CAMBER(キャンバー)/やり過ぎ感満載のスウェット

スウェット、パーカー、Tシャツなどを作るブランドに、キャンバーというアメリカの会社があります。あまり知られていないブランドですが、極厚生地を使ったタフなやり過ぎ感満載のブランドで、一度使うと他が軟弱に思えて使えなくなる中毒性があります。さらにサイズも7XLまで展開する、いかにもアメリカンなブランドです。今回は、そのキャンバーのスウェットを紹介したいと思います。



キャンバーの概要

キャンバーは、アメリカのペンシルバニア州ノーリスタウンにある家族経営の小規模な企業です。バリー・シュワルツによって1948年に生地の工場としてスタートし、1982年から現在のラインナップであるスウェット、パーカー、Tシャツなどを作りはじめました。顧客の中心は学校やスポーツチームで、トレーニングウェアやユニフォームなどの受注を請けていました。いわゆる学校の体操着のメーカーと言えます。CAMBERというブランド名で販売を始めたのは92年からで、生地だけでなく全てのパーツをアメリカ製にすることに拘っているようです。東南アジアや中米などに工場を移す企業が多い中、製造は全てアメリカで行われている希少な会社と言えるでしょう。直接販売することもなく販売の全ては卸売業者に対して行われいて、キャンバーのTシャツやスウェットに刺繍やロゴを施して販売されているOEM製品も多く見られます。


サイズが多いのも特徴で、Sサイズから7XLという日本人にはほとんど無縁の超ビッグサイズも揃えています。さらにデザインを変更しないことでも有名で、そのこだわりは強迫観念的と言う人もいます。アメリカ国内の卸売業者にしか販売していないため、日本ではアメカジの古着屋で見かける程度でした。しかし最近では販売ルートの変更があったのか、アメカジ衣料を扱っている日本の店で多く見かけるようになってきました。


パーカー

生地の厚さや形状によって数種類を展開していますので、用途や使用感や着心地によって選ぶことができます。カラー展開も豊富なので、好みのパーカーを探せると思います。

♯131(アークティックサーマル)

12.5オンスのスウェット生地に、6.5オンスのライニングを使った極厚のスウェットです。もはやスウェットというよりアウターのようなゴツさで、真冬でも風が強くない日ならTシャツにこれ1枚で十分に温かいです。昨今主流の薄手のパーカーからすると、ジョークのような分厚さとゴツさに驚かされます。アメリカの新聞ウォール・ストリート・ジャーナルは、「バスマットのように分厚く、内側は使い込まれた毛布のように柔らかい」と表現していました。洗ってもなかなか型崩れせず、まさにタフなアメリカンアウターです。



私もこれを持っていて、外出時も部屋着にも使っています。これを一度着ると、他社のパーカーが軟弱に感じてしまい使えなくなります。部屋着にすると、多少寒い日でも風呂上がりにTシャツの上にこれ一枚で過ごせます。欠点をあげると、分厚いだけに重量があるということでしょうか。肩が凝ることもあるほどの重量感ですが、多少の風なら遮ってくれる頼もしいアウターです。男らしいスウェットと言えるでしょう。

♯132(アークティックサーマル)

ファブリックの仕様は♯131と同じで、フロントジップの♯131に対して、こちらはプルオーバーになっています。この分厚い生地でプルオーバーになると、風呂上がりなど汗をかいた状態ではちょっと着にくい感じがしました。しかしジップフロントと違って前からの風にも強いので、どこで使うかによって#131か#132を選ぶことになると思います。この♯131と♯132は生地が厚手のため、背中に垂らしたフードの形がだらっとしないのが良いですね。薄手のパーカーだとフードがフラフラと背中にまとわりつくようになりますが、この位の厚さがあるとしっかりと立体感を保ってくれます。





♯231(クロスニット)

12オンスのスウェット生地を使ったパーカーで、上記の♯131や後述の♯531は綿・ポリが50%ずつなのに対し、クロスニットは綿90%、ポリエステル10%になっています。そのため肌触りが断然良いと評判です。残念ながら私は所有していないので、使用感を書くことはできませんが、評判は上々のようです。





