ビジネスマンはどんな革靴を履くべきか

最近はスーツをきちんと着る人が少なくなったとか、着こなしができない人が増えたなんて話を聞きますが、靴に比べればスーツの乱れなんて可愛いものだと思います。さらにおかしなルールやマナーが後付けで加わり、何がなんだかわからなくなっているように思いますので、今回は革靴の話を書こうと思います。そして結論を先に書くと、ビジネスマンが履くべきは足に合った靴なのです。



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足に合わない靴を履く人が多い

革靴だろうがスニーカーだろうが、足に合った靴を履くべきです。どんなに高価な靴でも、毎日磨いていても、足に合わなければ意味がありません。足に合わない靴は、疲れやすいうえに足を痛めやすいのです。

「足のサイズは26cmだから、いつも26cmを買ってるので大丈夫です」

なんて言う人は、まず間違いなく足に合わない靴を履いています。足の形は顔と同じく千差万別なので一概には言えませんが、スニーカーも革靴も同じサイズでピッタリ合う人の方が少数派です。それに革靴だけで考えても、あらゆるメーカーの26cmがピッタリ合うなんてことも、そんなにないのです。靴の長さだけでサイズを決めている人は、大抵の場合はブカブカの靴を履いているように思います。

靴のサイズとは

26cmとか27cmといった長さの他にも幅があります。ウィズとかワイズと呼ばれるのが靴幅のサイズで、長さと同じくらいこちらも重要です。幅のサイズは最も細いAから、最も幅広いEEEまで多様です。同じ26cmの人でもウィズがBとEでは全く履き心地が違いますし、Eでピッタリの人はBは履けません。売られている革靴の多くはEからEEEで、まれにDなどもあります。


※widthをワイズと読むのは無理がありますよね。

長さと幅が合えばいいかというと、そうでもありません。足の指の形がそれぞれ違うため、つま先の形状によっては履けない靴も出てきます。また踵の太さもそれぞれですので、歩いていると踵がスポスポ抜ける靴や、歩くだけで踵が痛くなる靴があります。そのため自分の足の長さや幅を知ることは重要ですが、それだけでは足に合わないことが多々あるのです。

どうやって足のサイズを知るか

自分の足のサイズを知るには、専門家に測ってもらうしかありません。とりあえず長さと幅を知ることができれば、そのサイズの靴を片っ端から履いてみて、指先や踵などが狭くないか緩すぎないかを見てみるのです。一度、靴をオーダーしてみるという手もありますが、それは敷居が高いのでいきなりは難しいと思います。
※足のサイズを計測する機械

測ってもらうと、大抵の人が思っていたよりも小さなサイズになって驚きます。もちろん実際に靴を買うときには、好みで少し大きめを買う人もいますが、実際の足のサイズを知っておくと靴を選ぶ時に選びやすくなるのです。無料で足のサイズを測ってくれる店はありますので、そういうお店に相談しましょう。都内でしたら、私もお店を紹介できます。

それでも難しいサイズ選び

革靴は製法によって履き心地が変わってきます。最も一般的なのがセメント製法と呼ばれるもので、アッパーと呼ばれる靴の上の部分の革と靴を接着剤でくっつけたものです。定価が3万円未満の靴は、セメント製法で作られているケースがほとんどです。靴底の交換ができないので、すり減ったら寿命です。最近は1回だけ靴底交換ができるセメント製法の靴もあるようですが、できないものの方がほとんどですね。


※セメント製法の靴の断面

問題はアメリカやイギリスの靴に多い、グッドイヤーウェルト製法で作られた靴です。とても頑丈なつくりで、水が靴の中に染み込みにくいのが特徴です。このグッドイヤーウェルト製法の特徴の一つとして、新品で買った時から半年ぐらいまでの間に靴底が沈み込むことです。ですから買った時にはピッタリでも、数か月するとゆるゆるになることがあります。靴の製法によって、靴屋さんのアドバイスを聞きながら選ぶしかありません。


※グッドイヤーウェルト製法で作られた靴の断面


どんな靴を買うのか

スーツに合わせるならば、紐で結ぶタイプの靴にしましょう。安倍総理はスリッポン(ローファー)を履いていることもありますが、ローファー(なまけ者)の名前通りにリラックスした印象を与えるカジュアルな靴です。安倍総理はカジュアルな靴をスーツに合わせることが多く、お手本にしない方が無難な方です。スリッポンはジャケパンスタイルにはとても合うので、少しくだけた格好をする時には便利な靴です。


※スーツにタッセルローファーを合わせる安倍総理。お勧めできません。

選ぶのはプレーントゥかストレートチップと呼ばれるもので、外羽式より内羽式の方がかしこまった印象になります。プレーントゥとストレートチップの使い分け方など細かい話もあるのですが、ビジネスマンなら黒のプレーントゥかストレートチップを履いておけば間違いありません。

ブローギング(穴飾り)が施された靴は、アウトドア用のデザインなのでカジュアル寄りになります。少し古いアメリカのテレビドラマを見ると、FBIの捜査官は3ピースのスーツにフルブローグの靴を履いていますが、これはスーツでFBIの威厳を示しつつ捜査官がハードに動き回るために考え出された折衷スタイルです。一般の人が真似をしても意味がありません。ブローギングが施された靴は、スーツに合わせない方が無難です。


※フルブローグ

まとめ

靴に関していろいろと解説している本は多いのですが、まずは足に合った靴を履くのが最も重要だと思います。そのためには専門家の手を借りて、自分の足のサイズを正確に知る必要があります。これが最も基本であり、最も重要なことなのです。昨今の「革靴は疲れる」「革靴は足が痛い」といった風評の大部分は、足に合わない靴を履いていることに起因しています。

最近では通勤時にスニーカーを履いて、もっと歩くようにしようという声さえあります。何十キロも歩いたり、山を越えて通勤する人ならともかく、普通に電車通勤する人なら革靴でも十分歩けますし、革靴のせいで足を傷めることもありません。安易に軽量化された靴やスニーカーを選択する前に、革靴のサイズを見直してみてください。



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