娯楽になりきれないパチンコ

※こちらは以前の「はねもねの独り言」に書いていた記事です。

現在、パチンコを打つというとネガティブなイメージが強いですが、私が子供の頃は父親にパチンコに連れていかれるのは好きでした。私が子供の頃のパチンコというと、母親がデパートで買い物をする間の父親の暇つぶしであり、子供にとっては父親が山のようにお菓子を抱えて帰ってくる所でした。ノンビリとしたイメージがあったパチンコは、いつの間にか幼時の車内放置をはじめとする問題の多い場所というイメージが強くなってきています。



電車内の広告やテレビでパチンコのCMを見ていると、ターゲットの年齢層が高めという気がしてきます。CR仮面ライダーなんてパチンコ台のCMを見ると 40代以上を狙っているように見えますし、中吊り広告で「○○店に松方弘樹来店!」なんて広告を見ると、50代以上を狙っているように感じます。若い人のパチンコ離れというのが言われていますが、主力客の年齢が高めで広告もそういう人達を狙っているように思います。

かつてノンビリとしていたパチンコは、確率変動という私には意味がわからない言葉やパチスロなんていう触ったこともない機械が出てくるようになってから、騒がしくて忙しくなってきたように思います。ようするにこれらの導入はギャンブル性を高めたわけですが、高いギャンブル性は中毒者を生み出す代わりに顧客離れも起こすと思います。ハイリスクハイリターンのギャンブルはスリリングですが、ハイリスクのギャンブルに勝つには多くの軍資金を用意する必要が出てくるからです。

そして常識的に考えれば、ギャンブルは常に胴元が勝つように出来ているので、どれほどのお金をつぎ込んでもトータルでは胴元に負けてしまうのです。そのためギャンブル場では、負けたけど楽しかったと思わせる要素が重要になってきます。そして現在のパチンコの衰退は、この楽しかったと思わせる要素が欠けているからではないかと思うのです。勝つか負けるかの価値観しかなければ、参加する人は勝つことだけに拘ります。勝つことだけに拘る人が溢れるギャンブル場が殺伐としてくるのは、当たり前のことなのです。

以前、ラスベガスに関して書いた事がありましたが、私の友人夫婦はちょくちょくラスベガスに遊びに行っています。ラスベガスのホテルに会員登録すると、支払ったホテル料にあわせてポイントが溜まるそうで、シーズン前になると楽天の「ポイント割り増しセール」みたいなメールがやってくるのだそうです。そしてそのポイントは、カジノで利用できるそうです。友人夫婦はラスベガスのホテルに泊まって、無料のアトラクション中心に見て楽しみ、ホテルのポイントで安い掛け金のスロットマシンを楽しみ、100ドルぐらい勝ったら大喜びでちょっとリッチなバーで飲んだりするのだそうです。高級なレストランやバーは、カジノで勝った時のボーナスと言っていました。

ギャンブルをして勝ったらホテルのレストランに消えるのですから、結局はホテルに全部巻き上げられています。しかしさまざまなアトラクションを楽しみ、時には映画で見るような有名人を見かけ、夢のような空間を満喫してほんのちょっぴりギャンブルでスリルを味わうというのがたまらないそうで、ギャンブルに勝っても負けても十二分に楽しめるのだそうです。多くのラスベガスのリピーターは、こうやって虜にされた人達のようです。

話を戻すとパチンコはギャンブル性を高めていったのに、娯楽性が薄く負けたら悔しさだけが残るようになってしまったのではないでしょうか。一時的に勝っても最終的には負けるということに気がついた人はパチンコにはいかなくなるので、客離れが進んでいるのだと思います。お金を奪われるのが確実で、苦々しい思いをするところに好き好んで行く人は少数派でしょう。

さらに「平台なら1万円もあれば遊べるが、パチスロは3万円ぐらいないと遊べない。これからは1万円ぐらいで遊べるパチスロが必要」というパチンコ関係者のコメントが新聞に出ていましたが、このように高い軍資金がなければ遊べなくなったことが新規客の参入を拒んでいます。この関係者の金銭感覚の麻痺は、致命傷でしょうね。今時、1万円もなければ遊べないなんてブルジョワの遊びなんですから。

