマの概要

下北沢の小劇場で活躍する11人の作家が書き下ろした11の物語を、1話完結型で放送します。スナックのママを演じる小池栄子が、常連客の古田新太に下北沢で起こった事件を聞くというスタイルがとられ、2人はあくまでガイド役で物語には絡みません。


「裸で誘拐された男」

この第1話がつまらなかったら、多分続きは見てなかったと思います。SMが趣味で家庭を顧みない政治家を神保悟志さんが演じますが、設定には意外性もなく普通です。


※女王様役の柳ゆり菜さんと、政治家役の神保悟志さん

女王様に全裸でスーツケースに入れられ、下北沢の街中に連れ出されて興奮しているところに、間違えてスーツケースを持っていかれます。着いたところは誘拐の身代金受け取りの場で、スーツケースの中には1億円ではなく自分だと焦る神保さんが面白いですね。

神保さんの奥さん役が高橋ひとみさんで、とても良いアクセントになっています。誘拐事件は意外な方向に進み、最後はなんだか家族愛の良い話になっているのが笑えました。


※高島ひとみさん

「違法風俗店の男」

主演が光石研さんというのが、もう絶妙なチョイスです。舞台公演の前に空いた時間を潰すため、恐る恐る風俗店に入った光石さんですが、警察の手入れがあって舞台に間に合わないと焦ります。


※川栄李奈さんと光石研さん

絶えずテンパる光石さんを、さらに面白くするのが風俗嬢役の元AKB48川栄李奈さんと、ロバート秋山さんです。ロバート秋山さんが素で演じたというトボけ具合と、光石さんのキレ気味の演技が笑えました。

「夫が女装する女」

銀行員の夫は女装癖がある。そんな悩みを抱えた主婦を麻生久美子さんが演じます。落ち着いた雰囲気の美人奥さん役に麻生さんはピッタリで、その麻生さんが焦ってテンパる姿は笑えます。

※麻生久美子さん

誤魔化すために変なテンションでバタバタする麻生さんに対し、マイペースの女装旦那を演じるのは野間口徹さんです。そしてなぜか野間口さんが可愛く見えるのが不思議です。

妻の夫への無理解などがわかり、女装話なのに何だか良い話で終わります。




「夜逃げする女」

わずか数百メートルの逃避行をするのは、緒川たまきさん演じる類(るい)と、酒井若菜さん演じる照美(てるみ)です。そう、女2人の逃避行を描いた映画「テルマ&ルイーズ」から役名がついたのは間違いありません。

※酒井若菜さんと緒川たまきさん

衝撃的なオープニングから、女2人の逃避行が始まりますが、常にドタバタで締まりがありません。そんな中でも女の友情をしっかり描いているのは見事です。酒井若菜さんの可愛らしいけど芯が強そうな目は、この役にピッタリでした。

「最高のS●Xをする女」

夏菜さんという女優に注目したことはなく、CMでよく見かける女優さんという意識しかありませんでした。しかしこれを見て、夏菜さんが出ている映画やドラマをチェックしようという気持ちになりました。

※夏菜さん

バンドを辞めて就職し、彼氏との同棲のアパート代も出している夏菜さん演じる麻子は、ついに彼氏の孝治の曲がテレ東深夜ドラマのエンディングに使われてご満悦です。しかし孝治の浮気が発覚して、一生忘れられないセッ〇スの思い出を孝治に植え付けてから捨てようと決心します。

残念な女っぷりとドキッとする可愛らしさが次々に現れては消える役柄を、夏菜さんはそつなく演じています。そこに絡んでくる隣人を演じる榎本時生さんは、面倒くさい男を相変わらずの安定感で演じていました。

※榎本時生さん

アパートの一室で起こる物語で下北沢とは何の関係もない話かと思っていたら、ラストに夏菜さんがアパートを出るとそこは下北沢です。晴れ晴れとした気持ちでさっそうと下北沢を歩く夏奈さんの後姿は格好良く、見ようによっては孝治を誘惑していた時よりも色っぽく見えます。夏奈さんの演技力が光り、面白おかしくも爽快な気分で終わる物語でした。

まとめ

とりあえず5話まで見たのですが、かなり楽しめました。残り6話も楽しみにしたいと思います。

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