小室圭さんをめぐる歪な報道 /眞子内親王の結婚の行方

2017年5月、眞子内親王が婚約するというニュースが流れ、日本中がお祝いムードに包まれました。しかし小室さんの母親の金銭問題が表面化すると、連日のように小室さんのネガティブな情報が飛び交うようになり、今では眞子内親王の夫として相応しくないという声が多数を占めています。私は報道に強い違和感を抱いていたのですが、ようやく報道姿勢に疑問を唱える声が出るようになってきました。今回は小室圭さんが相応しいか否かではなく、報道の異常さについて書いてみたいと思います。



父の自殺報道

週刊新潮が小室圭さんの父親が自殺していたと報じ、続いて祖父も自殺していたことが報じられます。体調を崩していたお父さんが河原で自殺していたという内容で、その死にショックを受けた祖父も自殺してしまったという内容です。


これが報じられた時には、まだ祝賀ムードがあったので、さほど注目されませんでした。しかし宮内庁の身体検査というか、小室さんの身辺調査が終わっていないのにメディアがすっぱ抜いたため、婚約騒動が起こったとも言われていて、この頃から雲行きは怪しくなっていました。

婚約内定会見延期の発表

2017年7月7日、婚約内定会見の延期が発表されました。この時、九州が豪雨で大きな被害を出しており、延期の発表は妥当なものでした。しかしこの頃には、宮内庁をはじめとして関係者が婚約に難色を示していることが周知の事実のように語られるようになりました。

貧乏報道と婚約内定会見

小室さんの年収が約500万円と報じられました。まだ若いパラリーガルなのに、こんなにもらえるんだと感心しましたが、その後の報道で250万円くらいだとも報じられました。さらに会社が混乱を避けるためにタクシーで来て欲しいと伝えると、そんなお金はないと断ったという話も報じられます。小室圭は貧乏でお金に困っているという風潮が作られ、婚約内定会見が行われました。2017年9月のことです。


会見で一部メディアが「現在、奥野総合法律事務所・外国法共同事業にて正規職員として働いているかたわら」と小室さんが話したことについて、「なぜわざわざ正規職員と言ったのか」と噛み付きました。パラリーガルをフリーターと同等と報じているメディアがあったせいかもしれませんが、「正規職員」と発言したため見栄っ張りな性格と断定するメディアも出てきました。

金銭トラブル報道

眞子内親王と小室圭さんの結婚式が、2018年11月4日に行われると発表されました。そして2017年12月に女性週刊誌が、小室圭さんの母親が400万円の借金を踏み倒していると報じました。他のメディアは静観していましたが、女性週刊誌は年をまたいで借金を踏み倒した男性と母親が同棲していたことなどを報じ、文春や新潮もこれに続いて借金踏み倒し疑惑を報じます。



母親は小室圭さんの学費や留学費用を交際相手の男性に出させてもらい、その費用を返却していないという内容です。男性はお金を貸したと言い、母親はもらったと言って平行線になっています。この男性は何度もメディアの取材に応じ、母親の不誠実な対応を訴えています。

感情論による報道

小室圭さんは勤務先の法律事務所で電話番やお茶くみもしていると報じられ、お茶くみ亭主が眞子内親王に相応しいのか、電話番をする男が相応しいのかと書かれました。若手のパラリーガルがお茶くみや電話番をするのは当たり前です。どこの会社でも若手なら任される仕事ですが、小室圭さんの場合はネガティブに報じられていきます。



こうして何でも悪く書かれるようになり、小室圭さんは無条件に叩いても良い存在になっていきます。週刊誌は「小室圭」と表紙に書けば売れるようになり、なんでもかんでも悪く書いて良い叩きのアイコンになっていきました。銭ゲバ、見栄っ張り、チャラいなど、今や何を書いてもOKという雰囲気になっています。

信憑性に疑問が残る報道

母親の婚約者が借金の問題を口にしていますが、ほとんどの報道がこの男性の一方的な発言を掲載しているものがほとんどです。報道なら双方の言い分を客観的に掲載するものですが、この原則は無視されています。報道というより井戸端会議の内容が報じられているのが現状です。

父や祖父母の自殺の件に関しても、「新潮によると」「女性セブンが報じた内容によると」といったエクスキューズをつけた報道がほとんどで、事実確認をしているわけではないため信憑性に疑問が残ります。母親が天皇に会わせろと言ったという報道など、裏取りもしないまま伝聞が報じられているのが現状です。

男尊女卑の表れという指摘

男女平等と言われながら、婚活の現場では男性の年収が真っ先に質問されるのが現状です。男に求められるのは甲斐性で、年収が低い小室圭さんが眞子内親王に相応しくないと考えられている向きがあると思われます。日本社会には強くて頼りがいのある男性を好むだけでなく、弱くて頼りがいがない男性を蔑む傾向があり、それが今回の小室圭さんの騒動にも現れているという指摘があります。



小室圭さんがこれほど嫌われたのは、収入が少なく甲斐性がない男が宮家の女性と結婚するのは不適当と思われたという一面があると思われます。男女平等を訴えていた著名人の中で、男性には収入があって甲斐性を持つべきという風潮に疑問を唱える人がいないのは興味深いと思います。

宮家には人権がないのか

眞子内親王が一般家庭の女性なら、誰と結婚しようが周囲がとやかく言うことではありません。しかし宮家の女性である以上、国民が納得する男性と結婚するべきだという意見があります。一方で憲法が定める象徴は天皇だけで、それ以外の人には人権があるという意見もあります。


高円宮家の絢子女王(現在は降嫁)は、幼少の頃から恋愛は自由にできるけど、結婚は国民が納得する相手でなくてはならないと教えられていたそうです。宮家の女性のあり方にはさまざまな議論がありますが、今回の騒動はこうした議論に影響を与えそうです。

書きたい放題の現実

名前も身分も明かさない母親の元婚約者を名乗る人物が登場すると、メディアはその怪しげな人物の言い分を丸々掲載していきました。元から皇室関連の記事は一定の売上を見込めるうえに、今回はスキャンダルですから美味しい記事だったのでしょう。結婚を控えているため、名誉毀損の訴訟を起こされるリスクが低いというのも、書く側にとって好都合だったと思われます。

かつて女優の東ちづるは自身の経験者から、「友人談」「関係者談」と書かれた内容は、100%嘘と断言していました。自分が話したことのないこと、親にも言わないデリケートな内容を喋っていたと証言する「その友人って誰?連れてきて!」という気分で自身の記事を読んでいたそうです。その理屈に当てはめると、小室圭さんに関する報道に真実はほとんどなくなってしまいます。

まとめ

小室圭さんが眞子内親王に相応しい人物なのか、私にはわかりません。しかし多くのメディアや国民に相応しくないと思われたため、これほど歪で一方的に叩く記事が蔓延しているのだと思います。その内容はネットの炎上による私刑に似たものがあり、憶測や想像で一方的に叩くことが正義であるかのようになっています。

この騒動は宮家の女性のあり方や、日本に根深く残る性差別などにもリンクしていて検証するとさまざまな方向に広がっていきます。今回の騒動を通じて、さまざまな事を考えさせられました。果たしてお二人は結婚するのでしょうか、それとも破局になるのでしょうか。ただでさえ恋愛が難しい宮家の女性ですから、眞子内親王には納得のいく形に帰結して欲しいと思いました。



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