ピエール瀧が逮捕されたコカインってなに?/薬物の基本的な話
違法薬物はとにかく危険だという政府のアピールによって、その違いや危険性については不正確な情報が蔓延しているように思います。ピエール瀧が逮捕された事件で、その危険性を大麻と同等に語る人がいたりするので、少し整理をしてみたいと思いました。当たり前ですが、薬物の種類によって依存性や副作用が異なります。それらの違いを知っておくのも悪くはないと思うのです。
なぜこの時期にLSDが出回っていたかというと、ある宗教団体が薬物イニシエーションで信者に使用するために製造しており、その一部を暴力団に販売して資金源にしていたからだとされています。この宗教団体は覚せい剤も作っていたようで、それらが暴力団に流れて売られていました。高純度の薬物を国内で大量に作ることができたこの宗教団体は、かなりの資金を集めることができたようです。
また当時はイラン人による販売も行われていました。上野あたりを歩けばイラン人が声をかけてきて「何が欲しい?テレホンカード?ハシシ?なんでもあるよ」と言っていました。当時は偽造テレホンカードはイラン人の資金源になっていましたが、マリファナも売っていました。暴力団が背後にいると言われていましたが、これ以上は私もあまり知りません。
その一方で、ヘロインやコカインはあまり聞きません。やはり日本で薬物といえば覚せい剤が多いと思います。
そもそも麻薬の多くがセックスなどの快楽を補助する役割を担うのに対し、ヘロインはヘロイン単独で深い快楽を得ることができます。ダウナー系と呼ばれる精神を落ち着かせる薬の代表格で、精神安定剤を数百倍強力にしたような効果もあります。当然ながら肉体依存性も強烈で中毒性が高く、量を間違えると簡単に死に至る強い薬でもあります。あらゆる薬物の中で、最高の快楽と最強の中毒性を誇るのがヘロインと言われています。
興奮作用があり爽快な気持ちになるとされています。その効果は覚せい剤と似ており、日本でコカインが流行らないのは覚せい剤が多く出回っているためと指摘する人もいます。強烈な効果が得られる反面、持続時間が短いため繰り返し使用するケースが多く、比較的短期間に中毒になると言われています。ヘロインやアルコールと異なり肉体依存性は低く、タバコと同様に精神依存性が強いとされています。
日本では住友製薬がヒロポン、武田薬品がゼドリンの名前で販売し、その強い効果から戦前から戦時中にかけて人気を得ています。気分を爽快にし、睡魔をはねのけ、疲労も防ぐと評判で、疲労が激しい職場では積極的に使われていきます。しかし前後になった高い中毒性と副作用が発覚して大問題になり、法律で禁じられるようになりました。
現在でも長距離運転をするドライバーや、徹夜続きの労働者が使用して逮捕される例があります。その一方で、興奮作用から性的効果を高めるため、快楽目的で使用されることも多く、日本では長い間問題になっています。
関連記事:「ダメ。ゼッタイ。」では薬物中毒者は助からない
その効果や人体への影響はよくわかっておらず、使用した人によって「気分が落ち着く」から「ハイになる」など正反対の体験が語られ、一部には「音がクリアに聞こえる」「色彩が鮮やかに見える」というのもあります。これほど使用者の体験がバラつくのも珍しく、そのため「効果のほとんどは気のせい」と言う専門家も存在するほどです。人体への害についても精神疾患を誘発するとされてきましたが、最近の研究では意見が別れていて、アルコールやタバコより害が少ないという報告もあります。さまざまな意見があり、効果も害もよくわかっていないのが大麻と言えるでしょう。
かつてメキシコではタバコの代用品として使われていた経緯もあり、日本でも気軽に手を出す人が後を絶たない違法薬物の1つです。しかし捕まった時の刑罰は重く、もっともバカらしい薬物という人もいます。
さらに60年代から70年代にかけて流行ったヒッピー文化は「フリーセックス、フリードラッグ」を唱え、音楽業界ではこれらの文化に乗るように「セックス・ドラッグ・ロックンロール」という言葉が流行りました。音楽が商業化に向かう中で若者文化に迎合した結果とも言えますし、音楽そのものがヒッピー文化と深く結びついていたので、音楽の流行と薬物の流行はイコールだったとも言えます。
