知らない人のための「勇者ヨシヒコ」入門

俳優の玉木宏さんと木南晴夏さんが結婚することになり、山田孝之さんやムロツヨシさんが祝福のコメント送って「勇者ヨシヒコ」が再び話題になっています。このブログにも「勇者ヨシヒコ 木南晴夏」での検索が増えているので、知らない人のために「勇者ヨシヒコ」を解説したいと思います。



勇者ヨシヒコとは

2011年にテレビ東京の金曜深夜で放送が始まった、いわゆる深夜ドラマです。「勇者ヨシヒコと魔王の城」が好評だったため、2012年には「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」が、2016年には「勇者ヨシヒコと導かれし七人」が放送されました。



RPGゲームを模したドラマで、低予算であることを逆手に「予算の少ない冒険活劇」と銘打たれました。最近では実写版「銀魂」で話題になった福田雄一が脚本と監督を務めた、ゆる〜いコメディです。

登場人物

ヨシヒコ(山田孝之)



ムラサキ(木南晴夏)


メレブ(ムロツヨシ)


ダンジョー(宅麻伸)


ホトケ(佐藤二郎)


ドラマの制作

「アーサー王伝説」を低予算でパロディ化したモンティパイソンの「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」の大ファンだった福田雄一が、ゲーム「ドラゴンクエスト」を低予算で実写化することを思い立ちます。

※モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル

低予算な上にRPGゲームの実写化をコントにするという難解な設定に理解できる役者も少なく、主演俳優の設定に難航しました。そこで福田雄一が山田孝之に直接メールを送り、出演を打診したところ山田が快諾し、ドラマの制作が動き出しました。

※福田雄一

福田雄一は、自身が「笑いの抑えの切り札」と呼んでいるムロツヨシと佐藤二郎をキャスティングします。そこに漫画家の浦沢直樹が、コメディをやるならぜひ木南晴夏をと推薦してムラサキ役が決まりました。

無駄に豪華なゲスト俳優

ドラマが話題になると、出演を希望する俳優が増えたため、いつのまにか豪華な俳優がちょい役で出るようになります。大抵の場合は本筋に関係のない山賊の役でした。

安田顕
第3話に登場したこの人の山賊の演技が、ゲスト俳優のハードルを上げたと言われています。以降の俳優は、ヤスケン以上の爪痕を残そうとハリキリました。



小池栄子
天女の役で、ヨシヒコ一行にキレる役どころでした。ムラサキとの口げんかが「面白すぎる」と話題になりました。



綾野剛
半人半獣のケンタウロスになって出てきました。



小栗旬
山田との共演が嬉しそうで、襲っているのか遊んでいるのかわかりませんでした。



その他、毎回のように「友情出演」(友達価格、格安のギャラで出ている)のテロップが出ていました。

台本なのかアドリブなのかわからない台詞

仏役の佐藤二郎が、延々と面白トークを繰り広げて話題になりました。突然身の上話をしたり、歌い出したりと勝手気ままで、台詞を忘れたのを誤魔化しているのでは?と思えるトークが、そのまま流れていました。福田雄一は佐藤二郎が暴走しても、カメラを止めることなく撮影を続けたそうです。

※自由に喋り続けるホトケ

ムロツヨシも、台本なのかアドリブなのかわからないトークをしていました。メレブが微妙な呪文をお披露目する場面は、ほとんどアドリブだったそうで、全員がムロツヨシのアドリブに合わせていたようです。

タブーのないネタ

スポンサーいじり、テレビ局いじりを平然と行い、下ネタも放り込まれます。宅麻伸が賀来千香子と離婚した際には、なにかと離婚がネタになっていました。

※パロディも多く登場します。

それらを山田孝之や宅麻伸など、重厚な物語をやってきた役者が真顔で行う面白さがありました。ネタにタブーが感じられず、やりたい放題な印象があります。

手作り感満載の低予算演出

ボール紙で作った魔物に、糸や黒衣(くろこ)がバレバレの演出で、低予算さが滲み出ています。アイテムもこれ以上なく安っぽいもので、さらに終盤は映画村でのロケさえなく、普通に横浜で撮影していました。

※チープの一言に尽きます。

やたら使い回されるシークエンスが多く、難しい場面はアニメに変わるなど、徹底した低予算ぶりでした。

まとめ

主要メンバーのキャラの面白さに加えて、深夜にゆるいコメディをダラッと見るには最適でした。出演者の仲が良く、番組放送後に出演者同士がツイッターであれこれ話している内容も面白く、ムロツヨシなどが配信する撮影風景も好評でした。

当時、ほとんど無名だったムロツヨシはこの当時もバイトしなければ生活できないほどだったそうですし、佐藤二郎も「JIN―仁」の出演などで顔を覚えている人も増えていましたが、このドラマで大きなインパクトを残しました。木南晴夏はコメディエンヌとしての才能だけでなく、歌や踊りも本格的にできることを見せて役の幅を広げました。

あまりにゆるいので、見ていてイライラする人もいるかもしれませんが、この手の笑いが好きな人にはたまらない面白さが詰まっているドラマです。続編を待っている人も多いようですが、出演者が揃って人気者になった今では難しいみたいです。











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