スパイダルコ ドラゴンフライ2 /机の中の小道具

アウトドアでは大人気のスパイダルコです。1978年と後発のメーカーですが、人間工学に基づいた設計と、徹底した品質管理により高い人気を誇るようになりました。初めて見たときは、なんとも変な形状だと思いましたが、使った人からは大好評で、現在もっとも売れているナイフメーカーの1つです。アメリカのナイフ市場を席巻し、今や世界的に人気のあるメーカーになりました。私の机にも1つ転がっています。



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ドラゴンフライ2の特徴

とにかく小さなナイフです。手のひらにすっぽり収まるサイズで、それなのに片手で開くことができます。ドラゴンフライはトンボの意味で、虫のように小さいということでしょうか。さらに小さいモデルもあり、これはレディバグ=てんとう虫と呼ばれています。

スパイダルコの特徴である軽量、ワンハンドオープン、人間工学に基づく使いやすさを継承しつつ、小型のナイフとして作られたのがドラゴンフライ2です。94年に発売されて以来、高い人気を保っています。小型なのでキャンプの料理には使えませんが、ちょっとしたものを切断するのにちょうど良いサイズです。

樹脂と金属だけでできた外観は、まさに道具といった雰囲気です。

鋼材

VG-10
弥生特殊鋼材が作っている鋼材で、しなやかで切れ味が良いと評判のステンレス鋼です。比較的研ぎやすいと言われますが、刃持ちも良いと言われています。錆びにくいステンレスで、海水に濡れる環境でなければ神経質になる必要もありません。私のドラゴンフライ2も、この鋼材です。



H-1
こちらも国産の鋼材で、とにかく錆に強いと言われています。海釣りをする人から圧倒的な支持を得ていて、刃持ちも良いので人気が高い鋼材です。海の水に浸かるとステンレスでも錆ますが、これは全く錆びないと評判です。



ZDP-189
これも国産の鋼材で、抜群の硬度を持っています。粒子の細かさから切れ味も良く、いつ研いだのか忘れるほど刃持ちが良いと言われています。ただし硬度が高いため、木など硬いものをガリガリ削ると他の鋼材に比べて刃こぼれがしやすいとも言われています。



ドラゴンフライ2の刃の種類

直刃とセレーションの2種類があります。普通に使うには直刃が使いやすいですが、ロープなどを切るときにはセレーションの方が切れやすいです。私はロープなどを切ることはありませんし、セレーションが嫌いなので直刃しか持っていません。セレーションが嫌いな理由は、自分で研げないからです。普通の砥石で四苦八苦しているのに、棒状の砥石を角度を合わせて削るなんて芸当はできません。

パン切りナイフも切れなくなったら途方に暮れました。普通に使うなら直刃にしましょう。



ハンドル材はザイテル

ザイテルはナイロン樹脂で、軽量で対薬品性に強いとされています。これに滑り止めとなるチェッカリングを入れることで、使いやすさを増しています。



ステンレスハンドルも売られていますが、私は好きではありません。濡れると滑りますし、冬は冷たくて素手で触るのが嫌になります。ザイテルは安っぽく見えますが、実用性は高いと思います。

ハンドルの色

鋼材がVG-10の場合、ハンドルは黒が標準のようです。しかしオレンジのハンドルも売られています。H-1は黄色が標準で、ZDP-189だと緑が標準のようですね。ハンドルの色に拘らない人もいるでしょうが、夜釣りなど夜間に使う人は黒は避けた方が無難です。ナイフに限らず、あらゆる黒い工具は真っ暗な中では本当に探せなくなります。ちょっと横に置いただけで、もうどこにいったか分からず、ライトを照らして探すことになります。黒以外を選びましょう。

クリップ

ベルトクリップが付いています。左利きの人は、クリップを反対側に付け替えることも可能で、星型のトルクスレンチを使えば簡単に外すことができます。もっともドラゴンフライ2のサイズですと、ベルトに挟んで使う人は少ないと思います。ポケットに入れても全く邪魔にならないサイズだからです。


もう少し大きいデリカ、エンデューラになるとクリップは役に立つでしょう。

お約束のサムホール

スパイダルコを特徴づけるのは、ブレードに空いた大きな穴、サムホールです。ここに親指を当てることで、片手でブレードを出すことができます。最初に見たときは変な形だと思っていましたが、慣れるとこれがないと不便に感じます。


もっともドラゴンフライ2は小型なので、ハンドルを握って片手で出すには少しやりにくい感じがします。ワンサイズ大きいデリカなどは、気持ちよく片手でブレードを出せるんですけどね。そこでブレードの穴を親指と人差し指でつまみ、強く振るとブレードが出てきます。

ブレードを握る使い方

ドラゴンフライ2は小型なので、ハンドルも短めにできています。そのため握りが浅くなり、力も入らず刃先のコントロールも難しくなってしまいます。そこでドラゴンフライ2は、ブレードのエンド部分に滑り止めをつけ、ブレードの根元まで握って使うように設計されています。





これによりハンドルを固定できるので、刃先のコントロールがしやすくなりました。ある程度の力も入るので、小型であってもあまり不便さを感じません。むしろ小さいものをちまちま切るときには、こちらの方が向いている気がします。



切れ味

このスパイダルコは、岐阜県関市のGサカイが委託製造をしています。海外のメーカーは「刃は自分で研いでね」という感じで簡単な刃付けしかしていません。しかし日本人は自分で研ぐ人が少なく、箱から出してすぐに切れることを求めるため、日本のメーカーは最初からとても切れるように仕上げています。

このドラゴンフライ2も、箱から出してすぐに抜群の切れ味です。木だろうが魚だろうが野菜だろうがスパスパ切れます。下手な刃付けを自分でするより、よほど切れますね。

で、何に使っているの?

机の引き出しに入っていて、主に鉛筆を削ったり手紙の封を切ったり、段ボールを開けたり解体したりするのに使っています。カッターナイフでもできるじゃないかと言われそうですが、カッターナイフよりも刃が厚いので、固いものを切る時でも不安がありません。以前紹介したオピネルもありますが、刃の厚さや堅牢さでは安心感が全く違います。

他には家のフローリングの隙間の補修や、クロスの手直しなどにも使っています。高級ナイフというわけでもないので、いろいろなことに使っています。

まとめ

最初にスパイダルコのナイフを見たのは80年代だったと思いますが、ブサイクなナイフとしか思っていませんでした。今でも決して格好の良いナイフではありませんが、使ってみると人間工学に基づいた設計が、あちこちから伝わってきます。ナイフのこれまでの常識も伝統も関係なく、道具としての性能と品質を追求していて、使いやすさに関して高い水準を保っていると思います。

ナイフに困ったら、スパイダルコは候補の一つになると思いますよ。

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