ワールドカップ ラグビー雑感 /日本が歴史を変えた大会
2009年にラグビーワールドカップの日本開催が決定した時、なんとも無謀な気がしました。日本のラグビー人気は過去のものとなり、ワールドカップでは連敗を重ね続けていたからです。自国開催で醜態を晒すなら、ラグビー人気はさらに低迷することになるはずです。予選プールて1勝しかしたことのない日本にとって、予選プール突破はおろか1勝が高い壁になっていたのです。
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テストマッチがたまにテレビ放送されていましたが、話題になることはほとんどありませんでした。ホスト国のラグビー人気は下火もいいところで、知っているラグビー選手を問えば五郎丸歩のように、既に代表メンバーではない人の名前が出てくるのが精一杯でした。海外でどれほど人気があろうとも、日本ではラグビー経験者を除くと、ほんの一握りの人が待ちわびるマイナーな競技の一つに過ぎませんでした。
「ボランティアスタッフは、フレンドリーというよりも役人のような感じで、そこは立ち入り禁止だとか、ラインを出て撮影しないでとか再三の注意を繰り返していた」と書いていたのは、イギリスのガーディアンだったか、サンだったか。まるで小姑のように注意を繰り返すボランティアスタッフは、大会の浮かれ気分に水を差す存在のように書かれていました。当時は、スタッフも上の人から言われてやっていることだし、気の毒だなと思っていました。
ところが、今回のラグビーワールドカップでは、ホスピタリティの面で多くの国が絶賛しています。予選プールが終わった段階で、ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は大会スタッフに感謝の意を伝え、今大会が歴史に残る大会になったと断言していました。さらに「将来的に)再びW杯が日本に戻ってくることに躊躇はない。この国の反応は格別だ」と、コメントしています。
ボランティアスタッフの評判は、各国選手のツイッターなどからも良くわかるほどで、311震災などを経て日本のボランティアのあり方が変化したのではないかと思いました。
しかし今回のワールドカップでは、多くの人が試合を見ていました。だから福岡や松島がトライを決める過程で、多くの選手が献身的に動き続けていたのを目撃しました。その結果、ラグビーでは地味なポジションのフォワード勢にも注目が集まりました。本来、ラグビーは誰か1人が注目される競技ではありません。ワールドカップが日本で開催されたことで、前回大会とは認識が大きく変わったように思います。
また国歌斉唱のために他国の国歌の歌詞カードを持参して歌っている日本人の姿は、瞬く間に各国に配信されました。「これが日本のおもてなしだ」という見出しで掲載した新聞もあったようです。大会公式も各国の歌詞カードを掲載し、敵国の国歌を共に歌うことを奨励していました。アイルランド国歌を日本人が歌ったことへのお返しなのか、アイルランドファンは敗戦後に自国の応援歌の歌詞を変えて「日本のために立ち上がろう」と歌い、この様子も話題になりました。
ウェールズ対南アフリカ戦では、ウェールズの象徴である長ネギを持って踊りながら応援する日本人ファンの姿も注目されました。そして恒例になった日本人観客によるスタジアムのゴミ清掃は他国のファンにも伝染し、中にはロッカールームを片付けて帰るチームも出てきました。観客席の人達の行動が、これほど多く報道されたワールドカップは、ちょっと記憶にありません。
ボールをお腹に抱えて極端な前傾姿勢で突っ込んでくる選手に、どのようにタックルすればいいのか?その場合、肩のあたりに手が当たってしまうのは仕方ないのではないか?そんな声が出ている中、南アフリカのスクラムハーフ、デクラークは172cmという身長の低さを利用していました。日本との対戦では、意図的に大型選手の横を抜ける動きを見せ、ハイタックルの反則を誘発するような動きを見せました。
