善光寺の落書きとセクハラとフェラーリと

長野市の善光寺の壁や柱に大量の落書きが見つかった事件で、長野中央署は47歳の女を逮捕しました。女は容疑を認めていて、今後は動機などの解明が進むでしょう。この善光寺は、昨年には貫主(最高位のお坊さん)に辞職勧告が出されていて、寺の中で騒動が続いています。この騒動が落書きの背景にあるのでしょうか?



善光寺とは

長野県長野市にある仏教に宗派が出来て分かれる前から存在する寺で、日本最古の阿弥陀如来像を本尊にしています。そのため宗派に関係なく、宿願が可能になっています。江戸時代には「一生に一度は善光寺詣り」と言われたほど、歴史も人気もあるお寺です。日本において最も重要な文化財の一つで、本堂は国宝、山門は重要文化財に指定されています。

※善光寺の阿弥陀如来像

スキャンダル

2004年に週刊誌が、貫主である小松玄澄の女性スキャンダルを報じています。貫主は「かんす」と読み、一般的なお寺では住職と呼ばれる職になります。小松貫主には妻子がありながら地元テレビ局の女子アナを含め、複数の愛人がいるという内容でした。匿名の投書を元に取材が始まっているのですが、女子アナとのデート現場をビデオ撮影するなど手が込んでいて、小松貫主に近い人物の告発の可能性などがささやかれました。この時に、小松貫主の辞任騒動が勃発して裁判にもなっています。

小松玄澄とは

貫主の小松玄澄(こまつげんちょう)は、1933年の京都生まれで、10歳の時に受戒を受けて出家しました。比叡山延暦寺の百日修行などを経て、91年に副住職になります。そして2002年に貫主になりました。善光寺の事実上のトップであり、「生き仏」として全国の仏教信者の尊敬を集める人物です。愛車は世界に数百台しかないベンツとフェラーリで、スピードを愛する人物だと言われています。


辞任勧告

2016年7月、善光寺の職員らが小松貫主の辞任を求めだことが報じられました。ことの発端は、小松貫主に差別発言をされた女性職員が部落解放同盟に相談を持ちかけたことでした。これをキッカケに、小松貫主にセクハラされたという女性職員や、セクハラを拒絶したために不当な配置転換をさせられたという女性らが名乗りをあげ、辞任勧告に至りました。

小松貫主は記者会見を開き、セクハラは事実無根で辞職勧告には法的拘束力もないので、辞めるつもりはないと反論しました。ここから両者は泥沼の対立になります。この時にも、小松貫主の愛車のフェラーリに落書きされているのが見つかっています。

まとめ

このように善光寺は以前からトラブルが続いていて、小松貫主の動向が注目されていました。騒動の当初は善光寺内の権力闘争との見方もありましたが、小松貫主が不倫相手に送ったメールが暴露されたり、被害女性の生々しい証言が次々と出てきて、信憑性が高まっていました。

不倫の真偽はともかくとしても、雲上人と呼ばれる徳の高いお坊さんがフェラーリを乗り回し、女子アナと食事をしていたのは事実で、これだけでも眉をひそめる行為であったことは間違いなく、批判が出ていました。今回の落書きが、この騒動に関連しているのか、それとも全く異なる動機があるのかは、これからの捜査で明かされると思います。



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