狂気からコメディまで 木南晴夏の振り幅
女優の木南晴夏は、「ドラマでよく見るけど名前がわからない女優」として知られています。しかし近年は映画やドラマでも主演を務めるようになり、徐々に名前が知られてきました。高い演技力でバイプレイヤーとしての評価を高めてきた木南晴夏は、狂気を含んだ役を演じさせたら今やトップクラスの女優です。
アイドルだった
姉と宝塚歌劇団に憧れ、「ベルサイユのばら」ごっこをしていた木南晴夏は、高校生の時に「夏の高校野球PR女子高生」に応募して選ばれます。そのままホリプロのオーディションでグランプリを受賞し、アイドルとしてデビューしました。木南晴夏の幼馴染の相武紗季も、木南を追うように翌年の「夏の高校野球PR女子高生」に応募し、そのまま芸能界デビューをしています。
木南晴夏はあびる優、酒井彩名とともにLiccaというアイドルユニットで、約1年間活動しています。しかしこの活動は、決して成功といえるものではありませんでした。
女優に転身
日本テレビのバラエティ番組「不幸の法則」の再現ドラマに出演します。この再現ドラマで高い演技力を発揮し、女優としての評価を少しずつ得ることになります。そして映画「20世紀少年」に、小泉響子役で出演が決まります。監督、関係者に「マンガと瓜二つで驚いた」と言わしめ、映画を見た人たちからも「マンガから抜け出てきたよう」と評判になります。
「20世紀少年」以降、ドラマや映画の仕事などが増えていきます。
勇者ヨシヒコで深夜の人気者に
このシリーズでムロツヨシから「ムネタイラ」「タイラムネ」と呼ばれ続けたことから、以降もペチャパイキャラが定着しています。このシリーズの成功は、木南晴夏がコメディを演じることができるというだけでなく、アドリブ演技、歌と踊りなどが高いレベルでできることを印象付けました。
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※猪木のモノマネもやります |
「昼顔」の悪女と「せいせいするほど~」の戦慄
上戸彩主演の昼ドラ「昼顔」は、夫が留守の昼間に不倫を重ねる悪妻を上戸彩が演じて話題になりました。木南晴夏は上戸彩の夫を誘惑する部下の役でした。誘惑するだけ誘惑して、夫の気が向いたら飽きたように放り出す悪女ぶりが視聴者に強烈な印象を残しました。
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※「昼顔」の木南晴夏 |
ドラマ「せいせいするほど、愛してる」も不倫を題材にしたドラマで、夫を愛しすぎて狂気に走る妻を演じました。優しい笑顔に目だけが笑っていない表情は強烈な印象を残し、「この泥棒ネコ!」「メス豚!」と言ったセリフや、ナイフを振り回して暴れる姿に視聴者からは「夢に出てきそうなくらい怖い」と言われました。このドラマの演技は関係者からも高く評価され、名バイプレイヤーとしての地位を確立していきました。
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※ナイフを振り回し、狂気に満ちた演技で話題になります。 |
まとめ
三白眼でしかも猫目という、目が印象的な女優です。目で表情を語ることができるので、その特徴的な目が見る者に強烈な印象を残します。最近はテレビや映画で主演も果たしていますが、バイプレイヤーとして物語りを揺さぶる役でインパクトを与えています。そして薄顔のため、役によってメイクと表情でどんどん顔を変えていく変幻自在さがあります。そのためネットでは「可愛いのかブスなのか」と、失礼な議論がたびたび起こっています。
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※浜田岳と共演したCMで見せた冷たい笑みも好評でした。 |
とにかく器用な女優で「勇者ヨシヒコ」では歌も披露しますが、ミュージカル風の撮影ではミュージカル女優のように、アイドル歌手に扮した時は少しだけ音程を外してアイドルっぽくに歌っていました。語学も堪能でNHKの「マッサン」では亀山エマ(主人公、亀山正春の長女)を演じ、英語で演技をこなしていましたし、韓国語のレベルも高く「本当は韓国人なのでは?」と噂がたったことがあります。
現在の日本の女優の中で、狂気を秘めた役をやらせたらトップクラスの女優ですが、それだけに留まらずコメディでも笑わせる演技力を持っているのが彼女の魅力です。今後もさまざまな映画、ドラマで彼女の変幻自在な演技を見ることができると思います。
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