タックルは今大会から新たな基準が設けられました。今後は背の低い選手をいかに活用するかが重要なテーマになってくるように思いました。
さらに南アは、最初から自分たちの良さを出すより日本の良さを潰すラグビーを展開してきました。試合前に南アのベッドコーチが「もはや日本はティア2ではない」「最大限の警戒が必要」と語っていましたが、まさにその言葉通りの試合展開でした。南アは日本を自分達と同等の力があると認め、王者らしく真っ向から捻り潰すのではなく、細心の注意を払ったゲームを展開します。
ほんの10年前には、いや5年前でも考えられなかった光景です。王者の南アがまるで同等の敵に対峙した時のように本気で日本を潰しにかかるなんて驚きでした。惨敗しましたが、あれは日本が次のステージに上がった試合でした。今度は日本は強豪国から対等に扱われるようになり、今大会のような連戦連勝は難しくなるでしょう。しかし日本が大きな一歩を成し遂げた大会として、記憶されることになると思います。
しかし日本がロシアに勝つと、一気にラグビーの面白さが日本に伝わり、2戦目のアイルランド戦に勝利すると、ラグビーを話題にする人が一気に増えました。そして日本代表の試合だけでなく、他国の試合にも多くの人が観戦に駆けつけ、多くの試合が満員になっています。
これは各国のラグビー選手が見せたノーサイドの精神に共感を生んだことや、ツイッターなどで発信される各国の選手の様子が心温まるものが多かったというのもあるでしょう。小学校の運動会に飛び入りした南ア代表は、片手で子供達と綱引きで勝負し、子供達が勝てそうにないことが分かると、南アの選手がこっそり最後尾で手伝うユーモラスな姿は、多くのニュースで紹介されました。
ラーメン屋ではしゃぐニュージーランド代表、寿司づくりに挑む南ア代表、リスのエサやりを楽しむナミビア代表など、多くのオフショットが掲載されて話題になりました。そして台風のために無念にも試合が中止になったカナダ代表とナミビア代表は、それぞれがボランティアを行いました。カナダ代表は瓦礫の撤去を手伝い、ナミビア代表はファン交流イベントを急遽実施しました。特にカナダ代表の土砂撤去は話題になり、カナダ代表に感謝の言葉があふれました。稲刈を手伝うカナダ代表の写真は、ムキムキコンバインと名付けられてツイッターのトレンドにも入りました。
日本の歓迎に喜んだ各国代表が、日本のために何かをしようと考え、その行動が日本で感謝される良いスパイラルが生まれて行きました。カナダ代表は、帰国する際に成田空港で大勢の人から土砂撤去のお礼を言われたと、驚きと感謝のコメントを残していきました。こうしてラグビーワールドカップに参加した各国は、よくわからない外国のチームではなく、身近な存在として扱われたように思います。
そして何より火が吹くような激しい試合と、その後の爽やかなノーサイドの精神が、多くの日本人の心を捉えたのだと思います。
しかし爆発するサッカー人気を尻目に、ガラガラのスタンドが当たり前だったラグビー関係者は、にわかでもなんでもまず見に来て欲しいと切に願っていました。五郎丸の言葉は、そんな時代を経た本音だと思います。そして五郎丸の言葉によって、にわかファンが市民権を得ました。テレビでも多くのタレントが「にわかファンですが」と口にし、誰もがワールドカップでラグビーの面白さを知ったことを、臆せず語れるようになりました。未経験者でも、今回初めてラグビーを見た人でも、なんの後ろめたさもなくラグビーを語れる環境が出来上がり増した。
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堀越ほどの大選手なら日本の縦社会の序列を考えると、現役の選手達に「おい、お前ら」とか「あのプレイはダメだろ」みたいに上からものを言っても誰も反論できないでしょう。しかし堀越は常に「田中選手は」「中村選手が」と、名前に選手をつけて敬意を示していました。これは吉田義人もそうですし、他の元代表もそうでした。他のスポーツでは、OBが自分の威厳を示そうとやや横柄な話し方をすることもありますが、私が見たラグビー元代表選手は、現役の選手に敬意を払っていました。彼らの紳士的な振る舞いは、とても印象に残り増した。
