村田諒太が勝利 今後の展望は?

WBAミドル級タイトルマッチで、村田諒太がアッサン・エンダムにTKOで勝利しました。前回の雪辱を果たしてWBAの正規王者となり、日本人としては初の金メダリストの世界王者です。日本人のミドル級の世界王者としては、竹原慎二以来の二人目になります。


村田の勝因

前回の反省点として、手数が少ない、ジャブが少ない、後手にまわるというのがありました。今回は、これらを修正してきたのが大きかったと思います。特にジャブが出ていたので、村田の武器である右がよく入っていました。

エンダムは左に回り続けたり、右に回り続けたり、距離をとったり縮めたりとラウンドによって変えていましたが、村田の右を如何に殺すかに悩んでいたようです。1Rは距離をとって村田の右が届かないように右に動きますが、ジャブで止められて右を浴びていました。3Rは距離を詰めながら右に動いて、村田の右を打つ距離を殺そうとしました。しかし右を浴び続けたので、4Rは再び距離をとっています。

村田の右は「弓を引くような」と例える人もいるほど予備動作が大きかったのですが、以前よりコンパクトな打ち方になっていて、ジャブでエンダムの動きを止めてから右を打つというパターンが何度も見られました。

エンダムの敗因

突然のリタイアに驚きました。怪我などのトラブルがあったのか、今の時点ではわかりません。敗因はいろいろあるでしょうが、村田を舐めていたように見えました。村田はツーステップ(前のステップと後ろのステップ)のボクサーなので、左右に動き続ければ強打をもらわないと考えていたように思います。

しかし実際には左で動きを止められてしまい、右に動いても左に動いても村田の右が飛んできました。セコンドが動き方をエンダムに任せているというリポートがありましたが、あまり細かなプランを立ててなかったように思います。

今後の村田はどこへ向かうのか?

「ここにいるファンは僕より強いチャンピオンがいることも知っています」と語っていましたが、以前からミドル級の頂点を目指すことを言っていました。現在のミドル級はWBA/WBC/WBOの世界王者ゲンナジー・ゴロフキンと人気No1のサウル・アルバレスが9月に激突し、引き分けに終わっています。現在のミドル級の頂点はこの2人によって争われていて、村田はこの試合の勝者と戦いたいと言っていました。

※サウル・アルバレス ミドル級で最も高額なファイトマネーを得ている選手です。

村田がこの2人に追いつくには、強豪と戦って勝利する必要があります。しかし強豪達はゴロフキンと試合をするか、不可能ならゴロフキン対アルバレスの再戦の勝者と戦いたいと考えています。そのため村田と試合をするメリットは少なく、簡単に実現するとは思えません。しかし今回は試合のカードを決める重要なキーマンがリングに上がっていました。ボクシングのプロモート会社、トップランク社のボブ・アラムです。

※ボブ・アラム リングに上がって村田と満面の笑みで握手していました。

彼はアメリカで最も影響力を持つプロモーターで、多くの強豪選手と契約をしています。ボブ・アラムが来日していたということは、村田のビッグマッチが実現する可能性もあります。個人的にはデビッド・レミューとの対戦を見たいんですけどね。カナダのブンブン丸で、超人的なパワーで強打を打ちまくる選手です。エンダムから4回ダウンを奪い、ゴロフキンにKOされています。

※デビッド・レミュー ルックスが良いのも人気の理由です。

圧倒的な攻撃力を持つレミューと防御力に優れた村田の激突は、とても興味があります。まだ村田が戦うには早いという声もありますが、レミューに勝てれば一気にミドル級のトップグループに名を連ねることができます。もっともレミューが村田と戦うメリットが全くないので、実現は厳しいのですが。ともかくボブ・アラムがどんなカードを出してくるか、楽しみにしたいと思います。

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