スパイダルコ デリカ4 /スタンダードすぎるナイフ
アウトドア歴30年を超える友人は、「よく最高のナイフとか最強のナイフとかって言うけど、それを言うのは初心者だけなんだよね」と言います。ナイフは道具であり、目的と用途、使う人の体格や手の大きさなどによって最高のナイフは変わるからです。ロールスロイスが最高の車だと言っても、道幅が狭い住宅街に住む人にとっては最低の車になるみたいな話に似ています。今回紹介するスパイダルコのデリカ4は、最高のナイフと言うより万人受けするナイフの代表格で、極めて平均点が高いナイフとして評価されています。
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片手で刃を取り出せること、軽いこと、ポケットやベルトにつけていて邪魔にならないこと、操作性に難がないことなどから、どれも高い平均点を出しています。ナイフが趣味の人には面白みがないと言われますが、ナイフなんてきちんと切れて目的を果たせればいいという人にはうってつけのナイフになっています。
※こちらはエンデューラです。
96年には第二世代が登場します。ステンレス製のハンドルが特徴で、愛知製鋼で作られたAUS-6というステンレスがブレードに使われました。しかしステンレス製のハンドルはFRN(ザイテル 繊維強化ナイロン)の方が良いという人も多く、FRNハンドルを搭載した第三世代も販売されることになります。第一世代と違い、取替可能なステンレス製のクリップが搭載されました。
そして2006年から現在のモデルである第4世代が登場します。ブレードの素材はVG-10(他H-1などもある)、ハンドルは掃除が容易にできるようにネジ止めになりました。さらにクリップは4方向に取付可能になり、ハンドル内部には強度を増すためにステンレスのライナーが取り付けられました。第三世代はライナーなしで軽量化を図ったのですが、どうしても剛性が弱くなりがちでした。そこでスパイダルコはデリカにライナーを入れ、ライナーなしの軽量化モデルは他で行うことになりました。
ドラゴンフライはハンドル全体を手の平でフォールドできないので、力を入れる作業は苦手です。しかしデリカだとハンドルをしっかり握れるので、力を入れやすくなっています。
両者ではクリップの構造が違います。どちらともポケットに入れても邪魔にならないサイズです。
コンパクトで携帯性に優れたドラゴンフライ、オールマイティに使えるデリカ、料理にも使うなら刃渡りが大きいエンデューラを必要に応じて選べるようになっています。
エンデューラと同サイズで、鋼材にCPM S30Vを使ったパラミリタリー2が登山ナイフとして高い人気を得ていましたが、それをサイズダウンしてデリカと同サイズにしたのがパラ3です。パラミリタリー2が売れすぎて入荷と同時に売り切れる人気モデルですが、パラ3も同様に高い人気を保っています。
名前の通り軍隊用として開発されたものの、登山やキャンプをする人に大人気で、デリカやエンデューラの強力なライバルになりました。価格も上なので、上位モデルとして位置づけられています。
こちらはパラミリタリー2です。
スパイダルコ ネイティブ
こちらがデリカのライナーレスモデルとも言えます。エンデューラと同サイズでライナーレスで軽量化を図ったマニックス2LWが大ヒットし、マニックスのコンパクトサイズがネイティブです。つまりデリカとほぼ同サイズになっています。
登山などでは装備をシステムとして構築するため、軽量化というのは大きな意味を持ちます。一つ一つが10g重いと合計で何kgもの差になるからです。かつてのライナーレス化したデリカ・エンデューラに比べて大幅に強度が高められ、こちらも大ヒットしました。パワーウエイトレシオという言葉がナイフで用いられ、軽量化ブームの発端となったナイフです。
こちらはマニックス2です。
ベンチメイド バグアウト
ベンチメイド社のナイフは、つくりが少し雑な割に高価というのがネックになりますが、使いやすさに関しては定評があるメーカーです。スパイダルコの軽量化路線を見てベンチメイド社が本気で出してきたのがバグアウトで、わずか52.5gという驚異的な軽さです。スパイダルコが始めた軽量化競争を一気に激化させたナイフといえます。
コールドスチール ブロークンスカル
こちらはエンデューラと比較されるモデルですが、面白いので紹介します。全長238mm、刃長105mm、重量88g、鋼材はCTS-XHPを使っています。このサイズで90gを切る重さというのは驚異的です。もちろんこの程度の重さのナイフは他にもありますが、実用に耐える強度を持ち合わせていません。しかしブロークンスカルは本格的アウトドアで使える強度を備えています。鋼材も高級なCTS-XHPですが、これで1万円ちょっとの価格で売り出されたため、今やどこも品切れです。
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最高の普通
スパイダルコは世界的に売れに売れているナイフで、その人気は使いやすさと汎用性にあります。デリカを一言で言うなら「最高の普通」という、どこかの時計メーカーのような言葉が思い浮かびます。釣り人、キャンパー、バックパッカーなどなどが、とりあえずどのナイフを買えばいいかと問われれば、このデリカを勧めておけばそんなに大きく間違えることはありません。料理がメインの人には刃渡りがやや短いので、もう1サイズ大きめのエンデューラがお勧めですが、ちょっとした料理ならデリカでもなんとかこなせます。片手で刃を取り出せること、軽いこと、ポケットやベルトにつけていて邪魔にならないこと、操作性に難がないことなどから、どれも高い平均点を出しています。ナイフが趣味の人には面白みがないと言われますが、ナイフなんてきちんと切れて目的を果たせればいいという人にはうってつけのナイフになっています。