しかし現在の音楽業界では、薬物は一種のファッションになっているという指摘もあります。ポップミュージックにとって60年代は特別な時代であり、音楽が巨大資本によって商業化される以前の黄金期へのノスタルジーとしての薬物という見方もあるのです。薬物がイマジネーションをどうとかというミュージシャンの声もありますが、多くの場合はそれらとは無縁でファッションとして使うか疲労回復などの方が真実に近いように思われます。
現実に目を向けると、薬物犯罪は後を絶ちません。中毒性の問題もありますし、逮捕された時の社会的ダメージははかりしれません。薬物の購入は暴力団の資金源になるだけでなく、あの国の核ミサイルの資金になっているとも言われています。何一つ良いことがないので、絶対に関わりたくないですね。
そもそも薬物の種類は曖昧
麻薬というと何を指すかご存知でしょうか。そもそも麻薬はケシから作られるアヘン、モルヒネ、ヘロインなどを指す言葉でした。しかし日本の法律ではコカインも含んで麻薬となっていて、アメリカの法律では大麻も麻薬に含まれることが多くあります。このように学術的な意味と法律上のでは意味が異なることが多く、そのため理解しにくくなっています。日本では何が流通している?
日本で多くみられるのは覚せい剤です。これはヒロポンなど戦前には滋養強壮剤として売られていたため、日本人には馴染み深い違法薬物だからでしょう。90年代はLSDが多く売られていました。新宿や渋谷の公衆電話にビニールテープが張られ、そこにポケベルの番号が書かれていました。それを鳴らせば売人がやってくるというのは多くの人に知られた公然の秘密で、警察も公衆電話をマークしていたようです。なぜこの時期にLSDが出回っていたかというと、ある宗教団体が薬物イニシエーションで信者に使用するために製造しており、その一部を暴力団に販売して資金源にしていたからだとされています。この宗教団体は覚せい剤も作っていたようで、それらが暴力団に流れて売られていました。高純度の薬物を国内で大量に作ることができたこの宗教団体は、かなりの資金を集めることができたようです。
また当時はイラン人による販売も行われていました。上野あたりを歩けばイラン人が声をかけてきて「何が欲しい?テレホンカード?ハシシ?なんでもあるよ」と言っていました。当時は偽造テレホンカードはイラン人の資金源になっていましたが、マリファナも売っていました。暴力団が背後にいると言われていましたが、これ以上は私もあまり知りません。
その一方で、ヘロインやコカインはあまり聞きません。やはり日本で薬物といえば覚せい剤が多いと思います。
最強の麻薬ヘロイン
ドイツのバイエル社が販売した医薬品で、強烈な多幸感に加えて痛み止めとしては最高の部類に入ります。事故で腕が切断された直後でも、正しい量を投与すれば痛みが完全に消え去ると言われるほどで、麻薬としての効果は最上級になります。そもそも麻薬の多くがセックスなどの快楽を補助する役割を担うのに対し、ヘロインはヘロイン単独で深い快楽を得ることができます。ダウナー系と呼ばれる精神を落ち着かせる薬の代表格で、精神安定剤を数百倍強力にしたような効果もあります。当然ながら肉体依存性も強烈で中毒性が高く、量を間違えると簡単に死に至る強い薬でもあります。あらゆる薬物の中で、最高の快楽と最強の中毒性を誇るのがヘロインと言われています。
アッパー系の代表格コカイン
コカの木から作られ、局所麻酔として使用されていました。コカの葉は高山病の薬として、喉の薬としても古くから使われていて、コカコーラはコカの成分を含む飲料として売られていました。シャーロック ・ホームズが使用していたことでも知られており、コカインの発売当初はヘロイン依存症の治療薬として売られていました。コカコーラはコカインの成分を含んだ飲料として売られ、中毒性が確認されるまでは広く親しまれています。興奮作用があり爽快な気持ちになるとされています。その効果は覚せい剤と似ており、日本でコカインが流行らないのは覚せい剤が多く出回っているためと指摘する人もいます。強烈な効果が得られる反面、持続時間が短いため繰り返し使用するケースが多く、比較的短期間に中毒になると言われています。ヘロインやアルコールと異なり肉体依存性は低く、タバコと同様に精神依存性が強いとされています。
