大荒れのミドル級戦線 /村田諒太は誰を目指すのか
ボクシングのミドル級は、この1年で混乱を極めています。あまりに多くのことが起こり、勝利と失格と剥奪と批判が巻き起こって何が何だか分からなくてなってしまいました。村田諒太が最強のミドル級の座を目指して進む先には誰がいるのか?本人はゴロフキンの名前を出していましたが、今後どうなるのか?それを考えるために、ミドル級で起こっていることをまとめてみました。
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そしてミドル級最強と呼ばれる挑戦者、サウル・アルバレスとの防衛戦が一気に動き出します。9月に両者は対戦し、引き分けでゴロフキンは王座を防衛しました。しかしメディアや観客からはゴロフキンの勝利だったのでは?という声が上がり、疑惑の判定と呼ばれました。この騒動で、再戦が望まれるようになります。
この騒動で再戦は流れてしまいます。さらに事態をややこしくしたのは、4月にアルバレスがWBCが義務付けている抜き打ちのドーピング検査を拒否したことです。これがさらなる疑惑を招きました。WBCはアルバレスをランキングから外しますが、アルバレスはゴロフキンとの再戦が決まれば検査を受けると発表し、時間稼ぎをしているとの批判を受けました。
ゴロフキン陣営がデレビャンチェンコの代わりに指名したのは、1階級下の選手で2年間も試合をしていないバネス・マーティロスヤンでした。IBFはミドル級での対戦経験がなく2年もブランクがあるマーティロスヤンとの試合をタイトルマッチにすることを拒否し、さらに90日以内に指名挑戦者のデレビャンチェンコと試合をすることをゴロフキンに求めました。
2018年5月5日にゴロフキンはマーティロスヤンと対戦し勝利しますが、IBFは90日以内の指名試合を拒否したためゴロフキンから王座を剥奪しました。
両者は9月15日に対戦し、2-0の判定でアルバレスが勝利しました。しかしこれには観客も関係者も首を傾げます。多くの人はゴロフキンの勝利だったと思っていて、再び疑惑の判定と言われてしまいました。これにはゴロフキン陣営も不満で、すぐに意見書を提出しますが、WBCは却下しました。
WBCはゴロフキンに対し、アルバレスへの挑戦者決定戦としてジャーモール・チャーロとの対戦を指示しました。
この動画流出騒動の最中、ソーンダースが抜き打ちのドーピング検査で陽性反応が出たことが発表されました。10月にアメリカマサチューセッツ州でソーンダースは防衛戦を行う予定でしたが、州コミッションはソーンダースのライセンスを認めない決定を下しました。一連の騒動を経て、ソーンダースはWBOに王座を返上しました。
WBAスーパー王者、WBC王者
村田諒太
WBA王者
ジャーモール・チャーロ
WBC暫定王者
IBFとWBOは空位
帝拳ジムは、今後はアルバレスとの対戦を目指すとしていますが、ゴロフキン以上にファイトマネーを稼ぐアルバレスとの対戦は、交渉のテーブルに着くまでが大変そうです。しかしそれも次の防衛戦にかかっています。なにせラスベガスで試合を行うので、アピールするには最高の場所だからです。
面白い試合を展開し、十分な強さを示すことができればアルバレス との対戦の可能性が出てきますし、勝っても試合が面白くなければマッチメイクしてもらえないでしょう。世界的な知名度が高いとは言えない村田が、目の超えた本場のファンにどれだけアピールできるかで、将来が大きく変わってきます。
衰えが見え始めたゴロフキン陣営は、なんとか高いファイトマネーで試合をすることを望み、それが混乱の原因の1つになりました。さらにアルバレスのドーピング陽性反応が、事態をややこしくしてしまいました。歪んだボクシング界を象徴する事態で、今後どのようになるのか誰にもわからない状況です。
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ゴロフキンの衰え
2017年3月、それまで絶対的な強さを見せていた王者ゲンナジー・ゴロフキンでしたが、ダニエル・ジェイコブスとの防衛戦でなんとか判定勝利をおさめました。WBA、WBC、IBFの3団体の王者に認定され、相手構わずKOしてきたゴロフキンが、ジェイコブスとの対戦で衰えを見せたのです。これによりゴロフキンへの挑戦を表明するボクサーが一気に増えます。そしてミドル級最強と呼ばれる挑戦者、サウル・アルバレスとの防衛戦が一気に動き出します。9月に両者は対戦し、引き分けでゴロフキンは王座を防衛しました。しかしメディアや観客からはゴロフキンの勝利だったのでは?という声が上がり、疑惑の判定と呼ばれました。この騒動で、再戦が望まれるようになります。
アルバレスの疑惑
