LUCIFER/ルシファー /空気の読めない悪魔と美人刑事のドダバタ劇

Hawaii Five-0で注目を集め、シカゴ・ファイアのレズリー・シェイ役で人気が急騰したローレン・ジャーマンが主演を果たしたLUCIFER/ルシファー は、2016年からFOXで放送されています。シビアな顔でとぼけたセリフが多いドダバタ劇で、高い人気を集めました。



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あらすじ

神より地獄の門番を命じられていた堕天使ルシファーは地獄に飽きてしまい、ルシファー・モーニングスターを名乗ってロサンゼルスにやって来ました。美女に囲まれてて高級クラブを経営しますが、偶然知り合った刑事のクロエには相手の心を操る自分の能力が通じないことを知り、クロエに付いて回って一緒に事件を解決するようになります。




ドラマの概要

悪魔が休暇を取って地上にやってくるという流れは、DCコミックを原作としていますが日本の漫画「聖☆お兄さん」を想像させます。しかし悪魔を主人公にするドラマに、保守系キリスト教徒からの抗議もあったようで、放送中止を求める署名運動は10万人以上集まったそうです。




このドラマは残念ながらシーズン3をもって、視聴率の低迷を理由にFOXは打ち切りを発表しました。しかし今度は継続を望む声がSNSを中心に広がり、シーズン4向けに制作した2話が放送されました。さらにシーズン更新を望む声が高まると、Netflixが買い取ってシーズン4の放送が決まりました。

登場人物

ルシファー・モーニングスター(トム・エリス)
とにかく陽気で好奇心旺盛な悪魔で、暑苦しいくらいフェロモン全開です。人間の心に潜む本音や欲望を露わにする能力を持ち、父親(神)に強いコンプレックスがあります。



クロエ・デッカー(ローレン・ジャーマン)
ロサンゼルス市警殺人課の刑事で、娘のトリクシーと住んでいます。旦那は同じロス市警の刑事で別居しています。過去の事件で市警内では浮いており、不正や犯罪を許さない生真面目な性格です。一方で母親は「80年代B級SF映画の女王」と呼ばれた女優で、自身も若い頃にお色気コメディ映画に出演した経験もあります。



メイズ(レスリー・アン・ブラント)
ルシファー に仕えて地上にやってきており、ルシファー の店のバーテンダーをやっています。機会を伺ってはルシファー を地獄に連れて帰ろうとしている魂を持たない魔物ですが、クロエの娘のトリクシーにはなぜか懐かれて、友達になっています。



ルシファー のブラックさ

人間の欲望を露わにするルシファー は、自身も快楽主義者です。酒に女に高級車と快楽を強く肯定するため、周囲から浮いてしまうのですが全く気にしていません。

公然と女性に自分と寝ることを勧め、誰と寝たいかという希望を平気で口にします。不死身の肉体なので、危険な場所にも意気揚々と行ってしまい、悪魔と知らない周囲をハラハラさせます。ルシファー は自分を悪魔だと公言しているのですが、大抵の場合はつまらないジョークだと思われて、聞き流されています。



人を助けだ時に、助けられた人が「神さま」と感謝の気持ちを口にすると「僕が助けたのに、なぜ父に感謝するんだ」と憤り、挙句は父親へのコンプレックスに苦しんで、精神科を受診します。自由気まますぎるルシファー の行動に振り回されるクロエのうんざり顔が、このドラマの面白さの1つです。

シーズン2で、人を簡単に殺そうとする母親に「人を殺してはダメだ」とルシファーが詰め寄ると、不思議そうな顔をした母が「どうして?どうせほっといても死ぬんでしょ?」と返す場面など、ブラックなジョークが散りばめられています。

まとめ

フェロモンをムンムン出して、全く空気を読まずに好き勝手なことを始めるルシファー と、それにうろたえるクロエの姿は毎週見ていて飽きませんでした。キリッとした美人女優のローレン・ジャーマン演じるクロエは、キリッとしているが故に間の抜けた時が秀逸で、2人で笑いを誘います。

事件を解決する流れは特にひねりがあるわけでもなく、ミステリーとして見ると期待外れだと思います。あくまでゆるいコメディとして楽しむのが良いと思います。



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