子供のための歴史講座04:長いナイフの夜

注)この記事は以前のブログの転載記事です。

いや〜乱世乱世。時は1934年、日本では渋谷にハチ公像ができた年だ。ドイツで大人気のヒトラーさんは首相になり、独裁者への道を駆け上がっていた。ヒトラーさんは突撃隊という軍隊を持っていて、レームさんが率いていた。レームさんはヒトラーさんが大好きだから、頑張って突撃隊を大きくしたんだ。

※独裁者として有名なヒトラーさん


ヒトラーさんが政権を獲ったら、国防大臣として突撃隊をさらに強くするぞ、と固く誓っていたけど、レームさんは大臣になれなかった。ショックのあまり、ヒトラーさんの悪口言いまくる。

娘「最低だ。ゲスだ」

男の嫉妬は深いのだよ。ヒトラーさんも、長いこと頑張ってくれたレームさんを気の毒に思って、勲章をあげたりしたけどレームさんのヘソは曲がったまま治らない。とうとうレームさんが反乱を起こすという噂が広まった。
※右から2人目がレームさん、左から2人目がヒトラーさん


娘「そもそもなんでヒトラーさんが軍隊を持ってるの?」

ドイツは第一次大戦に負けたからペナルティがいっぱいあって、小さい軍隊しか持てなかったんだ。だけど突撃隊はドイツの軍隊じゃなくて政党の軍隊だから、外国との約束はギリギリ破ってないことになる。

そしてレームさんの立場をややこしくするのが、レームさんと出世争いをしていたゲーリングさんと、親衛隊のヒムラーさんの存在だ。この2人にとって、ヒトラーさんの悪口を言うレームさんは、格好の標的だった。

娘「ヒトラーさんに、ゴマすりまくれるもんね」

そうそう、出世争いなんてそんなもんだ。ゲーリングさんやヒムラーさんは、ヒトラーさんに「あいつ、やっちまいましょう」と何度も言う。出世の邪魔者は排除したいんだな。

娘「ゲスすぎる」

ついに決断したヒトラーさんは、リューマチの治療をやっているレームさんに「会議をやるから、突撃隊のみんなで来てね」と連絡する。レームさんたちがやって来たところで、ヒトラーさんが「君たちを逮捕する」と言って、収容所に入れてしまった。この時に、ヒトラーさんに反対する人たちをまとめて捕まえたんだ。

娘「だまし討ちじゃない!」

そう、だまし討ちだ。そもそも「長いナイフの夜」という名前は、宴会の時に長いナイフでだまし討ちをした歴史的事件に因んでいる。ヒトラーさんは、だまし討ちで内部の敵をみんな捕まえたんだよ。

娘「レームさん達はどうなったの?」

銃殺されたよ。他の人もね。

娘「え!みんな怒らなかったの?」

ドイツ国内ではレームさんが反乱を起こす噂があったから、やったー!って感じになった。外国からは「やりすぎ」とか「ひどすぎ」とか言われたけど、ソ連のスターリンさんだけは「ヒトラーさん、マジすげぇ」って言ってたらしい。

娘「もっとゲスなのがいたのか」

こうしてヒトラーさんは、独裁者としてドイツに君臨して、第二次世界大戦の引き金を引くんだ。つまり、男の嫉妬には気をつけろって話だよ。怖いよね。




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