私は子供の頃の記憶にある、ノンビリとしたパチンコ屋の雰囲気が好きでした。大人しか入れない少々の猥雑さと怪しさがあり、タバコやチョコレートを抱えて父親が帰ってくるパチンコ屋に、大きくなったら自分も行くのだろうと思っていました。しかし今ではパチンコ屋に行こうという気持ちにはなれません。今のパチンコ屋にはたまにトイレを借りに入る事があるんですが、けばけばしい明かりと騒々しい音楽の中に、喪失感みたいなものを感じるんですよね。



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COMMENT:
AUTHOR: k0yaji
DATE: 01/21/2011 12:11:02
私もかつて、3000円とお茶代だけ握り締めてパチンコに通ったクチです。
勝っても2000円から5000円ぐらいでしたが楽しかったですよ。
でもココ何年もパチンコ屋に行きたいと思った事もありません、理由は、ハネモネさんがおっしゃる通り、楽しくないからです。
 
私は日本人に生まれて40年以上経ちますが、一つ疑問があります、パチンコをはじめ公営のゲームが沢山、長期間にわったって運営されている日本で、
なぜ、おそらく中国マネーをターゲットにしているであろうカジノ構想が今だにネガティブに捉えられているのか?
日本人ほど博打慣れしている国民は少なくないと思うのですが、、、、

大規模なカジノが出来れば、パチンコがかつての様な、のんびりした雰囲気に戻る、そんな期待をもっています。

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AUTHOR: つるひめ
DATE: 01/21/2011 20:33:58
そうですねえ。
羽根モノ、現金機の消滅が客がパチンコから遠ざかった一番じゃないですかねえ。
羽根モノはおもしろかったなあ。ビッグシューターなんか最高でした。席を変える毎に打ち止めした時はヒーロー気分でした。(^_^)
たぬ吉君もよかったなあ。隣の席の女の子がⅤ出した時、お互いに顔見合わせてⅤサインでエール。良かったなあ。羽根モノは出玉4000発で打ち止めです。
現金機も1/250程度で大当たりで2200発。
楽しかったなあ。
スンマセン、ノスタルジーでした。。。

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AUTHOR: 冬_寂
DATE: 01/22/2011 13:12:10
「胴元が必ず儲かる」システムにわざわざ手を出す…やはり客を惹きつける「バリュー」がないといけませんよね。どんなものでも先鋭化しすぎると新規の客に敷居が高くなりすぎますから。
競馬はその点うまくやっているのかもですね。(リターンの)期待値がパチンコより低いのに。


パチンコ業界だけでなく、映画業界もゲーム業界も、娯楽産業は多かれ少なかれ財布の紐が固い最近のお客には苦しめられているんではないでしょうか…


止めるのが難しそうなタバコもパチンコも覚えなかったので完全に他人事なんですが(^^;)

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COMMENT:
AUTHOR: 盆汁
DATE: 01/22/2011 22:18:21
>父親が山のようにお菓子を抱えて帰ってくる所でした

うちもそうでした。
玩具やら必ずもって帰ってくるため パチンコ屋さんとはそうゆうものだと思っておりました。

私のお爺さんは競馬が好きで、幼稚園のころからよく競馬場に連れてってもらい
帰りのおでんがとても美味しかった記憶があります。

ですからギャンブルにはまったく興味が沸きません。

そうだ
はねものさんのインプレを参考にさせていただき
万双のシモーネ 天ファスナーを店頭でゲットいたしました。

あっちこっちとずっと悩んでいたのですが、
本当に10万クラスの鞄と遜色はありませんね。
これからじっくり育てたいです。

宜しかったらはねもねさんのインプレをお聞かせください。


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COMMENT:
AUTHOR: はねもね
DATE: 01/24/2011 18:13:30
★k0yajiさん
以前は2、3000円ぐらいを握っていくぐらいでしたよね。それがいつの間にかギャンブル性が強くなって、私は自分のお金でパチンコをしたことがほとんどありません。

