世界一まずいと言われるイギリス料理の世界(前編)

まずい料理と言えばイギリス料理、イギリス料理と言えばまずい。まずい料理の代名詞として世界的な評価を得ているイギリス料理ですが、どうしてそんなにまずいのか、理由を考えてみました。



「あの国の料理はまずい」と言われるとき、大抵の場合は現地の味付けが旅行者に合わないだけというのがあります。またロシアや北欧など、外食産業が発展していないため、旅行者が美味しい料理にありつけない国もあります。しかしイギリス料理は、イギリス人自身が「まずい」と話のネタにし、フィリップ殿下(エリザベス女王の夫)も「イギリスの女性は料理ができない」と発言したこともあるほどです。

1.まずいと言われるイギリス料理の例

(1)フィッシュ&チップス
日本で売られているフィッシュ&チップスは美味しいのですが、イギリス人の基本として下味はつけません。ぶつ切りにした魚の身を衣で揚げただけです。臭みをとることもしないので、魚の種類によってはクセのある臭いで食べられないなんてことも・・・

※皿なんか使わずに、新聞紙で出すのが本場
(2)ハギス
羊の心臓や肺、肝臓などを茹でてミンチにし、ハーブやスパイスなどと混ぜた後に羊の胃袋に詰めた料理です。フランスのシラク大統領(当時)は、ドイツ首相と会談の際に「ハギスのような酷い料理を食べる連中は信用ならない」と発言し、これに対してイギリスの外相が「ハギスに関しては、シラク大統領の説はごもっとも」と返しています。口にするのも辛いという人もいます・・・

※ウイスキーをかけつつ、ポテトと食べるとなかなかの味かも


(3)スターゲイジー・パイ
伝統的にニシンの一種、ピルチャードを使用したパイです。魚の頭部がつき出て上を見ていることから「星を見上げるパイ」と呼ばれています。漁師の大漁を願った漁師町の家庭料理なので、レシピは家ごとに違っています。そのため味もさまざまですが、見た目のインパクトで敬遠されます。

※見た目的にムリという人が多いですね。


(4)ウナギのゼリーよせ
かつてテムズ川にはウナギが多く住み、労働者の貴重な栄養源でした。ぶつ切りにしたウナギを茹でて、ゼリーを絡ませて食べます。臭みをとらない、下味はつけないというイギリス料理の基本が生きていて、ゼリー部分に臭みが集約されているようです。見た目の悪さだけでなく、冷えたウナギの脂が下に残る不快さと、口内に突き刺さるウナギの背骨、後を引く臭みで敬遠されています。

※これも見た目でムリな人が多いと思います。


2.美味しいと言われるイギリス料理の例

(1)イングリッシュ・ブレックファースト
薄いトースト、卵料理、ベーコンかソーセージ、トマトソースで煮たインゲン豆、ハッシュドポテトなどがつきます。「イギリスでは朝昼晩、朝食を食べた方が良い」という人もいるほどです。



(2)スコーン
イギリスのスコーンは、アメリカではビスケットと呼ばれ、日本のビスケットとも違うので何かと混乱しがちです。大麦や小麦を牛乳やバターで練って焼いたパンです。さまざまなトッピングや味付けのバリエーションがあり、イギリスの定番です。クロテッドクリームやジャムをつけて食べます。







(3)ミンスパイ
リンゴやドライフルーツを砂糖で煮詰めて、タルト生地で包んだパイです。元々クリスマス料理だったようですが、今では年中食べられるようです。




(4)スティッキー・トッフィー・プディング
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー夫婦がイギリスで食べて感動し、あちこちで触れ回ったおかげですっかり世界的に有名になりました。そうそう「セックス・アンド・ザ・シティ」にも登場して、お洒落な食べ物の仲間入りをしましたね。温かいプディングを、冷たいバニラアイスと一緒に食べるのが美味しいそうです。




なんとなく見えてきたと思いますが、イギリスは料理がまずくてデザートが美味しいと言われる傾向にあります。

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