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盛り上がらなかったラグビー熱
新国立競技場で開催されるはずだったワールドカップは、競技場の建設によるドタバタで間に合わないことがわかり、東京スタジアムに変更されました。しかし会場は大した問題ではありませんでした。2015年に南アフリカを倒す快挙で一時は盛り上がったラグビー熱は覚め、ラグビーワールドカップを開催する空気は、ほとんど日本にいて感じられませんでした。テストマッチがたまにテレビ放送されていましたが、話題になることはほとんどありませんでした。ホスト国のラグビー人気は下火もいいところで、知っているラグビー選手を問えば五郎丸歩のように、既に代表メンバーではない人の名前が出てくるのが精一杯でした。海外でどれほど人気があろうとも、日本ではラグビー経験者を除くと、ほんの一握りの人が待ちわびるマイナーな競技の一つに過ぎませんでした。
ボランティアスタッフの変化
あるスポーツ誌の記事を読んで、ハッと思い出しました。2002年のサッカーワールドカップ の時は、ボランティアスタッフの不評があちこちに出ていました。当時はツイッターも4chanもないので、あまり多くの声を拾うことはできませんでした。しかしルール厳守ばかりを主張する日本のボランティアスタッフが、海外かは来場した人達に今ひとつ評判が良くないのは、海外の新聞などから伝わっていました。「ボランティアスタッフは、フレンドリーというよりも役人のような感じで、そこは立ち入り禁止だとか、ラインを出て撮影しないでとか再三の注意を繰り返していた」と書いていたのは、イギリスのガーディアンだったか、サンだったか。まるで小姑のように注意を繰り返すボランティアスタッフは、大会の浮かれ気分に水を差す存在のように書かれていました。当時は、スタッフも上の人から言われてやっていることだし、気の毒だなと思っていました。
ところが、今回のラグビーワールドカップでは、ホスピタリティの面で多くの国が絶賛しています。予選プールが終わった段階で、ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は大会スタッフに感謝の意を伝え、今大会が歴史に残る大会になったと断言していました。さらに「将来的に)再びW杯が日本に戻ってくることに躊躇はない。この国の反応は格別だ」と、コメントしています。
ボランティアスタッフの評判は、各国選手のツイッターなどからも良くわかるほどで、311震災などを経て日本のボランティアのあり方が変化したのではないかと思いました。
ヒーローがいない日本の心地よさ
前回大会では五郎丸歩がヒーローになりました。彼が見せた特徴的なルーティンが話題になり、五郎丸ポーズが流行しました。その一方で、雑誌「ラグビーマガジン」の読者投票でMVPに選ばれたトンプソン・ルークに注目が集まることがありませんでした。なぜなら多くの人が試合を見ていなかったからです。試合を見ていない人には、危機のたびに登場して窮地を救い、攻撃のたびにボロボロにされながら突き進んでいったトンプソンの姿を知る由もありません。※トンプソン・ルーク |
しかし今回のワールドカップでは、多くの人が試合を見ていました。だから福岡や松島がトライを決める過程で、多くの選手が献身的に動き続けていたのを目撃しました。その結果、ラグビーでは地味なポジションのフォワード勢にも注目が集まりました。本来、ラグビーは誰か1人が注目される競技ではありません。ワールドカップが日本で開催されたことで、前回大会とは認識が大きく変わったように思います。
応援する人達も主役になった大会
