暴力団よりひどい上司
※こちらは以前の「はねもねの独り言」に書いていた記事です。
会社で反社会勢力と関係を持たないようにする研修がありました。今の暴力団はフロント企業を使って暴力団とはわからない体裁をとっているので、そういう会社と係わりを持たないようにするためにどうするかという研修です。この研修を受けながら、かつて暴力団に怒鳴り込まれた時のことを思い出しました。私はゼネコンに勤めていたので、暴力団がらみは時々あったんですよね。
私は工事現場の現場監督で、主任と2人で現場事務所で作業をしていました。所長は支店に出かけて不在で、そんな時にどこから見ても暴力団とわかる3人組が事務所にやってきたのです。しかも「責任者はどこだー！」と怒鳴りながら入ってきたので、私は肝を冷やしました。そして主任も荒事には慣れていない人で、2人してすくみあがってしまったのです。
とにかく相手の言い分を聞くと、工事の音がうるさくて近所に大変迷惑をかけているということでした。しかし近隣の方々とは定期的に話し合いの場を持っていて、とても気を使って工事をしてくれていると評価してもらっています。問題があれば住民の方が直接言ってくるはずで、これは言い掛りだとすぐにわかりました。しかしそんなことを言うと、恐ろしい顔で睨みつけられました。
そしてしきりに彼らは「誠意を見せろ」と言い、どうやら誠意を見せるというのは彼らの門松を買うということのようでした。年の瀬も迫る時期だったので、彼らもシノギに必死だったのでしょう。1つ50万円する門松を2つ100万円で買えというのですが、当然ながら私達も「はい、わかりました」というわけにはいきません。とにかく私たちではお金を自由に扱えないので、支店に行ってくださいと言い続けました。
しかし「工事をしているのはお前らだろう。お前らが買うのが筋だ」と言い張り、引き下がりません。実は支店のお客さま相談室には、暴力団対策で雇われた警察OB（いわゆる天下りです）がいて、暴力団関係の事例は全てそちらに回すように言われていたのです。しかし彼らも支店と聞くと危険な匂いを感じたのか、なんとかこの現場から金を引き出そうとあれこれ言い続けます。そんな時に電話がなりました。所長からでした。
所長：今駅に着いたけど、なにかある？
はね：今、その筋の方が見えております。
所長：なんだって？
はね：騒音で迷惑しているので門松を買えと言っています。
所長：へぇ。いくらで？
はね：100万円だそうです。
所長：わかった。じゃあ、僕はお茶でもしてからゆっくり帰るよ。
ガチャリと電話が切れ、私は呆然と受話器を持ったまま立ち尽くしました。私は所長に「ヤクザが来ているから早く戻ってきてくれ」と言いたかったのですが、所長は「ヤクザが来ているから逃げてください」と受け取ったようです。ヤクザの相手を部下に任せたままコーヒーを飲みにいくなんて、なんて酷い所長でしょう。私はこの人にはついて行かないと固く心に誓ったのでした。
暴力団は根負けして「また来るからな」と帰っていき、2度と現れることはありませんでした。しばらく経って「どうなった？」と呑気な顔をして帰ってきた所長に、酷すぎると主任と2人で詰め寄ったのですが「ゼネコンの社員たるもの、ヤクザぐらい相手にできなきゃ」ととぼけていました。こういう上司にはつきたくないなぁ。
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COMMENT:
AUTHOR: sunaonakokoro
DATE: 01/27/2011 22:42:46
自分の身を挺して部下を守るような人の下で働きたいですよね～
なんだかドッキリテレビのネタのような出来事ですね。
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COMMENT:
AUTHOR: xsion
DATE: 01/29/2011 14:42:44
そういう経験がはねもねさんを成長させた。恩に着ないといけないかもしれませんね（笑）
ボクもコンプライアンス関係でグレーなことを一手に任されていた時期があったのですが、あるとき上司が『どうなってるか説明しろ』というので、そのからくりを詳細を説明したら、『今の報告は聞かなかった事にする。』と堂々と宣言されたことがありますよ。まぁ笑うしかありませんでした。
最近その人と本社で会うと、すごく良くしてくれます(笑)
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COMMENT:
AUTHOR: はねもね
DATE: 01/29/2011 23:43:01
★sunaonakokoroさん
ジョークかと一瞬思いました。ここまで見事に部下を置き去りにする人も珍しいと思います。身を挺するとまで贅沢は言いませんが、もう少し部下のことを考えて欲しいものですね(-_-;)
★xsionさん
グレーな部分に手を出すと、なにかと微妙な話があって面白いですね(^_^;)
私は同業他社がやっているグレーな取引を調べて上司に報告した時に、「それ、ウチもできないの？」と本気かジョークかわからないことを言われて困ったことがあります。
確かに一つ一つの経験があって、今の自分があるんですよねぇ。
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COMMENT:
AUTHOR: maple
DATE: 01/31/2011 01:28:54
そういうことを部下に丸投げするって・・・会社自体、いろいろ見直したほうがいいですね。
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COMMENT:
