炎と戦う者たちの人間ドラマ /シカゴ・ファイアの人気は続く

シカゴの消防署を舞台にしたドラマ「シカゴ・ファイア」は、現在シーズン5がAXNで放送中で、アメリカ本国ではシーズン6が終了したところです。2012年から放送が始まり、3本のスピンオフを生んだ人気シリーズを、今さらながら紹介したいと思います。





ドラマ概要

アメリカNBC放送が制作するドラマで、シカゴ消防51分署を舞台にしています。はしご第81小隊の小隊長マシュー・ケイシーと、救助第3小隊の小隊長ケリー・セブライトの2人を主人公に、さまざまな火災や事故に立ち向かう消防隊の姿を臨場感たっぷりに描いています。



もちろんアメリカのドラマらしく、友情や恋愛、昇進や家族のトラブルなどさまざまなエピソードを交えつつ、賑やかな展開にいきます。

勧善懲悪とキャラの魅力

基本的に勧善懲悪になっているので、安心して見ることができます。どんなトラブルに見舞われても、必ずなんとかなる展開で、不条理な出来事が少ないのが特徴です。しかしそれだけでは、何シーズンも更新はできません。キャラ一人一人の掘り下げが絶妙で、とても魅力的なのです。

主要キャラクター紹介

マシュー・ケイシー(ジェシー・スペンサー)
はしご第81小隊小隊長で、カタブツと言って良いほど誠実で真面目な人です。その真面目さゆえに抱え込む問題も多く、正義を重んじるため衝突も多いのですが、51分署の良心になっています。



ケリー・セブライド(テイラー・キニー)
レスキュー第3小隊の小隊長で、女性好きが祟ってトラブルになることがよくあります。一方で消防士としてはカリスマ性があり、隊員達から頼られる優れたリーダーでもあります。レスキュー隊はシカゴ消防署でも限られた分署にしかない、エリート中のエリートです。



ガブリエラ・ドーソン(モニカ・レイマンド)
救急第61隊の救急士で、強い信念から猪突猛進の一面を見せることもしばしば。その強さは大隊長のボーデンもたびたび「ドーソンは諦めないぞ」と語り周囲も認めるほどで、それがトラブルの原因になることもあります。



レズリー・シェイ(ローレン・ジャーマン)
ドーソンと同じく救急第61隊の救急士で、同性愛者の女性。男勝りなサバサバした性格で
、レズビアンであることも隠していません。一方で繊細さと脆さを持ち合わせ、シリーズ前半で最大のトラブルメーカーでもあります。



ウォレス・ボーデン(イーモン・ウォーカー)
シカゴ消防第51分署の大隊長で、ゴリラのような風貌に反して冷静で的確な判断を下します。部下からの信頼も厚く、指揮をとるだけでなく必要に応じて火災現場に飛び込む行動派です。



コメディ・リリーフのみなさん
この脇を固めるコメディ・リリーフが、物語に厚みを与えています。単に笑わせるだけでなく、それぞれが家族の苦悩や仲間との葛藤、恋の悩みなどを抱えていて、キャラクターの掘り下げが出来ています。

※手前左からマウチ、ハーマン、オーチス




理想の職場と人間くささ

このドラマの魅力の一つは、理想的な職場が描かれていることです。全員がプロフェッショナルであり、強い使命感を持つ愉快な仲間達です。険悪な雰囲気になることもありますが最後には仲直りしますし、恋人関係が破局しても互いをプロとして信頼しているので、仕事に支障が出ることはありません。



では全員が完璧な人間かと言うと、欠点が多い人達ばかりなのです。大隊長のボーデンは、常に的確な判断で署員を指揮しますが、私生活では離婚を経験して女性が苦手になっています。ボーデンはそれらの悩みを隠さないので、署員のほとんどがボーデンのプライベートを知っていて、候補生に女性関係の悩みを相談したりします。

※ボーデンは子育てにも悩みます。


まとめ

日本ではシーズン5の放送中ですが、開始当初からの面白さが変わらず続いています。マンネリになることもなく、奇をてらうこともないため、途中のシーズンから見ても楽しめます。過激にハラハラドキドキするほどでもなく、だるい展開になるわけでもなく、くつろいで楽しめるドラマです。



事故の現場は臨場感たっぷりのリアルさですし、命がけで炎に飛び込む消防士の熱いドラマでもあります。あらゆる要素を詰め込みつつ、安心して見られるのがヒットの要因かと思います。シーズン7では一部にメンバーチェンジが起こり、まだまだどうなるかわからない展開になりそうです。







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