「はじめの一歩」を熟読中

※こちらは以前の「はねもねの独り言」に書いていた記事です。

少年マガジンで連載されている漫画「はじめの一歩」を熟読中です。初めて読んだのは学生の頃だったので、かなりの長期連載ですね。アニマックスでもアニメ版が放送されているので、ついつい見てしまいます。この漫画はボクシングを題材にした人気漫画ですが、現役ボクサーからも高い支持を得ています。以前はボクシング漫画といえば「あしたのジョー」でしたが、今はこの「はじめの一歩」がボクシング漫画の代名詞ですね。


この漫画が現役のボクサーを引きつけるのは、スーパースターの物語ではないからだと思います。少年院で才能を見出され世界挑戦まで登りつめる「あしたのジョー」は、貧困街出身とはいえ天才でありスーパースターと言えます。しかし「はじめの一歩」に描かれるボクサー達は、もちろん天才やスーパースターも含まれますが、その他大勢に分類される無名のボクサー達が丹念に描かれています。

世界王座どころか日本王座にすらたどり着けそうにないボクサーが、苦しい生活を続けながらどうしてボクシングにこだわるのか。ピークを過ぎたボクサーが、それでも現役にこだわり続けるのはどうしてなのか。スポットライトが当たらないボクサー達の生き様、苦しみ、ささやかな栄光がリアルに描かれているのです。そして天才と呼ばれるボクサーの苦悩も同時に描かれています。例えば主人公の一歩のライバルである宮田一郎です。

宮田はボクサーになるために生まれてきたような天賦の才能を持ったボクサーです。体に羽が生えたようにリングを高速で動き、電光石火のクロスカウンターを武器とし、ボクサーに必要なクレバネスやアグレッシブネスも兼ね備えています。さらに容姿の良さから女性に圧倒的な人気を誇るだけでなく、スリリングな試合展開から男性ファンの心もつかんでいます。あまりに華やかでスーパースターの資質を備えたボクサーですが、その宮田も深い悩みを抱え苦悩する姿が描かれています。

またボクサーの家族の喜びと苦しみも描かれています。伊達英二の世界挑戦では、妻の伊達愛子がもう1人の主人公として際立っています。右拳、あばら、下あごを骨折して勝ち目がなくなった夫に、あと3ラウンドだから頑張れと応援するしかなかった妻の姿はボクサーの妻の覚悟や苦しみを浮き彫りにしています。そんな愛子の声援を受け、たった一度でいいから惚れた女の前で格好つけるためにと、満身創痍の体で世界王者に立ち向かう伊達の姿には痺れるものがありました。

果たして世界王者リカルド・マルチネスの牙城を崩すのは、一歩なのでしょうか宮田なのでしょうか。2人の対戦はいつ実現するのでしょうか?以前、ネットのアンケートでは宮田がマルチネスを破り、世界王者の宮田に一歩が挑戦するという筋書きを予想する声が多くでていましたが、それは安易な展開のようにも思えます。まだまだ先は長そうですが、これからの展開が楽しみです。






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