※こちらはエンデューラです。
デリカの歴史
1990年に発売されたデリカは、もうすぐ30年の歴史を持つことになります。G2という日立金属が開発したステンレスをブレードに採用していました。クリップが何度か変更されていますが、このG2を採用したモデルを第一世代と呼んでいます。96年には第二世代が登場します。ステンレス製のハンドルが特徴で、愛知製鋼で作られたAUS-6というステンレスがブレードに使われました。しかしステンレス製のハンドルはFRN(ザイテル 繊維強化ナイロン)の方が良いという人も多く、FRNハンドルを搭載した第三世代も販売されることになります。第一世代と違い、取替可能なステンレス製のクリップが搭載されました。
※デリカ2 |
そして2006年から現在のモデルである第4世代が登場します。ブレードの素材はVG-10(他H-1などもある)、ハンドルは掃除が容易にできるようにネジ止めになりました。さらにクリップは4方向に取付可能になり、ハンドル内部には強度を増すためにステンレスのライナーが取り付けられました。第三世代はライナーなしで軽量化を図ったのですが、どうしても剛性が弱くなりがちでした。そこでスパイダルコはデリカにライナーを入れ、ライナーなしの軽量化モデルは他で行うことになりました。
ドラゴンフライとの比較
以前紹介した、ドラゴンフライとの比較です。大きさの違いが一目瞭然だと思います。ドラゴンフライはハンドル全体を手の平でフォールドできないので、力を入れる作業は苦手です。しかしデリカだとハンドルをしっかり握れるので、力を入れやすくなっています。
両者ではクリップの構造が違います。どちらともポケットに入れても邪魔にならないサイズです。
コンパクトで携帯性に優れたドラゴンフライ、オールマイティに使えるデリカ、料理にも使うなら刃渡りが大きいエンデューラを必要に応じて選べるようになっています。
デリカと比較されるナイフ
スパイダルコ パラ3エンデューラと同サイズで、鋼材にCPM S30Vを使ったパラミリタリー2が登山ナイフとして高い人気を得ていましたが、それをサイズダウンしてデリカと同サイズにしたのがパラ3です。パラミリタリー2が売れすぎて入荷と同時に売り切れる人気モデルですが、パラ3も同様に高い人気を保っています。
名前の通り軍隊用として開発されたものの、登山やキャンプをする人に大人気で、デリカやエンデューラの強力なライバルになりました。価格も上なので、上位モデルとして位置づけられています。
こちらはパラミリタリー2です。
スパイダルコ ネイティブ
こちらがデリカのライナーレスモデルとも言えます。エンデューラと同サイズでライナーレスで軽量化を図ったマニックス2LWが大ヒットし、マニックスのコンパクトサイズがネイティブです。つまりデリカとほぼ同サイズになっています。
登山などでは装備をシステムとして構築するため、軽量化というのは大きな意味を持ちます。一つ一つが10g重いと合計で何kgもの差になるからです。かつてのライナーレス化したデリカ・エンデューラに比べて大幅に強度が高められ、こちらも大ヒットしました。パワーウエイトレシオという言葉がナイフで用いられ、軽量化ブームの発端となったナイフです。
こちらはマニックス2です。
ベンチメイド バグアウト
ベンチメイド社のナイフは、つくりが少し雑な割に高価というのがネックになりますが、使いやすさに関しては定評があるメーカーです。スパイダルコの軽量化路線を見てベンチメイド社が本気で出してきたのがバグアウトで、わずか52.5gという驚異的な軽さです。スパイダルコが始めた軽量化競争を一気に激化させたナイフといえます。
モデル | 全長 | 刃長 | 重量 | 鋼材 | |
1 | スパイダルコ デリカ | 181mm | 73mm | 71g | VG-10 |
2 | スパイダルコ パラ3 | 184mm | 75mm | 96g | CPM S30V |
3 | スパイダルコ ネイティブ | 180mm | 80mm | 70g | CPM S35VN |
4 | ベンチメイド バグアウト | 189.5mm | 82.3mm | 52.5g | CPMS30V |
コールドスチール ブロークンスカル
こちらはエンデューラと比較されるモデルですが、面白いので紹介します。全長238mm、刃長105mm、重量88g、鋼材はCTS-XHPを使っています。このサイズで90gを切る重さというのは驚異的です。もちろんこの程度の重さのナイフは他にもありますが、実用に耐える強度を持ち合わせていません。しかしブロークンスカルは本格的アウトドアで使える強度を備えています。鋼材も高級なCTS-XHPですが、これで1万円ちょっとの価格で売り出されたため、今やどこも品切れです。
まとめ
スパイダルコのデリカは平均点が高いナイフで、アウトドアを楽しむ人なら持って置いて損のないナイフです。本格的な登山や狩猟などではシースナイフを使うでしょうから選択肢に入らないとは思いますが、一般的なアウトドアなら十分に使えるナイフです。クセがないので使っていて楽しくないという声もありますが、スパイダルコはナイフを使うことを目的にした道具ではなく、ナイフで何をするかを考えるメーカーです。関連記事
スパイダルコのナイフを紹介 /機能性を追求したナイフ
スパイダルコ ドラゴンフライ2 /机の中の小道具
コールドスチール /登山からゾンビの襲来まで備えるメーカー
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