M-51パーカーを買おうと思って考えたこと /モッズコートと呼ばれるアレ
何年かの周期でM-51を買おうかと考えます。というのも仕事がら埃っぽいところに行くことがあって、そんな時にウールのコートなんかを着てると残念な気持ちになるんです。M-51ならジャブジャブ洗えばいいですし、あまり大事にせずに使い倒せるからです。濡れようが汚れようが気にならないコートって、一着あると便利な気がするんです。そこで今回はM-51パーカーの話です。
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M-51は、日本ではモッズコートと呼ばれることがあります。軍事放出品が大量にイギリスに持ち込まれ、モッズと呼ばれた若者たちが着ていたことから呼ばれるようになりました。彼らがM-51を着たのは、とびっきりめかし込んだスーツが汚れないようにするためで、お金がない人が安く手に入るM-51をスーツの上から羽織っていたのです。実際には当時の写真を見るとM-51だけでなくさまざまなコートが使われているのですが、モッズの写真集などの影響もあり、モッズと言えばM-51になりました。これらモッズの話は、以前にも書いたことがあるので割愛します。
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一時期、このコートは「青島コート」とも呼ばれていました。大ヒットしたドラマ「踊る大捜査線」で、主人公の青島刑事を演じる織田裕二が来ていたからです。つまりこのコートを着ると、モッズ好きか織田裕二のファンと勘違いされるため、どちらでもない人には実に着るのが難しいアイテムでもありました。
しかし私は店頭で見た時に、強烈な違和感を覚えました。M-51っぽいけど、何か違うのです。ヒューストンは低価格ながら、ミリタリージャケットやフライトジャケットを頑張って再現している良心的な会社なのですが、M-51は違和感が拭えませんでした。そこで落ち着いてディテールを見て行きました。
写真で比べると一目瞭然ですが、ポケットの位置、角度、形(正確にはフラップの形)が、まるで違います。そもそもオリジナルのM-51もいくつかのメーカーが納入していたので、こういうフラップの形もあったのかもしれませんが、このポケットの位置だけは納得できません。私が92年の沖縄で、陽気なアメリカ人が経営していた雑貨屋で出会った60年代のM-51パーカーは、ドローコードよりはるかに高い位置にポケットがありました。
なんでこんな高い位置につけたの?と言いたくなるポジションで、この変な感じも含めて私の中ではM-51なのです。もっともヒューストンがしたように、下に付けた方が使いやすいのも明らかで、これはこれでアリなんだと思います。ただ個人的なイメージとは随分と違うので、どうしても抵抗がありました。
私は丸めて置いておいたのに、土足で踏まれてしまっても「気を付けろよ!ハッハッハ」と笑えるくらい気軽に使いたいのです。しかしこの価格だと、踏まれたりしたら本気で怒りそうな気がします。
他にもいくつかのブランドから出ていますが、どれもM-51風の小洒落たコートばかりでした。
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M-51ってなんなの?
アメリカ陸軍に支給された防寒着です。1950年代に採用された、いわゆる51年型の防寒着になります。M-51フィールドジャケットというのがあり、寒い時にはその上から羽織る防寒着としてM-51パーカーは支給されました。そのためフィールドジャケットより着丈が長く、身頃もゆったりしたシルエットになっています。このM-51は防寒着の重ね着が前提になっているのです。M-51は、日本ではモッズコートと呼ばれることがあります。軍事放出品が大量にイギリスに持ち込まれ、モッズと呼ばれた若者たちが着ていたことから呼ばれるようになりました。彼らがM-51を着たのは、とびっきりめかし込んだスーツが汚れないようにするためで、お金がない人が安く手に入るM-51をスーツの上から羽織っていたのです。実際には当時の写真を見るとM-51だけでなくさまざまなコートが使われているのですが、モッズの写真集などの影響もあり、モッズと言えばM-51になりました。これらモッズの話は、以前にも書いたことがあるので割愛します。
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一時期、このコートは「青島コート」とも呼ばれていました。大ヒットしたドラマ「踊る大捜査線」で、主人公の青島刑事を演じる織田裕二が来ていたからです。つまりこのコートを着ると、モッズ好きか織田裕二のファンと勘違いされるため、どちらでもない人には実に着るのが難しいアイテムでもありました。
ヒューストンのM-51
どこにでも売っているので、もっとも手軽に購入できるのがヒューストンのM-51です。上記の「踊る大捜査線」で使われたのもヒューストン製で、ドラマの人気とともに一時期は品薄になっていました。大人気商品だったこともあり、M-51というとこのヒューストンのモデルを思い浮かべる人も多いようです。しかし私は店頭で見た時に、強烈な違和感を覚えました。M-51っぽいけど、何か違うのです。ヒューストンは低価格ながら、ミリタリージャケットやフライトジャケットを頑張って再現している良心的な会社なのですが、M-51は違和感が拭えませんでした。そこで落ち着いてディテールを見て行きました。
写真で比べると一目瞭然ですが、ポケットの位置、角度、形(正確にはフラップの形)が、まるで違います。そもそもオリジナルのM-51もいくつかのメーカーが納入していたので、こういうフラップの形もあったのかもしれませんが、このポケットの位置だけは納得できません。私が92年の沖縄で、陽気なアメリカ人が経営していた雑貨屋で出会った60年代のM-51パーカーは、ドローコードよりはるかに高い位置にポケットがありました。
なんでこんな高い位置につけたの?と言いたくなるポジションで、この変な感じも含めて私の中ではM-51なのです。もっともヒューストンがしたように、下に付けた方が使いやすいのも明らかで、これはこれでアリなんだと思います。ただ個人的なイメージとは随分と違うので、どうしても抵抗がありました。
バズリクソンズのM-51
さすが東洋エンタープライズと言える出来栄えで、私のイメージにあるM-51はこれです。細かなディテールまでよく出来ていて、若干の荒っぽいつくりもレプリカではなく本物のようです。しかしこの価格は、正直言って払えません。私は汚れる場所に来ていきたいのですが、この価格だと気が引けてしまいます。私は丸めて置いておいたのに、土足で踏まれてしまっても「気を付けろよ!ハッハッハ」と笑えるくらい気軽に使いたいのです。しかしこの価格だと、踏まれたりしたら本気で怒りそうな気がします。
ロスコのM-51
価格的にはこのくらいが適当な気がします。しかしヒューストン同様にポケットは下に来ていますし、なんというか全てのつくりが安っぽく感じます。ロスコの製品って、多くがこんな感じですよね。安価なものが欲しい場合はいいのですが、ちょっと頼りない気がします。もちろんロスコの製品の全てが安っぽいわけでもなく、フリースなどお買い得感があるものもあるのですが、M-51はとにかく安いものが欲しいという方が求めるものだと思いました。フレッドペリーのM-51
もう、これは小洒落たファッションアイテムですね。好きな人にはいいかと思いますが、私のイメージとは全く違うものです。やはりポケットが低くなっていて、普段使いに配慮されているようです。実物を見たときには気にならなかったのですが、写真で見るとドローコードかな無さそうです。これはM-51風の小洒落たコートですね。他にもいくつかのブランドから出ていますが、どれもM-51風の小洒落たコートばかりでした。
まとめ
結局、欲しいと思うものがありませんでした。多分、ヒューストンのコートを買うのが普段使いには一番良いのでしょうが、どうも食指が動きません。かといって、米軍に支給された本物はボロボロになっているものが多く、しかも高額で取引されてるんですよね。まだまだ買わないでいることになりそうです。関連記事
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