ニュージーランド代表を迎えるためにハカを踊った少年達、ウェールズ代表のためにウェールズ国家を歌った少年少女達は本国でも絶賛されたようです。特に北九州での公開練習に1万5000人も人々が押し寄せたウェールズ代表は、本国でもこのような歓迎を受けたことがないと、興奮した様子をツイッターで報告していました。また国歌斉唱のために他国の国歌の歌詞カードを持参して歌っている日本人の姿は、瞬く間に各国に配信されました。「これが日本のおもてなしだ」という見出しで掲載した新聞もあったようです。大会公式も各国の歌詞カードを掲載し、敵国の国歌を共に歌うことを奨励していました。アイルランド国歌を日本人が歌ったことへのお返しなのか、アイルランドファンは敗戦後に自国の応援歌の歌詞を変えて「日本のために立ち上がろう」と歌い、この様子も話題になりました。
ウェールズ対南アフリカ戦では、ウェールズの象徴である長ネギを持って踊りながら応援する日本人ファンの姿も注目されました。そして恒例になった日本人観客によるスタジアムのゴミ清掃は他国のファンにも伝染し、中にはロッカールームを片付けて帰るチームも出てきました。観客席の人達の行動が、これほど多く報道されたワールドカップは、ちょっと記憶にありません。
※ウェールズで大反響になった長ネギの応援 |
背が低い選手の有効性
試合に目を向けると、国際ラグビーフットボール協会(IRFB)は、頭部への衝撃に特に敏感になっています。そのため肩より上へのタックル、いわゆるハイタックルを厳しくチェックして反則をとるようになりました。今大会でイエローカード、レッドカードか異常に多い原因の一つで、選手の間でも厳しすぎるといつ声が出ています。ボールをお腹に抱えて極端な前傾姿勢で突っ込んでくる選手に、どのようにタックルすればいいのか?その場合、肩のあたりに手が当たってしまうのは仕方ないのではないか?そんな声が出ている中、南アフリカのスクラムハーフ、デクラークは172cmという身長の低さを利用していました。日本との対戦では、意図的に大型選手の横を抜ける動きを見せ、ハイタックルの反則を誘発するような動きを見せました。
タックルは今大会から新たな基準が設けられました。今後は背の低い選手をいかに活用するかが重要なテーマになってくるように思いました。
列強国に警戒された日本
アイルランド戦は、途中から驚きの連続でした。彼らは強国が弱小国に対するような振る舞いをやめ、まるで強国を相手にしているような戦い方を始めたからです。無理にトライを狙わず、フィールドゴールを積み重ねることを選択し、最後のプレイではトライを捨てて7点以内差の負けで得るボーナスポイントを獲得することを選びました。これは長年ラグビーを見てきた人には信じられない光景でした。さらに南アは、最初から自分たちの良さを出すより日本の良さを潰すラグビーを展開してきました。試合前に南アのベッドコーチが「もはや日本はティア2ではない」「最大限の警戒が必要」と語っていましたが、まさにその言葉通りの試合展開でした。南アは日本を自分達と同等の力があると認め、王者らしく真っ向から捻り潰すのではなく、細心の注意を払ったゲームを展開します。
ほんの10年前には、いや5年前でも考えられなかった光景です。王者の南アがまるで同等の敵に対峙した時のように本気で日本を潰しにかかるなんて驚きでした。惨敗しましたが、あれは日本が次のステージに上がった試合でした。今度は日本は強豪国から対等に扱われるようになり、今大会のような連戦連勝は難しくなるでしょう。しかし日本が大きな一歩を成し遂げた大会として、記憶されることになると思います。
日本で開花したラグビー熱
ラグビーワールドカップが決まった時、日本以外の試合に観客が入るのだろうかという疑問がありました。日本のラグビー人気は80年代から下降を続け、今やラグビーのルールを知らない人の方が多数を占めます。ニュージーランド対イングランドのような好カードでも、ガラガラの観客席になることは十分に予想され、当初はチケットの売り込みにも苦労しているという話が聞こえていました。しかし日本がロシアに勝つと、一気にラグビーの面白さが日本に伝わり、2戦目のアイルランド戦に勝利すると、ラグビーを話題にする人が一気に増えました。そして日本代表の試合だけでなく、他国の試合にも多くの人が観戦に駆けつけ、多くの試合が満員になっています。