♯531(チルバスター)

7.5オンスのスウェット生地に6.5オンスのライニングをつかったパーカーで、世間的には厚手のパーカーですがキャンバーの中では薄手と呼ばれています。ジャンパーの下に着るにはこの位の厚さが丁度良いのですが、「5年以上着ていると伸びる」と不満を口にする人もいます。しかし昨今のパーカーは5年ももちませんので、いかにタフなパーカーかがわかると思います。♯131や♯132は、ピーコートの下に着たりすると体が風船のように膨らんで見えます。そこでアウターと合わせるなら、チルバスターの方がいいですね。



また♯131、♯231はセットインスリーブなのに対し、チルバスターはラグランスリーブになっています。ラグランスリーブになったということは袖が通しやすいということで、スポーツで疲れた後、寒くて早く着たい時などにもさっと着やすくなっています。そういった点も含めて、初めてキャンバーのスウェットを買う人にも安心して勧められます。




♯532(チルバスター)

♯531のプルオーバーです。用途によって選んでください。






スウェット

パーカーが苦手という方には、襟付きのスウェットもあります。

♯130(アークティックサーマル)

こちらは♯131や♯132のパーカーと同様の極厚ファブリックで、12.5オンスのスウェット生地に、6.5オンスのライニングで構成されます。コットン50%、ポリエステル50%で、肌触りの良さと耐久性の両立を実現しています。




♯234(クロスニット)

コットン90%、ポリエステル10%で12オンスの生地を使ったクロスニットのスウェットです。こちらはクルーネックになっています。上記の♯231のトレーナー版だと思ってください。





Tシャツ

スタンダードな半袖Tシャツの301、ポケットつきの302、長袖の305、長袖でタートルネックの306があります。マックスウエイトと呼ばれる8オンスのコットンを使っていて、6オンス生地のTシャツが厚手と呼ばれる現在では圧巻の生地の厚さです。夏用のジーンズとして売られているライトオンス仕様のものには、8オンスのものもよく見かけます。このことからもTシャツ生地が8オンスというのは、どれほど分厚いかが分かるでしょう。


Tシャツに関しては別記事で詳しく書いているので、そちらをご覧ください。そこらのTシャツとは全く異なる分厚い生地に、当初は戸惑うかもしれません。しかし生地が分厚いということは汗を吸収する量も多いということで、暑い日のお出かけには重宝しています。



分厚いコットンは洗うごとに生地の目がつまり、独特の風合いを出していくことから好きな人には手放せません。厚手生地を使ったTシャツは、洗っていくうちに首回りが伸びて着られなくなりますが、キャンバーのTシャツはリブにも工夫がされていて伸びにくくなっています。私は極端な色落ちを避けるために裏返して干していますが、濃い色のものだと表と裏で色の差が大きく出ています。



まとめ

とにかく肉厚です。パーカーは真冬にはインナーとして着る人が多いですが、♯130、131、132はアウターのように着ることができます。しかしこの分厚さから部屋着として着る人も多く、私も冬にTシャツの上に♯131で過ごすことも多いです。とにかく1着あると重宝します。また洗濯時の縮みを気にする方もいると思いますが、乾燥機でガンガン回さない限り大して縮みません。

Tシャツはファッションとして着ている人が多いですが、スポーツや肉体労働の時にこそ威力を発揮するブランドで、汗をかく環境にはうってつけの商品です。ただし新しいうちは汗を吸いにくく、肌触りもゴワゴワしています。10回くらい洗濯すると、ようやく柔らかくなって汗も吸いやすくなります。また肉厚なコットンが風を通しにくいので、冬場にも向いていますね。

1000円程度でTシャツが売られ、3000円ぐらいのパーカーが売れ筋の現在では割高な商品になりますが、耐久性を考えると決して高いものではないと思います。一度手に取ってみると、圧倒されると思いますよ。


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