2018年1月に両者の再戦が決定しましたが、3月に行われた抜き打ちのドーピング検査で、サウル・アルバレスから陽性反応が出でしまいました。アルバレスはメキシコで食べた肉が汚染されていたと弁明しますが、ゴロフキンは「アルバレスが禁止薬物を使っているのは明らか」と、厳しく非難して舌戦を展開します。ネバダ州アスレチックコミッションは、アルバレスの試合出場資格を停止しました。この騒動で再戦は流れてしまいます。さらに事態をややこしくしたのは、4月にアルバレスがWBCが義務付けている抜き打ちのドーピング検査を拒否したことです。これがさらなる疑惑を招きました。WBCはアルバレスをランキングから外しますが、アルバレスはゴロフキンとの再戦が決まれば検査を受けると発表し、時間稼ぎをしているとの批判を受けました。
ゴロフキンの対戦回避
アルバレスがドーピングで揺れている頃、IBFはゴロフキンにセルゲイ・デレビャンチェンコと指名試合を行うように通達します。しかしデレビャンチェンコではビッグファイトにならず、ファイトマネーも高額にならないため、指名試合を回避できる特例を申請しました。※セルゲイ・デレビャンチェンコ |
ゴロフキン陣営がデレビャンチェンコの代わりに指名したのは、1階級下の選手で2年間も試合をしていないバネス・マーティロスヤンでした。IBFはミドル級での対戦経験がなく2年もブランクがあるマーティロスヤンとの試合をタイトルマッチにすることを拒否し、さらに90日以内に指名挑戦者のデレビャンチェンコと試合をすることをゴロフキンに求めました。
2018年5月5日にゴロフキンはマーティロスヤンと対戦し勝利しますが、IBFは90日以内の指名試合を拒否したためゴロフキンから王座を剥奪しました。
ゴロフキン対アルバレスの再戦
2018年6月、両者の再戦が発表されました。しかし発表後にファイトマネーの取り分で両陣営の交渉が決裂し、一時は再戦が暗礁に乗り上げます。主にゴロフキン陣営からファイトマネーの低さに不満が噴出し、プロモーターが苦戦しながらも同意にこぎつけました。両者は9月15日に対戦し、2-0の判定でアルバレスが勝利しました。しかしこれには観客も関係者も首を傾げます。多くの人はゴロフキンの勝利だったと思っていて、再び疑惑の判定と言われてしまいました。これにはゴロフキン陣営も不満で、すぐに意見書を提出しますが、WBCは却下しました。
WBCはゴロフキンに対し、アルバレスへの挑戦者決定戦としてジャーモール・チャーロとの対戦を指示しました。
WBO王者ビリー・ジョー・ソーンダース
かつて村田諒太が対戦を望んでいたソーンダースは、2018年9月に動画の流出で騒動を起こしました。麻薬中毒者の女性に金を払って一緒にいた男性との性行為を迫り、さらに通りかかった男性を小児性愛者だと偽って女性に殴らせていました。激しい批判を浴びたソーンダースは「冗談のつもりだった」と釈明しましたが、批判は収まりませんでした。この動画流出騒動の最中、ソーンダースが抜き打ちのドーピング検査で陽性反応が出たことが発表されました。10月にアメリカマサチューセッツ州でソーンダースは防衛戦を行う予定でしたが、州コミッションはソーンダースのライセンスを認めない決定を下しました。一連の騒動を経て、ソーンダースはWBOに王座を返上しました。
現在のミドル級世界王者
サウル・アルバレスWBAスーパー王者、WBC王者
村田諒太
WBA王者
ジャーモール・チャーロ
WBC暫定王者
IBFとWBOは空位
村田諒太はどうなる?
紆余曲折あってロブ・ブラントとの防衛戦を10月21日に行う村田ですが、本来はこの試合をステップにゴロフキンとの試合を考えていました。しかし上記のようにゴロフキンが負けたため、一旦予定が白紙になりました。帝拳ジムは、今後はアルバレスとの対戦を目指すとしていますが、ゴロフキン以上にファイトマネーを稼ぐアルバレスとの対戦は、交渉のテーブルに着くまでが大変そうです。しかしそれも次の防衛戦にかかっています。なにせラスベガスで試合を行うので、アピールするには最高の場所だからです。
面白い試合を展開し、十分な強さを示すことができればアルバレス との対戦の可能性が出てきますし、勝っても試合が面白くなければマッチメイクしてもらえないでしょう。世界的な知名度が高いとは言えない村田が、目の超えた本場のファンにどれだけアピールできるかで、将来が大きく変わってきます。
まとめ
圧倒的な強さを誇りながら、人気がなかったゴロフキンは、勝っても勝ってもファイトマネーが低いことに不満がありました。一方でラテン系に抜群の人気を誇るアルバレスは、高いファイトマネーを受け取りつつ多くの人や組織に守られている感があります。プロボクサーは実力だけでは食えない、厳しい現実がそこにあります。衰えが見え始めたゴロフキン陣営は、なんとか高いファイトマネーで試合をすることを望み、それが混乱の原因の1つになりました。さらにアルバレスのドーピング陽性反応が、事態をややこしくしてしまいました。歪んだボクシング界を象徴する事態で、今後どのようになるのか誰にもわからない状況です。
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