滋養強壮剤だった覚せい剤
覚せい剤といってもアンフェタミンやメタンフェタミンなどがあります。この2つは日本の製薬の父とも言われる長井長義がエフェドリンを抽出し、これらが大量合成できることを証明したことに始まります。アメリカでは咳止め薬として売られますが、滋養強壮剤として人気が高まりました。日本では住友製薬がヒロポン、武田薬品がゼドリンの名前で販売し、その強い効果から戦前から戦時中にかけて人気を得ています。気分を爽快にし、睡魔をはねのけ、疲労も防ぐと評判で、疲労が激しい職場では積極的に使われていきます。しかし前後になった高い中毒性と副作用が発覚して大問題になり、法律で禁じられるようになりました。
現在でも長距離運転をするドライバーや、徹夜続きの労働者が使用して逮捕される例があります。その一方で、興奮作用から性的効果を高めるため、快楽目的で使用されることも多く、日本では長い間問題になっています。
関連記事:「ダメ。ゼッタイ。」では薬物中毒者は助からない
タバコの代用品だった大麻
麻から作られたもので、マリファナとも呼ばれます。タバコの葉のような状態で流通していますが、成分を抽出して固形化したものをハシシと呼びます。大麻の歴史は古く、一説には2500年前の中国で使われていたとされています。その効果や人体への影響はよくわかっておらず、使用した人によって「気分が落ち着く」から「ハイになる」など正反対の体験が語られ、一部には「音がクリアに聞こえる」「色彩が鮮やかに見える」というのもあります。これほど使用者の体験がバラつくのも珍しく、そのため「効果のほとんどは気のせい」と言う専門家も存在するほどです。人体への害についても精神疾患を誘発するとされてきましたが、最近の研究では意見が別れていて、アルコールやタバコより害が少ないという報告もあります。さまざまな意見があり、効果も害もよくわかっていないのが大麻と言えるでしょう。
かつてメキシコではタバコの代用品として使われていた経緯もあり、日本でも気軽に手を出す人が後を絶たない違法薬物の1つです。しかし捕まった時の刑罰は重く、もっともバカらしい薬物という人もいます。
なぜ音楽業界に多いのか
かつてビートルズがハンブルクに演奏旅行に行った際に、クラブで連日連夜の演奏に疲れて休みをくれと言ったところ、代わりに覚せい剤をもらったというのがあります。当時の演奏の単価は驚くほど安く、一晩で何か所も回って演奏しなければならないため徹夜続きになるのが当たり前でした。このような環境下で薬物が使用されるのは、ある意味で当然の流れだったように思います。さらに60年代から70年代にかけて流行ったヒッピー文化は「フリーセックス、フリードラッグ」を唱え、音楽業界ではこれらの文化に乗るように「セックス・ドラッグ・ロックンロール」という言葉が流行りました。音楽が商業化に向かう中で若者文化に迎合した結果とも言えますし、音楽そのものがヒッピー文化と深く結びついていたので、音楽の流行と薬物の流行はイコールだったとも言えます。
しかし現在の音楽業界では、薬物は一種のファッションになっているという指摘もあります。ポップミュージックにとって60年代は特別な時代であり、音楽が巨大資本によって商業化される以前の黄金期へのノスタルジーとしての薬物という見方もあるのです。薬物がイマジネーションをどうとかというミュージシャンの声もありますが、多くの場合はそれらとは無縁でファッションとして使うか疲労回復などの方が真実に近いように思われます。
まとめ
映画やドラマを見ていると、これら薬物の描写がデタラメなケースを多く見かけます。薬物禁止ばかりが訴えられていて、薬物そのものが語られることが少ないからだと思います。現実に目を向けると、薬物犯罪は後を絶ちません。中毒性の問題もありますし、逮捕された時の社会的ダメージははかりしれません。薬物の購入は暴力団の資金源になるだけでなく、あの国の核ミサイルの資金になっているとも言われています。何一つ良いことがないので、絶対に関わりたくないですね。
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