これは各国のラグビー選手が見せたノーサイドの精神に共感を生んだことや、ツイッターなどで発信される各国の選手の様子が心温まるものが多かったというのもあるでしょう。小学校の運動会に飛び入りした南ア代表は、片手で子供達と綱引きで勝負し、子供達が勝てそうにないことが分かると、南アの選手がこっそり最後尾で手伝うユーモラスな姿は、多くのニュースで紹介されました。
※ラーメン屋を楽しむオールブラックス |
ラーメン屋ではしゃぐニュージーランド代表、寿司づくりに挑む南ア代表、リスのエサやりを楽しむナミビア代表など、多くのオフショットが掲載されて話題になりました。そして台風のために無念にも試合が中止になったカナダ代表とナミビア代表は、それぞれがボランティアを行いました。カナダ代表は瓦礫の撤去を手伝い、ナミビア代表はファン交流イベントを急遽実施しました。特にカナダ代表の土砂撤去は話題になり、カナダ代表に感謝の言葉があふれました。稲刈を手伝うカナダ代表の写真は、ムキムキコンバインと名付けられてツイッターのトレンドにも入りました。
※寿司を握るスプリングボクス |
※ムキムキコンバイン |
日本の歓迎に喜んだ各国代表が、日本のために何かをしようと考え、その行動が日本で感謝される良いスパイラルが生まれて行きました。カナダ代表は、帰国する際に成田空港で大勢の人から土砂撤去のお礼を言われたと、驚きと感謝のコメントを残していきました。こうしてラグビーワールドカップに参加した各国は、よくわからない外国のチームではなく、身近な存在として扱われたように思います。
※土砂撤去をするカナダ代表 |
そして何より火が吹くような激しい試合と、その後の爽やかなノーサイドの精神が、多くの日本人の心を捉えたのだと思います。
にわかファンが増えて嬉しい
テレビで五郎丸歩が発した「にわかファンが増えて嬉しい」という言葉には、重みがありました。サッカー人気が爆発した際には、かつてからのサッカーファンが、にわかファンを嘲笑することがありました。ガラガラの観客席で、長年応援してきた従来のファンからすると、日本が強くなってから騒ぎ始めた人たちは軽薄に見えたのでしょう。※五郎丸歩 |
しかし爆発するサッカー人気を尻目に、ガラガラのスタンドが当たり前だったラグビー関係者は、にわかでもなんでもまず見に来て欲しいと切に願っていました。五郎丸の言葉は、そんな時代を経た本音だと思います。そして五郎丸の言葉によって、にわかファンが市民権を得ました。テレビでも多くのタレントが「にわかファンですが」と口にし、誰もがワールドカップでラグビーの面白さを知ったことを、臆せず語れるようになりました。未経験者でも、今回初めてラグビーを見た人でも、なんの後ろめたさもなくラグビーを語れる環境が出来上がり増した。
関連記事:ラグビー日本代表の足跡を振り返る /屈辱の日々からの栄光
控えめな元代表選手
試合の中継には吉田義人が解説につき、多くの元代表選手がテレビに招かれました。またワイドショーにも、解説として多くの元代表選手が招かれています。「ひるおび!」には、元代表のスクラムハーフ、堀越正己が出演してMCの恵俊彰にいじられていました。見ていて、堀越正己がどれほどのスター選手だったのか理解してるのか?と言いたくなるような雑な扱いを受けたりもしていましたが、終始にこやかに話をしています。※堀越正巳 |
堀越ほどの大選手なら日本の縦社会の序列を考えると、現役の選手達に「おい、お前ら」とか「あのプレイはダメだろ」みたいに上からものを言っても誰も反論できないでしょう。しかし堀越は常に「田中選手は」「中村選手が」と、名前に選手をつけて敬意を示していました。これは吉田義人もそうですし、他の元代表もそうでした。他のスポーツでは、OBが自分の威厳を示そうとやや横柄な話し方をすることもありますが、私が見たラグビー元代表選手は、現役の選手に敬意を払っていました。彼らの紳士的な振る舞いは、とても印象に残り増した。
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