どんなスーツを着たら良いのか /スーツを着ない時代のスーツ考察

日本ではクールビズの影響でノーネクタイが増え、スーツを着なくて良い会社も増えました。日本の気候に決して適しているとは言えないスーツですが、ちゃんとした格好と言えば今でもスーツになります。徐々に脱スーツが進む昨今ですが、あえてスーツを考えてみたいと思います。




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スーツの歴史

起源はイギリスにありますが、何が元になって現在のスーツになったかは、諸説あってはっきりしません。少なくとも19世紀末に部屋着として使われていた服が、そのまま外で着るようになったそうです。しかしここで挙げたいのは、イギリスの服飾史に大きな影響を与えたイギリス国内で19世紀に起こったギリシアブームです。



ミロのヴィーナスをはじめ、数々のギリシア彫刻が出土し、これがイギリスでも展示されるとギリシアブームが起こりました。彫刻の男女の肉体は人間の理想形となり、ギリシア彫刻のような体型になることが願望となりました。そこで考え出されたのが、服によってギリシア彫刻のような肉体になることです。

現在もイギリスのスーツに残る、がっしりした肩、くびれたウエスト、ボリュームのある胸は、ギリシア彫刻が元になっていると言われます。

やせガマンの文化

イギリス人は多少暑かろうが、多少窮屈だろうが、どこに行ってもスーツを着ました。インドやアフリカに行ってもです。やせ我慢をしてスーツを着続けるのは、スーツを着た方が体型が立派に見えるからであり、相手に与える印象が立派になるからです。

※「ナイル殺人事件」の一コマ。アフリカでもスーツを着ています。

スーツが各国に伝播する中で、アメリカでは合理性が取り込まれ、イタリアでは彼ら特有の洒落っ気が含まれていきますが、どこに行っても立派に見えるからスーツが世界各地でスタンダードな服になっていくのです。




立派に見えないスーツは着る意味がない

このような経緯を考えると、暑かったり窮屈だったりしても、あえてスーツを着続けるのは立派に見えるからであって、逆に言えば立派に見えないスーツは着る意味がないとも言えます。



ここで大事なポイントであり巷で頻繁に勘違いされているのは、立派なスーツではダメだということです。スーツが立派に見えるのではなく、スーツを着た人が立派に見えなければ、本来のスーツの役目を果たしているとは言えないでしょう。

まとめ

暑苦しいからだらっと着て、見た目がだらしなくなるならスーツを着る意味がないですし、スーツの立派さばかりが目立って着ている人が負けてしまうようでは、スーツを着ない方がマシになってしまいます。高温多湿で異常な暑さが襲う日本で、それでもスーツを着なくてはいけないなら、これらのことを少し考えてみてはいかがでしょうか。

ではどんなスーツが良いのか?そんな話は、また別に書きたいと思います。


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