公営カジノは真剣に議論していいと思うんですよね。ネガティブな反応ばかりが出てきますが、ラスベガスのように決してそれだけじゃないと思うんです。以前にも書きましたが事業としては難しい面も多いので、感情論以外の議論が必要なんですけどね。。。


★つるひめさん
最近まで私は知らなかったのですが、今のパチンコはプリペイドカードでやるんですね。お金を入れて球がジャラジャラって出るイメージのままでしたので、友人から「いつの話をしてるんだ?」と笑われました。

私の周囲でも「パチンコは昔の方が良かった」というノスタルジックな話をよく聞くのですが、果たして今のパチンコ機でも10年後20年後には「あの頃は良かった」という話が出るんでしょうか?恐らく出るでしょうが、その時は楽しかったという話よりも「儲かった」という思い出の方が多いような気がしてしまいます。

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COMMENT:
AUTHOR: はねもね
DATE: 01/24/2011 18:14:46
★冬_寂さん
競馬は上手く娯楽への道を辿っていますね。競馬のドラマを熱く語る人は多いですが、そういった行為は市民権を得ているように思います。家族連れや女性を取り込みだした時には、ビートたけし氏をはじめとして批判が相次ぎましたが、他の公営ギャンブルに比べて先見性があったように思います。

娯楽産業はどこも厳しいみたいですね。財布の紐が固い今だからこそ、ファンを掴むには絶好の機会でもあるんですけどね。なかなか現状は厳しいようです。


★盆汁さん
以前は、子連れで行ってもノンビリしたムードだったんですよね。今は子供を連れて入るなんてできませんし、なんだか殺伐としていますよね。

シモ天を買われましたか!これはお買い得の鞄ですよね。この件については、メールしますね!
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COMMENT:
AUTHOR: sunaonakokoro
DATE: 01/25/2011 22:08:56
子供のころ、我が家にパチンコ台がありました。
どこか閉店した店から安く買ってきたんでしょうか?
父が持って帰って来てからは近所の子供たちが入れ代り立ち代り遊びに来てました。
チューリップが開くのが嬉しかったですね。
バチンバチンと親指で弾いて・・・

ところが実際大人になりパチンコ屋に行ける年になったらドアノブのようなものを回す物になってるし、あっという間に玉はなくなるし、絶対勝てないし^^;

その点競馬は良いですよ~
100円から遊べますからね

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COMMENT:
AUTHOR: はねもね
DATE: 01/27/2011 13:11:04
★sunaonakokoroさん
競馬は上手くやってますね。騎手や馬の物語を上手くメディアにのせているので、儲けるというよりも馬や騎手を応援するためにちょっとだけ馬券を買うという人も多いように思います。

私の友人の父親は、パチンコが一発ずつ球を弾かなくなってから辞めたそうです。あっという間に球を浪費するし、指の力加減で勝負できなくなったのが嫌だったのだそうです。しかし家にパチンコ台があるっていうのは、台を入れ替えた後に売っていたってことですかね。昔の台なら子供のいいオモチャになりますね(^.^)

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COMMENT:
AUTHOR: 村石太ちゃんマンキング
DATE: 04/02/2011 20:02:02
昔 羽もので 200円から300円ぐらいづつ 使った記憶があります。1球2円50銭時代かなぁ。
2千円から3千円で遊ぼうと考えた時代です
その頃のアルバイトの時給は 約500円から600円ぐらいかなぁ。映画入場料が思い出せないです。~
高度成長時代からバブル なんとか仕事が みんなあった時代かなぁ。その頃も 苦しい奴は たくさんいたんだけれど。今と食える食えないは どうだろうか?
レンチャン機 規制 レンチャン機 規制
少し 昔のパチンコファン? 飽きたのかもしれない。テレビ DVD ゲーム 多趣味にもなった
若者は ゲームを支持していると思う。
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コメント

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