ドラマ「ブラックリスト」/シーズン6がもうすぐ放送

アメリカNBCで放送されているドラマ「ブラックリスト」のシーズン6が、まもなくスーパードラマTVで始まります。一時は視聴率が伸び悩み、新シーズンがキャンセルされる噂もありましたが、再び盛り返しているようです。1話完結でなければ高視聴率は難しいと言われますが、「ブラックリスト」は連続ものでありながら、高い人気を得ています。


物語の概要

国際犯罪組織を取り仕切るレイモンド・レディントンは、FBIの指名手配リストのトップに掲載される凶悪犯です。そのレディントンが突如FBI本部に出頭して免責を求めました。条件は自分が知る国際的な犯罪者のブラックリストの提示で、レディントンはその日にFBIに配属されたばかりのエリザベス・キーン捜査官を連絡係に指名します。


一方、キーン捜査官は小学校教師のトムと結婚して、プライベートでは幸せな日々を過ごしていました。しかしトムの写真が貼られた偽造パスポートを見つけたことから、トムが身分を偽っていることがわかります。

なぜレディントンはFBIに協力することにしたのか、なぜキーン捜査官を指名したのか、夫のトムは何者なのか、といった疑問が渦巻く中、FBIはレディントンの情報を元に次々と凶悪犯を逮捕していきます。やがてキーン捜査官の出生の秘密が浮上し、自分が何者かわからなくなったキーン捜査官は、夫のトムを追い詰めていきます。

謎が謎を呼ぶミステリー

複数の謎があり、その1つ1つに丁寧な伏線が張られています。製作陣は「全てのヒントは本編の中にある」と断言していて、視聴者は毎週のように謎解きを楽しめます。1つの謎が解決すると新たな謎が広がっていく展開ですが、最終的にはレディントンの真の目的は何か?キーン捜査官は本当は何者なのか?という2点に集約されていきます。

※エリザベス・キーン捜査官

さらにサスペンスも加わります。濡れ衣を着せられ指名手配犯になった捜査官や、レディントンとの協力を快く思わない政府関係者からの圧力、さらに別の国際犯罪組織からの攻撃など、息つく間もなく事件が起こります。

魅力的な悪役たち

豊かな教養にユーモアのセンス、優れた洞察力と判断力を持ちながら、冷酷な一面も兼ね備えたレディントンは、とんでもなく魅力的な人物です。どんな危機的状況にも焦ることなく、詩的なユーモアを交えつつ乗り越えていきます。

※レイモンド・レディントン

そのレディントンの腹心デンべは、レディントンへの忠誠心というより、強い信頼関係で結ばれています。4ヶ国語を操る驚くほど豊かな教養の持ち主で、物静かで柔らかい物腰が特徴です。しかしレディントンの指示やレディントンの危機には、冷酷なことにも全く躊躇しない怖さがありますし、レディントンのためなら迷わず自分の命を賭けます。レディントンはデンべを部下ではなく家族と言っています。

※デンベ・ズーマ

そしてレディントンの殺人の死体処理を請け負うミスター・ギャプランは、見た目のギャップが恐ろしさを増幅させます。どこにでもいる容姿で、冴えない事務員や年金生活者にも見えますが、シーズン4で見せた敵を追い詰める様子は強烈な印象を残します。

凶悪で冷酷な悪役たちは、どうしようもなく魅力的な人物で、レディントンとその部下たちに魅了されてしまいます。この悪役たちが変に善玉に媚びたり流されることなく、悪人としてブレないところも物語の魅了になっています。

美しい愛の物語なのか??

なぜレディントンはキーン捜査官を特別視するのか、なぜデンべはレディントンのために自身の命も惜しまないのか、なぜミスター・ギャプランの憎悪がそれほど深いのか、それらは彼らの過去に理由があり、それぞれに深い愛情が根底にあります。


特にレディントンが巨大な犯罪組織を作り上げた理由、そしてその帝国を手放した理由はあまりにロマンチックでした。しかしシーズン5のラストでは、それすらも嘘ではないか?という事実が提示され、ますますレディントンという男がわからなくなりました。しかし全てのヒントは本編にあるということなので、多くの視聴者が現在もネット上で議論を交わしています。

シーズン6展望

正直言ってシーズン4までで十分な物語で、それ以降は蛇足のようにも感じます。レディントンが出頭した理由、キーン捜査官の出生の秘密などはシーズン4までで解き明かされますし、レディントンは最大の危機をシーズン4で乗り切りました。そのためシーズン5の視聴率は当初はパッとせず、シーズン6はキャンセルされると見られていました。


しかしシーズン5で、そもそもレディントンは何者なのか?という物語の根底を揺るがす疑問を突きつけ、これまで明かされてきた事実が偽りなのではないか?という疑問を残すことになりました。シーズン6では、これらの謎が解き明かされるでしょう。

まとめ

個性豊かなFBI捜査官も魅力的ですが、何よりレディントンとその仲間達の強烈な個性に魅了されます。物語のテンポもよく、謎解きも飽きさせません。ここまでさんざん悪役の魅力を書いてきておいてなんですが、私はFBIブラックリスト担当チームのアラムが気に入っています。コンピューターオタクで戦闘員ではないのですが、シーズン3でリース捜査官を守るために震えながら銃を構える姿は最高に格好良かったと思います。

興味のある方は、必ずシーズン1から見てください。途中から見ると、謎解きの楽しさが半減してしまいます。



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