AUTHOR: はねもね
DATE: 01/31/2011 22:00:41
★mapleさん
この会社は、後におかしくなって事実上の倒産となりました。私は最後のボーナスを貰って辞めたんですよ。
まあ、そういう会社だったんですね(__;)
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会社で反社会勢力と関係を持たないようにする研修がありました。今の暴力団はフロント企業を使って暴力団とはわからない体裁をとっているので、そういう会社と係わりを持たないようにするためにどうするかという研修です。この研修を受けながら、かつて暴力団に怒鳴り込まれた時のことを思い出しました。私はゼネコンに勤めていたので、暴力団がらみは時々あったんですよね。
私は工事現場の現場監督で、主任と2人で現場事務所で作業をしていました。所長は支店に出かけて不在で、そんな時にどこから見ても暴力団とわかる3人組が事務所にやってきたのです。しかも「責任者はどこだー！」と怒鳴りながら入ってきたので、私は肝を冷やしました。そして主任も荒事には慣れていない人で、2人してすくみあがってしまったのです。
とにかく相手の言い分を聞くと、工事の音がうるさくて近所に大変迷惑をかけているということでした。しかし近隣の方々とは定期的に話し合いの場を持っていて、とても気を使って工事をしてくれていると評価してもらっています。問題があれば住民の方が直接言ってくるはずで、これは言い掛りだとすぐにわかりました。しかしそんなことを言うと、恐ろしい顔で睨みつけられました。
そしてしきりに彼らは「誠意を見せろ」と言い、どうやら誠意を見せるというのは彼らの門松を買うということのようでした。年の瀬も迫る時期だったので、彼らもシノギに必死だったのでしょう。1つ50万円する門松を2つ100万円で買えというのですが、当然ながら私達も「はい、わかりました」というわけにはいきません。とにかく私たちではお金を自由に扱えないので、支店に行ってくださいと言い続けました。
しかし「工事をしているのはお前らだろう。お前らが買うのが筋だ」と言い張り、引き下がりません。実は支店のお客さま相談室には、暴力団対策で雇われた警察OB（いわゆる天下りです）がいて、暴力団関係の事例は全てそちらに回すように言われていたのです。しかし彼らも支店と聞くと危険な匂いを感じたのか、なんとかこの現場から金を引き出そうとあれこれ言い続けます。そんな時に電話がなりました。所長からでした。
所長：今駅に着いたけど、なにかある？
はね：今、その筋の方が見えております。
所長：なんだって？
はね：騒音で迷惑しているので門松を買えと言っています。
所長：へぇ。いくらで？
はね：100万円だそうです。
所長：わかった。じゃあ、僕はお茶でもしてからゆっくり帰るよ。
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AUTHOR: sunaonakokoro
DATE: 01/27/2011 22:42:46
自分の身を挺して部下を守るような人の下で働きたいですよね～
なんだかドッキリテレビのネタのような出来事ですね。
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COMMENT:
AUTHOR: xsion
DATE: 01/29/2011 14:42:44
そういう経験がはねもねさんを成長させた。恩に着ないといけないかもしれませんね（笑）
ボクもコンプライアンス関係でグレーなことを一手に任されていた時期があったのですが、あるとき上司が『どうなってるか説明しろ』というので、そのからくりを詳細を説明したら、『今の報告は聞かなかった事にする。』と堂々と宣言されたことがありますよ。まぁ笑うしかありませんでした。
最近その人と本社で会うと、すごく良くしてくれます(笑)
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AUTHOR: はねもね
DATE: 01/29/2011 23:43:01
★sunaonakokoroさん
ジョークかと一瞬思いました。ここまで見事に部下を置き去りにする人も珍しいと思います。身を挺するとまで贅沢は言いませんが、もう少し部下のことを考えて欲しいものですね(-_-;)
★xsionさん
グレーな部分に手を出すと、なにかと微妙な話があって面白いですね(^_^;)
私は同業他社がやっているグレーな取引を調べて上司に報告した時に、「それ、ウチもできないの？」と本気かジョークかわからないことを言われて困ったことがあります。
確かに一つ一つの経験があって、今の自分があるんですよねぇ。
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AUTHOR: maple
DATE: 01/31/2011 01:28:54
そういうことを部下に丸投げするって・・・会社自体、いろいろ見直したほうがいいですね。
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AUTHOR: はねもね
DATE: 01/31/2011 22:00:41
★mapleさん
この会社は、後におかしくなって事実上の倒産となりました。私は最後のボーナスを貰って辞めたんですよ。
まあ、そういう会社だったんですね(__;)
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